83歳筆者の「Windows 10アップグレード」一部始終(後編)...一度は無理かと諦めたが

83歳筆者の「Windows 10アップグレード」一部始終(後編)...一度は無理かと諦めたが

無償アップグレード期間を示す、海外のディスプレイ(leesamlongさん撮影、Flickrより)

<前回に引き続き、ぶらいおんさんが「Windows 10」との悪戦苦闘の軌跡を振り返る。

無償アップグレードの期間を過ぎてしまったこともあり、もうダメか、と覚悟したぶらいおんさんだったが、試行錯誤の末、ついに――。

結局、早めの移行が今となっては賢明か

前回の<マイWindows 10トラブル次第(前編)>では、筆者のメインPCのOSは、2回のWindows 10へのアップグレードを実施し、その結果が不満足だったため、更に2回のWindows 8.1へのダウングレードを繰り返した挙げ句、結局Microsoft社の設定したWindows 10への無償アップグレード期限:7月末を徒過した9月現在、Windows 8.1の段階に留まり、専ら日常よく使うアプリケーションを安定利用出来る環境を構築することに終始している事実を述べて、終わっていた。

そして、どうやらマイPCも全般的に安定している様子なので、3度目の正直では無いが、自分では最後としたいWindows 10へのアップグレードに挑戦することにした。以下は、その紆余曲折を経た顛末である。

前回での思わぬ事態発生(咄嗟にPCを工場出荷時の状態にまで戻してしまったこと)に備えて、先ず、バックアップを取ることにした。対象として選択したのは、データ(Eドライブ)のみならずプログラム関係の(Cドライブ)である。(Dドライブ)は更にRecovery Imageとなっている。

準備した外付けの2TBハードディスクにバックアップしたが、実は、このハードディスク内には、別のデスクトップPC(OSはWindows 7)や前にWindows 8.1をインストールしていた際の、このメインPCのバックアップもまた、保存してあった。それでも未だ、新たなCドライブおよびEドライブの丸ごとコピーをしても、余裕があるだろう、という高を括った筆者の判断は見事に外れた。

その結果、夜遅い時間から開始した丸ごとコピーは翌日の午前中まで掛かった。無論、作業開始前に電源を落とすまでの時間とスリープ状態に入るまでの時間とを全く制限しない設定に変更してあったから、翌朝目覚めて確認したPCは起動状態のままだった。しかし、そこに示されていたメッセージは「バックアップ先の容量不足で、作業を完了することが出来ません。」というものだった。

もう、今更外付けHD内のデータを削除したりして、同じバックアップを繰り返すことは時間ばかり浪費することだ、と観念してバックアップは、ユーザーデータ保存ドライブのEドライブのみとすることにした。

無論、時間節約のためだが、Microsoft社の説明によれば、Windows 10へのアップグレードを実施しても、PC内にインストール済みのプログラムおよびユーザー保存データには影響なく、そのまま保持されます、という説明を信じたからである。そして、念の為、Eドライブのユーザーデータのみをバックアップした、これは比較的早く終了することが出来た。

次はいよいよ本番のWindows 10へのアップグレードである。コントロールパネルの"Windows update"を開いて見ると、「推奨されるWindows 8.1のアップデート」を見つけることが出来た。ダウンロードし、インストールすべきデータの容量は矢張り通常よりは大きいように思われたが、膨大と言うほどでも無い。
「これは矢張り、文字通り単なるWindows 8.1へのアップデートなのだろうか?」という思いがよぎる。

実行してみた結果は、Windows 10へのアップグレードではなく、将にWindows 8.1のアップデートに他ならなかった。

「うーん、無償アップグレード期限を徒過してしまっては、矢張り無理か?」と観念し掛かったが、このWindows 8.1のアップデートを行う際、同じ個所に示されていた"メッセージ"を思い出した。そこには<別エディションでアップデートする方はこちら>(筆者の記憶による)とあったように思う。そしてその際、確か、プロダクトキーの入力が求められていたようだ。

この方法なら<Windows 10への無償アップグレード>が可能かも知れない、と考えたが、実際には、筆者はこの方法はトライしなかった。その理由は、この期限付き<Windows 10への無償アップグレード>が話題となった頃、同時に、こんな情報を得ていた。

