もしかして、ジョブズ...? 石川県の「禅の里」で座禅を組む、謎の石像の正体は

もしかして、ジョブズ...? 石川県の「禅の里」で座禅を組む、謎の石像の正体は

ジョブズ氏風の座禅像が話題

もしかして、ジョブズ...? 石川県の「禅の里」で座禅を組む、謎の石像の正体は

もしかして、ジョブズ...? 石川県の「禅の里」で座禅を組む、謎の石像の正体はの画像

旅先で、思いがけない仏像に出会い、手を合わせた......、そんな経験を持つ読者もいるかもしれない。

名のある仏師が彫ったとされる、芸術作品のような像もあれば、素朴だが味わい深い、温かい魅力あふれる像もある。

2021年4月12日、次のような写真付きのツイートが投稿され、話題となっている。

写真は、座禅を組んだ姿の石像のようだ。眼鏡をかけた彫りの深い顔は、西洋人のようでもあるが、お釈迦様はインドの人と伝えられているから、インドの高僧なのかもしれない。像の背後に、「輪島市櫛比の庄」という文字が見える。「禅の里交流」とも読めるので、ここは禅宗のお寺なのだろうか。

「どこの高僧かとおもったら石化させられたジョブズだった」というコメントが添えられている。

ジョブズ......?言われてみれば、かの巨大IT企業の共同設立者に似ているような?

いったい、これは何だろう? 輪島市櫛比の庄には、いったい何があるのだろう?

頭の中が、「?」でいっぱいになったJタウンネット記者は、投稿者の岸本元(@bowwowolf)さんと、石川県の輪島市役所に詳しい話を聞いてみた。

■よく見るとタートルネック...?

投稿者の岸本元さんは、「4月上旬、この禅の里交流館のそばにある總持寺というお寺にお参りした帰りに撮影したものです」と答えた。

總持寺(そうじじ)とは、かつては曹洞宗の大本山で、布教伝導の中心となった場所。明治期、火災のため、本山を神奈川県横浜市鶴見に移転してからは、「祖院」と呼ばれている。

この地域の「門前町」という名称はその名残りで、周辺には多くの人や物で大変にぎわっていたという。

この石像を撮影したときの感想を聞くと、

「よほど徳の高いお坊さんかと思いましたが、よく見るとタートルネックで、おお、あのジョブズじゃん!とびっくりでした。ジョブズが禅に傾倒していたことは、さまざまな書籍で触れられていますが、まさか没後に石像にまでなってるとは、お釈迦様でもわかるめえという感じですね」(岸本さん)

岸本さんは素直に驚いたようだった。「ツイッターの反応の中に、隣で坐禅が組めるようになっているという指摘があり、これはなるほどと思いました。インスタ映えしそうで、よく考えられていますね」

次にJタウンネット記者は、4月15日、輪島市役所に電話で問合せてみた。電話で取材に応じたのは、地域振興課の担当者だった。

「実は、總持寺は今年開創700年を迎えます。1321年(元亨元年)、700年前、瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)禅師によって開創されました。そこで、今から5年前の2014年、輪島市門前町の賑わいづくりのために、何かしたいと考えたわけです。かつてはこの地が、禅宗の発信地であったことを示したいと......」(地域振興課担当者)

この石像を造ったのは、地元の石材店で、制作に約半年かかったという。「ツイッターなどでは、誰かに似ているのでは? という指摘もあるが?」と聞くと、

「いや、どなたかをモデルにしたというようなことはございません。あくまでも仏像、悟りを開かれた方の像、を表現しているつもりでございます。たまたま似てしまった、ということはあるかもしれませんが(笑)」(地域振興課担当者)

總持寺開創700年を記念して、町の活性化に役立てば......ということのようだ。像の横に並んで座禅を組んで、写真を撮ってもらってもけっこう、インスタ映えする場所として、大いに活用してほしい、とのことだ。

門前町は、能登半島の日本海に面している。この町の黒島地区は、かつて北前船(きたまえぶね、江戸時代から明治時代にかけて活躍した商船群)の寄港地として栄えたところで、廻船問屋が軒を並べ、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。曹洞宗の布教伝導の発信地は、北前船交易の中継地でもあったのだ。

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