「当り屋につけ」の相場格言 人気株の短期売買で勝ち馬に乗る【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

「当り屋につけ」の相場格言 人気株の短期売買で勝ち馬に乗る【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

日経平均は3万円を突破したけれど…(C)日刊ゲンダイ

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視発言。トランプ米前大統領の女性蔑視ではないが、元首相で、それも人格形成の最終章の80歳を越えたにもかかわらず、性差別とは老人ボケでは済まされないだろう。

 孔子の「論語(為政)」に、「子曰く、吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず(私は15歳で学問を志し、30歳で学問の基礎ができて自立でき、40歳になり迷うことがなくなった。50歳には天から与えられた使命を知り、60歳で人のことばに素直に耳を傾けることができるようになり、70歳で思うままに生きても人の道から外れるようなことはなくなった)」とある。

 大会組織委員会の委員も同じ穴のムジナ。副会長を兼ねる日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は続投を後押しし、理事の室伏広治スポーツ庁長官は公式のリリースで問題発言にすら触れなかった。森氏を擁護した政治家もいた。政府も香港民主化運動の支持など体裁はいいが、本心は性差別を黙認、軽視など民主主義とは別のところにあることを世界に露呈した。

 昨年の日本学術会議会員の任命拒否ではないが、政権に批判的な思想の持ち主は、「正論」でも水面下で委員選考から除外されたのだろう。菅首相は森会長の後任について「ルール、透明性に基づいて決定すべきだ」と述べたが、日本学術会議の推薦候補に対して任命拒否の理由を示さなかった。

 私は十数年前、与党の関係者に政府委員会への参加を打診したが、有力政治家のコネが必要だと言われて退いた。政府、官庁、その関連の各種委員会などでは「長い物には巻かれよ」のできない人は参画できないようだ。

 日本の忖度文化は、非常に根深い。過去の上場企業の粉飾決算事件にも見られたように、企業でさえ「正論」がないのが、「処世術」の現実でもある。

■相場格言は「当たり屋につけ」

 まさに株式相場は社会の鏡か。株式投資に「当たり屋につけ」との相場格言がある。すなわち、値上がりの理由は問わずに人気株を買うこと。投資家は、市場人気へ“忖度”だ。最近、株式投資では人工知能(AI)の自動売買が話題だが、AIも「森羅万象」の値上がり要因は調べられまい。株価の動きに乗るだけだ。日銀のインデックスETF買いも個別企業の業績は調べない。投資家は「何歳になっても惑う」だろうが、「勝ち馬に乗る」である。コロナ禍に東京五輪の迷走も加わり、人気株への「飛び乗り、飛び降り」の短期売買が優勢か。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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