それは、万一、指定期限内に無償ダウンロード、インストールをしなくても、いつでも好きな時に<Windows 10への無償アップグレード>が可能な方法というものである。

無論、そんなことは先刻ご承知で、とっくに実施済みのユーザーも居られることだろう。しかし、筆者や、筆者のパソコン教室受講者レベルの方々には、これから述べることは有用である可能性も高い。

どんなことか?と言えば、事前にISOファイルを準備して置いて、これを使って、自分の好きなとき、都合の良い折に<Windows 10への無償アップグレード>を実施するということである。これに関し、筆者が入手していたインターネット情報は次の通りである。

すなわち、『メディア作成ツールをダウンロードすれば、Windows 10 Home/Pro、32ビット/64ビットのインストールメディア(DVDやUSBメモリー)を無料で作れます。このDVDやUSBメモリーを使って、パソコンをWindows 10に手動でアップグレードしたり、Windows 10を新規にインストールしたりできるわけです。
ただし、通常のアップグレード方法よりも操作が難しくなる点には注意が必要です。また、Windows 10を新規にインストールした場合は、プロダクトキーの入力が必要になります。Windows 8.1/7のプロダクトキーを用意しておきましょう。』である。

実は、まだ、一度も試していなかったが、これに従い、既に筆者はBlu-rayディスクを準備してあったので、上記の「別エディションのWindows Windows 8.1のアップデート」を試すこと無く、このBlu-rayディスク内に記録したISOファイルを利用して<Windows 10への無料アップグレード>を実施した。

PCのBD-RE(CD)ドライブに、このディスクを搭載すると、「このPCにWindows 10へのアップグレードを行いますか?」というようなメッセージが表示され、「はい」をクッリクすると、次のページへ移動し、プロダクトキーの入力を求められた。そこで、自分のPCのコントロールパネルを開き、表示項目の中から"システム"を選び、クリックして「コンピューターの基本的情報表示」内の下方に示されている「Windowsはライセンス認証されています」直下行に示されているプロダクトIDを入力したが、そこで「これは違います」とPCに拒否される前に、自分でも「これはおかしい」ということに気付いた。当然のことだが、「プロダクトキー」と「プロダクトID」では異なる。

筆者のPCの場合、Microsoft社がWindows 10の供給元であるが、実際にそのライセンス料を支払い、供給を受け、それをインストールしたコンピュータ本体の生産は日本ヒューレット・パッカード株式会社によって為され、それをユーザーである筆者が購入、利用している、という形態を取っているわけだ。従って、筆者が直接Microsoft社に対しWindows 10のライセンス使用料を支払っているわけでは無い。飽くまでも日本ヒューレット・パッカード株式会社を介して間接的な支払いをしているので、「プロダクトキー」ではなく、「プロダクトID」のみが、マイPCのシステム情報として示されているに過ぎない。

いわゆるOEM販売された製品を最終ユーザーの筆者が購入した、ということになるのであろう。だから、日本ヒューレット・パッカード株式会社なら当然「プロダクトキー」は承知しているはずだが、この会社から筆者が提供されたRecovery CDとか、類似資料のどこかに、その記載が無いか?探してみたが、見つけることは出来なかった。それでも、最後の手段として購入者が問い合わせれば、「プロダクトキー」を教えて貰えるだろう、と考えたが、「改めて電話するのも億劫だなぁ!」と思いつつ、(ここからは、筆者の記憶だけに基づくので、記憶違いもあるかも知れぬ。)念の為、画面に出ていたメッセージ「表示/非表示を切換える」をクリックしてみた。すると、画面が変わり、長たらしい条文が続く画面が現れた。そして、この規約に「同意するか」あるいは「同意しないか」の選択を求められた。

殆ど、内容を読み進むこともせず、規約の最下段にある「同意する」をクリックした。

多分、これはライセンス契約に関し同意を求める内容だ、と咄嗟に判断したものの、実を言うと内容そのものは精査しなかった。「そういうやり方をしてはいけません!」と、筆者自身はパソコン教室で講師として受講者達に常々注意しているにも拘わらず、自分はそんなことをしているのだから、言ってみれば、「本音と建て前」を使い分けたいい加減な態度だ、と言われても仕方が無い。

