博多名物「ごぼ天うどん」のカップ麺 完成度はどれほど?マニアが徹底分析

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界第十三回 「ごぼ天うどん」のカップ麺食べ比べ 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地」に着目してカップ麺を紹介する連載の第十三回目。今回は、福岡のご当地グルメ「ごぼ天うどん」を再現したカップ麺2種類。サンポー食品の「ごぼう天うどん」と、東洋水産の「バリうま ごぼ天うどん」を食べ比べていきます。

左がサンポー食品、右が東洋水産 左がサンポー食品、右が東洋水産
ごぼ天うどんは福岡のソウルフード

ごぼ天うどんは、丸い揚げかまぼこの入った丸天うどんと並び、福岡うどんの定番です。ささがき状のごぼうを、かき揚げもしくはごぼうのみで揚げ、うどんの上にのせらているのが特徴です。ごぼ天うどんや丸天うどんは、福岡以外でも供される店が増えてきているので、食べたことのある方は多いのではないでしょうか。

福岡のうどんは、麺のコシが弱めでやわらかいことで知られていますが、薄口醤油に魚介のだしや昆布を使ったつゆで、かつおの他にうるめ、いりこ、あごなども使われ、魚介だしが強めなのも特徴です。

福岡の麺料理といえば博多ラーメンのイメージが強いですが、実はラーメンに負けないくらいうどんの店を福岡のいたるところで見かけることができ、地元ではラーメン以上にソウルフード的な扱いを受けています。

2つのごぼ天うどんカップ麺

サンポー食品の「ごぼう天うどん」は、1984年に発売されて以来、九州の定番カップ麺として支持されているロングセラー商品。ほぼ九州のみで発売されています。

サンポー食品は佐賀県基山町の地場メーカーで、以前に連載でも書かせていただいた「焼豚ラーメン」で有名ですが、今回のカップうどんのように、他にも九州に根付いた商品を抱えています。

一方の東洋水産「バリうま ごぼ天うどん」は、2001年に発売開始された商品。サンポー食品に比べると後発ではあるものの、こちらも20年近く店頭に並び続けているロングセラー。九州限定で売られている「バリうま」シリーズの商品です。今回手に入れたのは、年1回発売される「ホークス応援カップ」。

内容物の違い(左:サンポー食品、右:東洋水産) 内容物の違い(左:サンポー食品、右:東洋水産)
ごぼ天に大きな違いが!

2つの商品の内容物を比較すると、ともに白っぽい色味の太め油揚げ麺のうどん、粉末スープ、そしてごぼ天が入っています。麺の形状や七味唐辛子の有無といった違いの他に、主役のごぼ天が全くの別物となっています。

サンポー食品はごぼうが入った大きなかき揚げ サンポー食品はごぼうが入った大きなかき揚げ

サンポー食品に入っているごぼ天はかき揚げになっていて、ささがきのごぼうの他に、小エビが入っています。カップ全体を覆い尽くす大きさに圧倒されます。

東洋水産は大きなごぼうの天ぷら 東洋水産は大きなごぼうの天ぷら

東洋水産には、ささがき状のかなり大きなごぼうの天ぷらが5つ。ごぼうに特化しています。衣の形状もサンポー食品とは大きく違っていそうです。

ごぼ天うどんのイメージに近いのは...

同じごぼ天うどんではあっても、ごぼ天のアプローチに大きな違いがあることがわかり面白かったですが、お湯を入れて実際に食べてみるとどんな違いがあるのか見ていきたいと思います。

サンポー食品「ごぼう天うどん」 サンポー食品「ごぼう天うどん」

サンポー食品には、ごぼうと小エビの入った大きなかき揚げとたくさんの小さなかまぼこ、細かいねぎが入っています。

かき揚げには細かいささがきのごぼうと小エビが入っています。衣の部分が多くてふわふわ食感。パッケージに書かれている調理方法には、お湯を入れる前に先入れすると書かれていますが、後入れしてもサクサク食感でおいしそう。

ごぼ天というよりは、ごぼうの入った天ぷらという印象で、定番カップ麺の「どん兵衛」や「緑のたぬき」に入っている天ぷらと同じ感覚で楽しめる天ぷらです。お湯を入れて膨らんだかき揚げが麺やスープを覆い隠しています。これはすごいボリューム。

東洋水産「バリうま ごぼ天うどん」 東洋水産「バリうま ごぼ天うどん」

一方の東洋水産には、ごぼうのみの大きな天ぷらと、大きめなかまぼこ、ねぎが入っています。

大きなごぼうはゴリゴリしたごぼうらしい食感がある豪快な天ぷら。こちらもお湯で戻すタイプの天ぷらですが、サクサク食感を求めて後入れにしてしまうと、ごぼうが戻らなそうなので注意が必要です。

衣を含めたボリュームではサンポー食品に劣るものの、ごぼうに特化した天ぷらは食べ応え十分。九州外の人にとって、ごぼ天うどんのイメージに近い天ぷらなのではないでしょうか。

つゆの違い(左:サンポー食品、右:東洋水産) つゆの違い(左:サンポー食品、右:東洋水産)
つゆの違いも大きい

どちらも薄口醤油を使った魚介と昆布のつゆで共通していますが、味には大きな違いが見られました。

サンポー食品のつゆは、昆布の丸みと感じる甘めの味付け。ほのかに感じる魚介だしに、かつおの他にいりこだしや焼あごの香ばしさが感じられ、福岡うどんらしさがよく出ています。天ぷらから出た油が多く溶け出すことで、こってり感も強めに感じられるつゆでした。

対する東洋水産のつゆは、昆布の丸みや甘みのあるサンポー食品とはだいぶ違い、かつおやさばのだしと薄口醤油の強さで、キリッとした味わいが特徴。塩気は多少強いですが、天ぷらの油の溶け出しがそれほど多くなく、サンポー食品に比べるとあっさりしたつゆになっていました。

麺の違い(左:サンポー食品、右:東洋水産) 麺の違い(左:サンポー食品、右:東洋水産)
麺はどちらも福岡うどんとしてはかため

どちらの麺も、白っぽい色味で縮れの強い、油揚げ麺を使用したうどんです。麺量はほぼ同じですが、形状には多少の違いが見られます。

サンポー食品の麺は、やや厚みのある形状で、うどんらしい噛み応えがあります。パッケージには「博多生まれのふんわりめん」と書かれているものの、福岡うどんのコシの弱い麺に比べるとしっかりした食感がありました。福岡うどんらしさを出すなら湯戻し時間を規定の5分より長めにすると良いかもしれません。

東洋水産の麺は平打ちタイプ。サンポー食品より幅広ですが、厚みはそれほどありません。表面につるみが強い多加水麺食感で、「赤いきつね」の麺と同じくみずみずしい食感が特徴でした。こちらも福岡うどんのコシに比べて弾力がありました。

違いは大きいがどちらもおいしい

同じごぼ天うどんを再現したカップ麺でも、サンポー食品と東洋水産で大きな違いがありました。ごぼ天うどんらしさを考えれば、ごぼうに特化した東洋水産の天ぷらに、いりこや焼あごが感じられるサンポー食品のつゆを組み合わせるのが理想的なのかなと思います。

どちらも甲乙つけ難い、おいしいごぼ天うどんでした。

筆者:オサーンカップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。Twitter(@ossern)

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