顕微鏡で虫歯治療の痛みから開放! 歯石除去の気持ち悪さも解決?

顕微鏡で虫歯治療の痛みから開放! 歯石除去の気持ち悪さも解決?

顕微鏡で虫歯治療も「痛み」が少ない(depositphotos.com)

 この連載の第3回で「顕微鏡歯科治療で『歯科医の技術の差』が明らかに!大切なのは『見える治療』と『見せる治療』」と題して顕微鏡を使った歯科治療についてご説明しました。

 今回は「見える治療は痛みも少ない」をテーマにお話したいと思います。

顕微鏡を使った「歯石除去」

 まずは「歯石除去」から話を始めましょう。

 みなさんは「歯石除去なんて、どこで取ってもらっても同じ」って思っていませんか? 実は顕微鏡を使った見える治療と肉眼治療には、大きな差があります。

 歯石が付いている歯根の表面は「セメント質」という組織でできています。このセメント質の厚みは、場所にもよりますが200μm(0.2mm)です。

 歯石を取る道具には主に2つあります。1つは、刃が付いた道具を手に持ち、歯石を?き上げる様に使うスケーラー。もう1つは、金属のチップを超音波振動させ、歯石を叩いて壊して取るタイプの道具です。

 このスケーラーで、根の表面を、一度、?き上げると、70μ(0.07mm)削れます。3回使うと、表面のセメント質の細胞は無くなってしまいます。顕微鏡を使わない治療では、手の感覚に頼っているので、歯石と同時に根面を削ってしまう可能性が高い。

 根面が削られると、術中に痛みがあったり、術後、冷たいものが滲みるなどの症状が出やすくなります。また、根面と同時に歯茎も傷をつけてしまうと出血し、さらに患部が見えなくなってしまいます。

 もちろん、顕微鏡を使っても全ての場所が見える訳ではありませんし、全く傷をつけずに取ることはできません。しかし、細心の注意を払い、熟練した衛生士が行えば、今までとは比べものにならないぐらい痛みの少ない歯石除去が可能になり、術後の不快な症状も最小限に抑えられます。

顕微鏡を使った「虫歯の治療」

 次は虫歯の治療について見てみましょう。

 まず虫歯の治療で痛みが出る原因を考えてみましょう。治療後に痛みが出た歯の再治療をすると、虫歯が残っていることがよくあります。高い確率で虫歯が残っている場所は、肉眼治療では見えにくい場所です。暗い場所で小さな虫歯を見逃していることは、痛みや違和感の原因になってしまいます。

 また、樹脂を使った治療の場合、接着が上手くできていないことが痛みの原因になります。接着が上手くできない原因は、接着される歯の表面に虫歯や汚染物質が残っていたり、唾液が付いてきちんと接着していないことが大きな要因です。

 唾液が治療している歯に触れないようにするためには、ラバーダム防湿を行います。ラバーダム防湿法とは、ゴム製の薄いシートに小さな丸い穴を開けて、治療する歯をその穴から出します。

 この方法を使えば、治療中、削りかすや水が口の中に溜まったり飲み込んだりすることもなくなります。さらに、治療する歯が唾液に汚染されることもなくなります。

 ただし、歯とラバーの間に小さな隙間があれば、唾液は簡単に入り込んできます。ここでも顕微鏡を使い、最大倍率23倍に拡大し、明るく光を当てることで、隙間がない、唾液の侵入のない、確実な接着治療をすることが可能になります。

 さらに、根の治療や抜歯などの外科治療も、顕微鏡を使った治療をすることで痛みが軽減される可能性があります。

 このように、一つ一つの処置を確認し、確実な処置ができることは、治療中や治療後の痛みの軽減に大きく役立ちます。今までは小さく、また暗くて見えなかった部分の処置に顕微鏡を使うことは、痛みも少なく、長持ちする治療になることがお分かりいただけたでしょうか。
(文=山口義徳)

山口義徳(やまぐち・よしのり)
CT&マイクロ治療センター山口歯科クリニック院長。1992年、日本大学松戸歯学部卒業。97年4月、恵比寿に山口歯科クリニック開設。2010年、恵比寿にて移転し、保険外診療所としてオープン。所属学会は、日本顕微鏡歯科学会(認定医)、日本抗加齢医学会(認定医)、日本口腔インプンラント学会(会員)、日本歯内療法学会(会員)、日本顎咬合学会(会員)。

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