都民ファの公約「受動喫煙規制」 居酒屋やパチンコ店は、どう受け止めているのか?

都民ファの公約「受動喫煙規制」 居酒屋やパチンコ店は、どう受け止めているのか?

小池百合子都知事(2017年7月2日撮影)

小池百合子東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」(都民ファ)は、タバコ規制を進めようとしているが、影響を受ける業界内では、異論なども出ている。むしろ分煙や喫煙者と非喫煙者の共存を進めるべきではというのだ。

そこで、Jタウンネットは、「スモークフリー社会」を掲げる都民ファと、喫煙客が多数訪れる居酒屋やパチンコ店の双方に、話を聞いてみた。

都民ファ都議「分煙については、可としない」
「分煙することで、受動喫煙を防止しようとは考えていません。分煙については、可としないということです」

都民ファの政調会長代理で受動喫煙防止条例プロジェクトチームメンバーの伊藤悠都議(41)は2017年8月14日、Jタウンネットの取材に対し、規制の考え方をこう説明した。

都民ファでは、7月の都議選の公約として、「スモークフリー社会」を挙げた。そこでは、罰則付きの受動喫煙防止条例を作るとし、職場や公共の場所で屋内禁煙を徹底するとしている。


伊藤都議によると、9月定例会には、努力義務規定を盛り込んだ子供を受動喫煙から守る条例案を提案する予定。これも公約していたものだ。しかし、受動喫煙防止条例は、罰則規定があるため専門家や業界などの意見を聞いて議論を深める必要があるとして、9月定例会には提出せず、2020年の東京五輪までの施行を目指す考えを示した。

分煙を認めない理由については、飲食物を運ぶときなどに従業員がタバコの煙を吸い込んでしまうことを伊藤都議は挙げる。その代わりに、従業員全員の同意がある場合に例外的に屋内喫煙を認めることを検討しているといい、タバコを吸うのが目的のシガーバーなどを念頭に置いているとした。また、飲食はできない喫煙専用室なら例外的に認めることも検討していると明かした。

厚労省案にあったようなスナックやバーなどの業務形態や店舗の床面積による広さは基準としない方針だとしている。

「小規模店では喫煙専用室も難しい」と居酒屋

東京都内の居酒屋やパチンコホールにJタウンネットが話を聞くと、受動喫煙防止は時代の流れだとしながらも、受動喫煙防止条例ができたときにどう対応するかが難しいとの声が多かった。


全面喫煙可としている新宿のある居酒屋の店長は、喫煙専用室を作ることに否定的だ。

「規模の小さいところでは、スペースを確保するのは難しい。専用室に削られて、店内が狭くなってしまいます。無駄なスペースはいらないですね。うちは喫煙とうたって商売していますので、禁煙になかなか踏み切れないんですよ」

喫煙席と禁煙席に分煙している銀座の居酒屋では、こう言う。

「3、4年前に店内を禁煙にしたことがありますが、吸っていた人にも配慮しようとすぐに分煙にしました。分煙の方が禁煙当時よりも売り上げが上がっていますね。タバコを吸うのは悪だとは思っていません」

一方、千代田区にあるパチンコホールでは、喫煙専用室を作る費用の問題を挙げた。

「設備にお金がかかりますが、都にどのくらい負担してもらえるのか。全面的な禁煙はきついので、分煙を認めてほしい。ここ千代田区内では路上禁煙となっており、タバコを吸う人はどこで吸えばよいのか」

都内などでパチンコホールを展開する会社のレジャー事業部では、「喫煙者が半分以上を占めており、全面的に禁煙となると、お客が入らなくなります。分煙ボードで仕切ってタバコを吸わないお客に対応しており、パチンコ店は条例の対象から除外してほしい」と言う。

「自主的な取り組みにサポートを」

都民ファーストの会はまだ、受動喫煙防止条例案の内容を公的に示してはいない。こうしたことから、飲食店などの業界団体では、都民ファに意見表明するのを控えているようだ。

喫煙者が多い居酒屋チェーンなども加盟する日本フードサービス協会は8月14日、Jタウンネットの取材に対し、「都民ファーストの会の正式な条例案などが出ていませんので、今の段階ではコメントは出せないです」と答えた。また、利用客の4割強が喫煙者ともされるパチンコホールなどでつくる日本遊技関連事業協会でも、「日遊協としては、しばらく成り行きを見守るという形で意見統一をしています。意見は、条例案が正式に決まったときに出すということです」と話した。

もっとも、受動喫煙への対応については、慎重に進めるべきとの声が各業界でも出ている。日本フードサービス協会の事務局では、こう言う。

「居酒屋や喫茶店では、なかなか分煙も進んでおらず、禁煙となることについて心配する声が出ています。事業者が利用者のニーズを見て、禁煙への対応を決めているので、都などには、自主的な取り組みをサポートしてほしい」

また、日遊協の常務理事は、「オリンピックでは、受動喫煙について厳しい対応を日本が求められており、ある程度のことは覚悟しています。分煙については、進めないといけないと思っています」と話した。

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