「チーバくんの鼻の先」に行ってみたら、不自然すぎる人工物が現れた件

「チーバくんの鼻の先」に行ってみたら、不自然すぎる人工物が現れた件

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千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」のことは、きっと皆さんご存じだろう。

横を向いた姿が千葉県の形をした、真っ赤な犬である。

Jタウンネット記者は千葉県内の大学に通っていたのだが、友人とこんな会話をすることも珍しくなかった。

「どこに住んでいるの?」(筆者)「チーバくんの胸のあたり」(当時市原市在住の友人)

自分の住んでいる地域をチーバくんの体に例えるのだ。

千葉県民にしっかり愛されているチーバくんの体でも、とりわけ筆者が気に入っているのが、ツンと伸びた愛らしい鼻だ。

チーバくんのかわいいお鼻も当然、千葉県に存在する市の形が元になっている。

YouTubeチャンネル「千葉県公式PRチャンネル」の動画「【予告集】【幻の番組発掘?!Vol.1】こんにちば!チーバくん」では、チーバくん自ら「鼻が野田」であると説明しているように、県北西部の野田市が鼻の部分にあたる。

■野田市の先端を目指す!

醤油の名産地として知られる野田市は、東を利根川、西を江戸川に囲まれた細長い地域。最北部には利根川から江戸川が分流する地点があり、ここがチーバくんの鼻の先にあたるはず。

場所がわかれば、行ってみたくなるのが人間の性。筆者は2021年12月17日、チーバくんの鼻の先を目指して、野田市へと向かった。

筆者が訪れたのは、野田市の北部にある旧関宿町の地域だ。利根川と江戸川の分流地点に近い場所には、千葉県立関宿城博物館があり、ここからチーバくんの鼻の先探しをスタートさせた。

関宿城博物館から江戸川と利根川が分かれる地点に行けばチーバくんの鼻の先にたどり着ける――そう思っていたのだが、現地に着いて早々ある事実に気づいた。

千葉県と茨城県の県境は川の分流点ではなく、博物館のすぐ後ろ側にあったのだ。

■中途半端な位置にある県境、チーバくんの鼻の先はどこに......

筆者の車のカーナビを見ると、県境は分流点よりもはるか手前にあるのがわかった。これはGoogleマップで確認しても同じ。

チーバくんの鼻の先は陸地ではなく、利根川の中にあるため、生身の人間が鼻先まで行くのはできないのだ。しかし、せっかくここまで来たのだから、と陸地で最も鼻の先に近い部分を目指した。

Googleマップを頼りに県境をたどると、関宿城博物館の隣にある関宿にこにこ水辺公園の近くに千葉県と茨城県の境を示すラインがあった。

この県境の表示より東にある利根川方面に行かなければならない。まさかチーバくんの鼻の先がこんなややこしく中途半端な場所にあるとは思いもよらなかった。

雑草以外は何もない。地図を見る余裕もなく、ひたすら歩き続けていると川の手前にある印が見つかった。

■雑草だらけの場所に現れた人工物

ピンクのテープがつけられた不自然すぎる鉄の棒――遊歩道を逸れてから雑草しかなかったが、ここにきて突然人工物が現れたのだ。

位置情報を見ても、ピンクの印がつけられた鉄の棒が何を意味するものなのかは不明。周囲を見渡しても、特に県境を示すようなものもない。はっきりとした印がないため、チーバくんの鼻の先にたどり着けた実感は得られなかった。

■県境が分流点にない理由

なんとも不完全燃焼になってしまった。なぜわかりやすい江戸川と利根川の分流点に県境がないのか。

21年12月20日、Jタウンネット記者は野田市の企画財政部広報広聴課の担当者に話を聞いた。

「諸説ありますが、今の県境は廃藩置県に由来しています。そのとき、県境は川の流れを元に作られていて、昔の陸軍の測量図では、今の千葉県と茨城県の県境に川があった。そこから河川改修を経て、県境はそのままでも川の流路が変わってしまったために今の状態になっているというのが一番有力な説です」

担当者は、「野田市では、ほかにも野田市スポーツ公園の近くに飛び地のようになっている場所があります」と続ける。

「この場所もかつては県境に沿って利根川が流れていたのですが、河川改修で流路が変わってしまったため現在の状態になっています」

ちなみに筆者がたどりついたピンクの印がついた鉄の棒が県境を示すものなのか。担当者ですらわからないという。

チーバくんの鼻の先は、地形の変遷や河川改修の歴史を物語る貴重な場所と言えるのかもしれない。

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