しかし、読者諸氏も当然理解されるであろうように、こんな場合、筆者の立場で「同意しない」を選べるわけが無いし、そんなことをしてみても、この場合全く無意味であることは今更、説明するまでも無いだろう。

それはさておき、その結果「Windows 10へのアップグレードをしますか?」というメッセージが現れた。ということは、この段階でMicrosoft社は、このPCが正規のライセンスを受けたWindowsがインストール済みであることを認識したのかも知れない。つまり、筆者が「プロダクトキー」を調べて、新たに入力したというわけでは無いのだ。

後は、今まで2回経験したWindows 10のダウンロードとインストール、何回かの再起動を反復して、無事に筆者のPCはWindows 10へのアップグレードを完了した。この全ての処理が終了するまでの時間は、今回のISOファイルを記録したBlu-rayディスクを利用したケースの方が、これまで2回のMicrosoft社の当該サイトからダイレクトにダウンロード、インストールしたケースよりも可成り短かったように感じる。

その後、Windows 10インストール済みPCには、無料でアップデートできます、と宣伝された「Windows 10 Anniversaryアップデート」までやってみたが、今のところ、筆者のデスクトップ・メインPCは略順調に作動している。しかし、飽くまで「略」であって、全くトラブルが無いわけでもない。ただ、これはWindows 10をインストールしたことに直接関係するのか、否か?即断は出来ない。もう少し、時間を掛けて注意しながら経過を見てゆくより仕方が無いであろう。

因みに、本コラム(前編)で述べたディスプレイの不具合は今回完全に解消された。前回のWindows 10インストールでは、トラブルを発生していたディスプレイ・アダプターも正常に機能している。一方で、また新たなトラブルも発生しているが、どうしても我慢ならないほどでも無いので、時間を掛けて解決して行くつもりだ。

結局、専門家では無い、一般PCユーザーは試行錯誤を続けて実経験を積むより仕方がない。パーソナルコンピューターは未だに、所詮その段階のブラックボックスである、と言わざるを得ない。

さて、ここで、前回のコラム(前編)で、筆者が述べた推測は、具体的には、こうだった。

<「...?もう無償ダウンロード期限切れてるんでしょ。」「その筈なんだけど、実際はそうじゃないみたいなんだよね。前宣伝とは違って、今でも無償ダウンロード(いや、そうじゃなく更新プログラムの無償アップデート)は出来るみたいなんだよねぇ。...」>

この推測について、Microsoft社のホームページを参照しながら、以下に検証してみよう。

<Windows 10への無償アップグレードは今も利用可能ですか。>
「いいえ。Windows 10への無償アップグレードは、2016年7月29日(ハワイ時間)に終了しました。
Windows 10はデバイスにインストールされた状態または通常版のソフトウェアとして購入することができます。Windows 10については、割引価格の "アップグレード" 版を販売することはありません。」

つまり、筆者が(前編)で述べた「期限切れ後でも、実質的<Windows 10への無償アップグレード>は可能と思われる」という推測は、ここでMicrosoft社により、はっきり否定されている。

しかしながら、これもまた「額面通り受け取って、ああそうですか。」と言って引き下がるほどの問題でも無い。それについては、Microsoft社の次のメッセージを読んで頂きたい。

<Windows 10のインストール・メディアをダウンロードできるメディア作成ツールは提供され続けますか。>
「はい。メディア作成ツールとWindows 10のインストール・メディア (ISOファイル) は、Windows 10のインストールにご利用いただけます。Windows 10を初めてインストールする場合、このツールを使用するには、有効な Windows 10のプロダクトキーを入力するか、セットアップ中に Windows 10の通常版を購入する必要があります。お使いのデバイスにWindows 10をインストールしていた場合は、デジタル・ライセンスが含まれているため、プロダクトキーを入力しなくても Windows 10のライセンス認証が自動的に行われます。」

このWindows 10のインストールに利用出来るという(ISOファイル)こそ、上に述べたように、筆者が予め自分でBlu-rayディスクに記録して置いたISOファイルそのものである。

それで、筆者はこのBlu-rayディスクのISOファイルを利用して、無事Windows 10へのアップグレードを完了できたことは上に述べた通りである。

これらから類推すると、一応『Windows 10への無償アップグレードは、2016年7月29日に終了していて、このルートでは、もう不可能ということになる。』

しかしながら、一方で<Windows 10 のインストール・メディアをダウンロードできるメディア作成ツールは提供され続けている>わけだし、この<メディア作成ツールと Windows 10のインストール・メディア(ISOファイル)は、Windows 10のインストールに利用できる>とすれば、このルートを経れば、未だに<Windows 10への(無償)アップグレード>は可能である、と考えられるのではあるまいか?

