ユニゾHDに経営不安説 地域金融機関は固唾のみ行方見守る

ユニゾHDに経営不安説 地域金融機関は固唾のみ行方見守る

ユニゾHDはホテルも展開(C)日刊ゲンダイ

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 いま地域金融機関経営者が背筋が寒くなる思いで見守る企業がある。オフィスやビジネスホテルを運営する中堅不動産会社「ユニゾホールディングス(HD)」(横浜市中区)だ。地銀幹部によると「ユニゾの大口社債権者である香港のファンドが質問状を送っており、場合によっては会社更生法の申し立てを行う可能性があるのです。期限は今月末、臨戦態勢です」というのだ。

 もしこのファンドが実際に申し立てを行い、裁判所が受理した場合、地域金融機関のユニゾ向け融資や同社の社債は、管財人の管理下に置かれることになる。ユニゾの資産状況によるが更生手続きの結果、地域金融機関の債権が減価することは避けられそうにない。

 ユニゾはもともと、みずほフィナンシャルグループ(FG)の親密企業で、収益性の高い物件を多数保有する優良企業だった。そこにまず目を付けたのがHISの澤田秀雄氏で、2019年7月にユニゾに買収を仕掛けた。これに対してユニゾはホワイトナイトとして投資ファンドを呼び込み切り返した。

 逆転劇を仕掛けたのは、かつてみずほFGで佐藤博康氏(現会長)とトップの座を争った異才のバンカー小崎哲資・ユニゾHD前社長だ。「小崎氏は飄々とした風貌もあるが、佐藤会長と旧興銀同期でFG副社長まで上り詰めた切れ者として知られている」(みずほ関係者)。

 しかし、ここからユニゾに対する外部資本の買収攻勢はさらにヒートアップしてくる。対抗する小崎氏は資産売却を進める一方、従業員による買収(EBO)を行い、昨年6月に株式を非公開化。経営刷新で小崎氏は退任した。

 だが一連の買収対抗策でユニゾの財務内容は悪化し、資金繰りもタイトになっている。「ユニゾは5月までに200億円の融資借り換え、11月に100億円の社債償還を控えている」(地銀幹部)という。ユニゾの取引金融機関は88社(昨年12月時点)で、大半が地銀で占められている。また、「社債は信用金庫などが多数保有している」(同)とされる。ユニゾにもしものことがあれば地域金融機関に甚大な影響が及びかねない。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

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