7月に延期「骨太の方針2020」で潮目に変化 投資も新常態へ

7月に延期「骨太の方針2020」で潮目に変化 投資も新常態へ

2020年の発表は延期(安倍首相)/(C)日刊ゲンダイ

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 米連邦準備制度理事会(FRB)は5月15日、新型コロナウイルス(以下コロナ)のパンデミックがさらに深刻化した場合、株式などの資産価格は「大幅に下落」する恐れがあるとして強い警戒感を示した。中でも商業用不動産市場が大きな打撃を受け、接客業や小売業への打撃も深刻とした。

 実際、4月の米小売売上高は前月比16・4%減と、統計を取り始めた1992年以来で最大の落ち込み。コロナ感染抑制を図る事業閉鎖やレイオフ、外出制限が影響、大半の国民が外出を自粛した。失業率は大恐慌以来の高水準、消費者は急激に出費を減らしている。6月には過半の州で感染抑制策が緩和されるが、日本企業への影響も甚大だ。

 内閣府は5月13日に4月の「景気ウォッチャー調査」を発表。景気の基調判断は「コロナ感染症の影響により、極めて厳しい状況にある中で、さらに悪化している。先行きについては、厳しさが増すとみている」と示された。

 景況感の悪化は、19年3月分以降、14カ月連続で、現状判断DIは7・9、先行き判断DIは16・6と、ともに2000年1月分以降(リーマン・ショックの08年12月の値は現状判断DI19・0、先行き判断DI21・3)で最低値。5月の同調査は「緊急事態宣言」の一部解除観測を受けて好転しそうだが、その水準は極めて低いだろう。 

 ペンス米副大統領は、4月24日、米国の新型コロナウイルス流行は5月25日のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)までに終息する可能性があるとの考えを示した。ペンス氏は、「6月初旬までには、米国の大半でこの流行は過ぎ去っていると確信する」、さらに「正直に言って昨今の傾向を見ると、メモリアルデーの週末までに新型コロナは終息すると考えている」と述べていた。

■「Society5・0」から「ニューノーマル」へ

 日本政府は6月に公表方針の「骨太の方針2020(成長戦略)」を7月に延期するが、「社会はコロナ以前の状態に戻らないし、戻れない」とするだろう。「働き方改革」は、新たにマスク着用義務、営業時間短縮、時差出勤、テレワーク、週休3日制などとなり、成長戦略は昨年の「Society5・0」から「ニューノーマル(新常態)」に変わり、AI、ロボット、ドローンなど「3密」防止に有効な技術に重点が置かれるだろう。

 この前の日曜も公園などに設置された自治体の拡声器から、午前10時に「コロナ感染拡大を防ぐために、外出を控えるようにご協力をお願いいたします」が聞かれた。

 3月決算を発表した上場企業の約6割が次期予想を未定としたため、投資尺度の予想PER(株価収益率)は機能不全。まさに投資も潮目の新常態である。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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