新型肺炎で消費低迷…市場は迷いに満ちた「三界火宅」状況

新型肺炎で消費低迷…市場は迷いに満ちた「三界火宅」状況

クルーズ船に大量の感染者(C)日刊ゲンダイ

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 東京五輪の「おもてなし」はどこへやら……。新型肺炎で使い捨てマスクが品薄との連日の報道を受けて、大量に購入しフリーマーケットに出品、定価の10倍で売却、大儲けした人がいるという。人の弱みに付け込むビジネスである。自由主義の市場経済下では、株価同様に価格は需給均衡点で形成されるので批判はできない。

 使い捨てマスクに続いて報道が目立つのが、米国の民主党予備選挙。それもアイオワ州の民主党党員集会だから呆れる。ここは日本で、国民の関心や必要な報道とは乖離しているだろう。だから、ユーチューブで国会審議の中継を見るようになる。

 仏教説話の「三界火宅のたとえ」ではないが、12月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIは39・8と3カ月連続の40割れ。50が景況の分岐点だから、景況は最悪のようにみられるが、内閣府は景気について「このところ回復に弱い動きがみられる」「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による影響がみられる」とした。

 総務省の12月の家計調査(2人以上の世帯)によると、1世帯当たり消費支出は32万1380円。実質で前年同月比4・8%減と3カ月連続のマイナスだった。

 12月は新型肺炎の影響を受けていないが、1月以降は中国の新型肺炎が世界へ感染した。徴用工問題の韓国人に続いて訪日中国人も激減し、国内消費に大きな影響が出始めている。

 新型肺炎の影響が顕在化し始める1月以降の景気ウオッチャー調査(調査期間は毎月25日から月末まで)を警戒したい。

■証券会社のセミナーも中止に

 すでに2月7日、米連邦準備制度理事会(FRB)は、半年に1度議会に提出する金融政策報告書で「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー(商品)価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」と説明。新型肺炎は米経済見通しへの「新たなリスク」で、世界市場を混乱させる恐れがあると警告した。

 新型肺炎の経済への影響が見通せないためか、野村証券や大和証券などは2月から3月に開催予定の投資家向けセミナーを中止した。専門家でも先が見えない「三界火宅」状況で、株式投資なら、リスク回避で短期トレードに徹したい。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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