秋田大の「デジタル鉱山ギャラリー」がすごい! 江戸時代の精緻な絵図・絵巻に引き寄せられる

秋田大の「デジタル鉱山ギャラリー」がすごい! 江戸時代の精緻な絵図・絵巻に引き寄せられる

「阿仁鉱山 銅山働方之図」。鉱山の作業場に女性の姿が多く見られる。中には赤ん坊を背負った女性も......(秋田大学「鉱山絵図・絵巻デジタルギャラリー」


秋田大学の図書館が2016年春に公開した「鉱山絵図・絵巻デジタルギャラリー」が話題となっている。江戸時代の鉱山の絵図や絵巻を撮影した高精細なデジタル画像を、ウェブ上で自由に拡大したり、回転したり、操作できる優れた仕組みだ。絵図の上に書かれた手書きの崩し文字も、読みやすい活字風の書体に変換できるという。

Jタウンネット編集部は17年6月、秋田市にある秋田大学図書館に電話で話を聞いてみた。

長崎・出島のミュージアムから問い合わせ...?

電話で答えてくれたのは、秋田大学図書館の情報推進課の杉山禎広さんだ。

「デジタルギャラリーの目的は、秋田大学の前身・旧制秋田鉱山専門学校時代から受け継いだ貴重な資料を、広く知らせることです。デジタル化するときれいにはっきり見ることができます」。

秋田鉱山専門学校は1910年に設置された、日本唯一の官立鉱山専門学校。戦後には、秋田大学の母体のひとつとなり、「鉱山学部」(現在は理工学部)に引き継がれた。

「絵図・絵巻を整理して、全体の構成を決め、専門の写真家に撮影してもらいました」と杉山さんは語る。「翻刻(ほんこく)といって、図面上の手書き文字を活字文字に変換する工夫をしています。この翻刻校合(見比べて確認すること)にあたっては、 秋田大学の教育文化学部渡辺英夫教授にご助言をいただきました」。


「デジタルギャラリーをウェブ上で公開して、1年ほど経ちますが、年間のアクセス数は約2万4000件。予想以上の反響です」。

長崎の出島のミュージアムからも問い合わせがあったという。江戸時代、幕府は外国との交易品を、銀に代わって銅で行うことにし、全国で銅の開発を奨励した。そのため秋田でも銅山が開発され、大阪で精錬された後、長崎へ船で運ばれたという。となれば、銅に関わる問い合わせだったのかもしれない。

「デジタル化したことで、全国の大学や博物館、報道機関の目に留まることになったと思います。テレビ関係からの問い合わせもありましたね」と杉山さん。

江戸時代の銅山開発を担ったのは、泉屋や大坂屋といった大阪の大商人だった。彼らが作った絵図は精巧そのもので、鉱脈の位置も赤い線でくっきり描かれているという。この図面を手掛かりに再開発を企てる人が、将来現れるかもしれない、そんなロマンも感じさせてくれるデジタルギャラリーだ。

収録されているのは、阿仁鉱山(北秋田市)、院内銀山(湯沢市)、荒川鉱山(大仙市)、太良(だいら)鉱山(藤里町)、佐渡金山(新潟県佐渡市)など。

また動画によって、デジタルギャラリーの機能の説明と絵巻「銅山働方之図」を解説する「秋田大学鉱山絵図・絵巻デジタルギャラリーへようこそ!」も公開されている。YouTubeでも閲覧できる。

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