トイレで転ぶ大人、「ヤンキー座り」ができない不良〜現代人を襲う<3つの低下>

トイレで転ぶ大人、「ヤンキー座り」ができない不良〜現代人を襲う<3つの低下>

和式トイレの姿勢は結構ハード?(shutterstock.com)

 「スポーツの秋」というものの、実際に運動に励む人は、どのくらいいるだろうか?

 ある報告では、<現代人は40年前と比べて一日の活動量が4割減っている>といわれている。

 昔の人は2.5倍も運動していたわけだ。我々の活動量が減った理由のひとつに、ライフスタイルの変化が大きな理由のひとつに挙げられる。

 さまざまなことをコンピューターやインターネットが担い、外出せずとも買い物ができるなど、日常の活動量が減った結果、身体も昔よりおとろえやすくなっている。

 運動会のかけっこで、全力で走った保護者が転ぶ――。そんな光景を目にしたことはないだろうか? 活動量が減り、身体の機能も低下している現代人が転びやすくなっても当然だ。

筋骨隆々な人が転ぶわけ

 そもそも、なぜ転倒するのか。「転ぶ」という行為をヒモ解けば、自分の重心が自身の「支持基底面」から外れることで転倒する。支持基盤面とは、身体を支えるための基礎となる底の面のこと。

 たとえば、立っているときには、左右の足の裏とその間の領域だ。その支持基盤面から外れてしまう原因には、大きくわけて3つある。「筋力・バランス・柔軟性」の低下だ。

 筋力が落ちれば、転倒する危険性は高まることはイメージできるだろう。ところが、よろよろの高齢者でも意外に転ばない人もいれば、筋骨隆々な人が転んだりもする。

 そこには、バランス・柔軟性の低下という因子が関係している。実はこの3点は、各々に鍛えることができる。どれか1点が劣っていても、他を補うことで「転ばない体」作りが可能だ。
和式トイレを使えない人が増えている

 いまや和式トイレを目にすることが驚くほどなくなり、実際に使う機会はなくなった。そのためだろうか、和式トイレで用を足すことができない人が増えている。

 和式トイレでは、股関節を大きく曲げ、足関節も充分に曲げなければならない。これができないと、後方に倒れたり、必要な位置まで腰を下ろしたりできない。

 あらためて、この姿勢をとると結構ハードなことに気づくだろう。このように体を支えるためには、十分な脚の筋力、股関節と足関節の柔軟性。そして、姿勢を保つバランス能力が必要だ。

 ひと昔前までは、トイレに行くたびに体を使って(鍛えた)が、いまではそうはいかない。体の使い方が変わってきた現在、便所座り、蹲踞の姿勢、いわゆる<ヤンキー座り>をできない若者が多数を占める日は近いかもしれない。
 
 PCやネットで利便性を手に入れたように、身体の柔軟性もどんどん失われている。便利さの代償だ。無意識に身体機能を向上させていた頃のようにはいかない、現在は運動を意識しなければならないのだ。

 とはいえ、何もフィットネスクラブに入会しろ、トレーニングマシンや用具を購入しろと迫っているわけではない。
 
 昔の人が無意識に行っていたことを、意識して取り入れるだけだ。たとえば、エレベーターを使わず階段を上り下りする。これだけで活動量は大きく変わる。

 <便所座り>の姿勢でテレビを観る。柔軟性、バランス、筋力のすべてを鍛えることができ、体の機能は向上する。

 後ろ向きで歩く。たまには後ろ向きで歩いてみよう。ただし、転倒には気をつけ、奇異な目で見られないように人がいないところで。

 ほかにもさまざまな運動習慣はあるが、どれも特別なものではない。体を鍛えるのに魔法はない。無意識の運動習慣は、間違いなくあなたの人生の質を高めるはずである。
(文=編集部、監修=理学療法士・三木貴弘)

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