と書いたが、実はここで見逃してはならない必須要件が存在する。それはMicrosoft社の、上にも掲げた、次のメッセージ中に存在する。

<Windows 10 を初めてインストールする場合、このツールを使用するには、"有効な Windows 10のプロダクトキー"を入力するか、セットアップ中に Windows 10の通常版を購入する必要があります。お使いのデバイスに Windows 10をインストールしていた場合は、デジタル・ライセンスが含まれているため、プロダクトキーを入力しなくても Windows 10のライセンス認証が自動的に行われます。>

つまり、「有効なWindows 10のプロダクトキーを入力」しさえすれば、今でも新たな「Windows 10の無償アップグレード」は可能である、ということになるが、現実的にはWindows 10をインストールしていない者が、無償の「有効なWindows 10のプロダクトキー」を有している筈が無い。

この点についての上記した『』内のインターネット情報では、はっきりと『"Windows 8.1/7のプロダクトキー"を用意しておきましょう。』と明記されているのに対し、現時点でのMicrosoft社のホームページには、これもまた「このツールを使用するには、"有効な Windows 10のプロダクトキー"を入力するか、...」と、はっきり明示されているのである。

してみれば、筆者が今回、ISOファイルを利用し、自分でプロダクトキーの入力を行わなわずに、無事Windows 10の無償アップグレードが完了出来たのは、上に記述したように、実際に<表示/非表示>を切換え、ライセンス条項に「同意」したことにより自動的に「プロダクトキー」が認識された、ということでは無いのかも知れない。

つまり、<お使いのデバイスに Windows 10をインストールしていた場合は、デジタル・ライセンスが含まれているため、プロダクトキーを入力しなくてもWindows 10のライセンス認証が自動的に行われます。>という、こちらの条件に合致した結果かも知れないのである。

ここでは、単に「インストールしていた場合」と単純な過去形で表現されて居るが、この場合、この文言は「過去に一度でも、お使いのデバイスにWindows 10をインストールしていた場合」と解釈した方が適切では無かろうか?蛇足かも知れぬが、「過去」では無く、「現在」インストールしてい"た"(まま)お使いのデバイスに Windows 10を、更にインストールすることはあり得ないのだから...。

とすれば、筆者は過去に2度もWindows 10をインストールしたことがあるわけだから、「デジタル・ライセンス」の記録が残っており、その結果、自動的に認証が行われたのに違いない。因みに、筆者のWindows 10インストール後のマイPCの「基本的情報表示」を参照すると、Windows 8.1のときとは明らかに異なるプロダクトIDが付与されている。

読者諸氏の中には、Windows 10へのアップグレード要件を満たしながらも、何らかの理由で躊躇している内に、無償アップグレード期限を徒過してしまった方も居られるかも知れない。そんな方々も完全に諦めてしまうことは無いのだ。上述したように「現時点でWindows 7や8、あるいは8.1がインストールされているPCでも、過去に一度でもWindows 10へのアップグレードを試みたPCなら」、今からでも決して遅くは無いということになる。

最後に一言、筆者にはMicrosoft社の片棒を担ぐ義理はさらさら無いのだが、コラム(前編)でも述べたように、我々一般ユーザーは、事実上PCを使う以上、(少なくとも、可成り将来に亘って)WindowsのOSを使わずには行かぬ状況にあるわけだし、どうせそうなら、セキュリティの面で格段に改良されたと言われるWindows 10への移行は早めにして置くのが今となっては、賢明というものであろう。

筆者:ぶらいおん(詩人、フリーライター)東京で生まれ育ち、青壮年を通じて暮らし、前期高齢者になって、父方ルーツ、万葉集ゆかりの当地へ居を移し、今は地域社会で細(ささ)やかに活動しながら、西方浄土に日々臨む後期高齢者、現在100歳を超える母を介護中。https://twitter.com/buraijoh

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