「初めて1人で新幹線に乗った、中学1年生のあの日。不安でいっぱいの僕は、隣席のおじさんに誘われて...」(広島県・50代男性)

「初めて1人で新幹線に乗った、中学1年生のあの日。不安でいっぱいの僕は、隣席のおじさんに誘われて...」(広島県・50代男性)

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シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Fさん(広島県・50代男性)

当時中学生だったFさんはその日、地元の広島から東京まで一人で向かっていた。

1人で新幹線に乗るのも、県外に出るのも初めて。不安いっぱいだったFさんを見て、隣の席のおじさんが、「ある提案」をしてきたという。

<Fさんの体験談>

今から40年ほど前、私が中学生になったばかりの頃の出来事です。

東京で行われる卓球の全国大会に出場するため、初めて一人で広島から新幹線に乗りました。

駅のホームまでは親が見送りにきてくれましたが、新幹線に乗るのはもちろんのこと、県外に一人で出向くのは初めてのことだったので、不安な気持ちで乗車したのを覚えています。

そして、いくつか駅を進んだところで、隣の席にかっぷくのいい中年男性が乗ってきました。

■「一人なのか」「お腹空いてるだろ?」

丸刈りのジャージ姿の子供が新幹線に乗っているのが珍しかったのか、不安そうな顔していたのが気になったのか、スーツを着たそのおじさんは私に、「一人なのか」など色々話しかけてくれました。

そして、ひとしきり話した後、彼はおもむろに

「お腹空いてるだろ? 食堂車に食べに行こう」

と誘ってくれたのです。

余分なお金を持っていなかった私は返答に困って、「いえ、いいです」と断りました。

ですが、彼はニコニコしながら「お金は心配しなくていいから行こう」、と食堂車に連れていってくれたのです。

■メニューはどれも高額で...

「なんでも頼んでいいぞ」

席に座るなりおじさんはそう言ってくれましたが、自分にとってはどれも高額なものばかり。どうしたらいいか迷っていると、彼は笑顔で

「じゃあステーキ食べよう!」

と、自分と同じものを注文してくれました。

食べ終わり、席に戻ったところで「頑張れよ!」と言って、おじさんはほどなく下車して行かれました。

不安で長い道中だったはずが、貴重で新鮮な経験をさせてもらったことで、あっという間に時間が過ぎました。しかもその当時の我が家は外食をすることなどあまりなく、外でステーキを食べるなんて初めて。私にとって、初めてづくしの旅になったのです。

振り返ると、昭和のいい時代を体現しているような、粋な中年男性だったなと思います。

当時は子供で、お名前など聞くこともできませんでした。この場を借りて、改めてお伝えしたいと思います。

あの時はありがとうございました。

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