「ポジショントーク」を見抜くにはリテラシーを身に付けること
2021年02月13日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL

金価格も乱高下?(C)日刊ゲンダイ
【富を拡大するインテリジェンス2.0】
世の中、特に金融の世界には多数の企みがあります。
たとえば、世界的に有名な投資家であるジョージ・ソロスが、金(ゴールド)を買いたい時に、まず「金価格は下落する」と発表、報道されます。
多くの投資家はリテラシー不足からジョージ・ソロスの言葉を信じて金を売るため、金価格は下落します。
疑心暗鬼だった人も実際に金が下落しているので、あわてて売る人も多いです。
そして、多くの人が売ったところが底となり反転上昇し、元の価格以上に上がっていきます。
金を売ってしまった人は悔しい思いをすることになります。
これは株の世界でも同じで、個人投資家を一度振り落としてから上昇することが多いです。
何度も繰り返されてきたことです。
このように自分が思っていることや事実と反対に、自分に利益・メリットがあることを言うのをポジショントークといいます。
つまり、自分の利益のために間違ったことを言うことです。
政治家や御用学者なども、たびたびポジショントークを使うため、報道にはたくさんの間違った情報があるので報道をうのみにできません。
ポジショントークはある意味嘘なのですが、嘘が当たり前になり規模が大きくなってくると陰謀と呼ばれるものになります。
全てを陰謀のせいにすると真実が見えなくなりますが、陰謀はないとすることでも真実が見えなくなります。
■秘訣は「正しい知識を得る」と「認識力を高める」
これらを見抜くにはリテラシーを身に付けることが必要です。
リテラシーがあればジョージ・ソロスが「金が下がる」と言ったら下がったところを買うことができます。
リテラシーを身に付ける秘訣は「正しい知識を得る」ことと「認識力を高める」ことの2つです。
「正しい知識を得る」には本連載の過去記事(デジタル版など)をお読みいただくといいです。
「認識力を高める」一番の秘訣は、私たち一人一人が自分の人生の目的・使命の本質を理解し、自分の使命に進んでいくことです。
何のために生きているかわからない状態は、人生で一番大切なことが認識できていない状態であり、認識力が低い状態だからです。
使命の本質のひとつは「世の中を永続的にいい方向に変革していくこと」で個人も政治家・官僚・メディア・企業も同じです。
そして使命の反対は拝金主義です。
拝金主義に陥ると使命や真実ではなく、自己中心的な目先の利益や保身を優先してしまうことになり、ポジショントークも増えていくことになります。
今の激動の時代は拝金主義から使命に転換する時です。
(松島修/投資助言会社社長)