新垣結衣・星野源さん主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』〜<契約結婚>は現実に成立する?

新垣結衣・星野源さん主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』〜<契約結婚>は現実に成立する?

ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(番組HP)より

 TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(毎週火曜日22時〜)が好評だ。通称<逃げ恥(ニゲハジ)>、今期のヒットドラマに化けそうな予感である。

 職なし・彼氏なし・居場所なしの25歳ヒロイン<森山みくり>役を新垣結衣さんが愛らしくも凛々しく、好演。相手役の星野源さんが扮するのは、恋愛経験なしで「プロの独身」を自称する草食系エンジニア<津崎平匡>。

 原作は『月刊Kiss』で連載中の海野つまみ氏の同名漫画だが、新垣・星野のWキャストが<契約結婚>というぶっ飛んだ設定をうまく裁き、<社会派ラブコメディ>という難儀さを見事にクリアしている。

 ドラマの内容は、就活全敗(内定ゼロ)で派遣切りされた院卒生のみくりが、ひょんな縁から津崎のハウスキーパーを頼まれて、母親ゆずりの「家事力」を発揮。

 津崎に気に入られて継続が成立するが、突然引っ越しが決まり、親との同居か独立かを問われる――。

<ビジネス婚>は月給19万4000円?

 窮地のみくりが深い考えもなく津崎に口走ったのは、「仕事としての結婚」。あまりにも唐突な暫定案だが、激務から倒れてみくりの看病を受けた津崎は現実的に試算し、<契約結婚>の提案を受け入れる――。

 就活・非正規雇用・派遣切りという今日的なテーマに加え、契約結婚や家事代行も盛り込んだ設定を、巧妙な脚本と好演出で魅了する。

 ドラマの中では、夫=雇用主/妻=従業員という<ビジネス婚>を月給19万4000円と算出。「機会費用法(OC法)」に基づく専業主婦一人あたりの年間無償労働評価額を「知ってます、304.1万円!」と、みくりが答える場面もさりげなく差し込まれた。

 ドラマでのみくりの時給は2000円だったが、現実の家事代行業の相場はいかほどか。斯界の評価ランキング・サイトで上位企業の時給例を閲覧すると、(週1回の月単位契約の場合で)税別2190〜2600円前後という料金設定だった。
<霞が関>が拾わない共生婚・とり婚・週末婚・別居婚......

 <逃げ恥>では、世代もキャリアもさまざまなわき役陣が抱く結婚観も十人十色。たとえば、津崎の同僚役(大谷亮平さん)は、「キミは無理してでも、いらないものを買うの?」と、結婚願望がないことを、サラリと恋人に告げる。

 みくりの叔母(石田ゆりさん)は、かなりのキャリア女性。そんな彼女の格言は、「深く考えないで結婚しとくんだった。未婚よりもバツイチのほうがまだ生きやすかった」というものだ。

 厚生労働白書(平成27年版)によれば、<20〜30代男性の既婚率>は正社員27.5%/非正社員4.7%。30代前半の独身男性は、正社員49.2%/非正社員63.1%が<結婚後の生活に不安がある>と答えている。

 こうしたデータから<晩婚化><晩産化>を憂うのが近年のすう勢だが、現代若者の結婚観や現実は、もう少しバラエティに富んでいるようだ。

 たとえば、食事も部屋もすべて別の共同生活を送る「共生婚」。恋愛よりも、(子なし人生を回避すべく)とりあえず30歳までに結婚する「とり婚」。

週末だけ同居の「週末婚」。それぞれが実家暮らしの例もある「別居婚」――。実相は幅広く、霞が関の調査報告や分析からは汲みとれない。

 折しも先日、2017年度税制改正で「配偶者控除廃止」の見送りが固まった。女性就労の妨げといわれる年収制限、いわゆる「103万円の壁」が150万円程度まで引き上げられる方向で検討されるという。

 現実の話題がタイムリーにも重なった<逃げ恥>。エンディングに流れる出演者によるキュートなダンスに萌えたあなたも、結婚のあり方や経済観などを一考する機会となるかもしれない。
(文=編集部) 

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