山口県には「東京の地名」だらけの街がある 銀座、新宿、有楽町...なぜ?地元に聞いた

山口県には「東京の地名」だらけの街がある 銀座、新宿、有楽町...なぜ?地元に聞いた

東京かな?(画像はM.小林oigawa2

突然だが、みなさんはこの写真の撮影場所がどこか分かるだろうか。


「千代田」
「銀座」
「有楽町」

なんだが見覚えがある...すべて東京にある地名だ。しかし東京では「千代田区」のはずが「千代田町」となっているなど、よく見ると違和感がある。

そう、撮影場所は東京ではない。

ここは山口県周南市にある「徳山」(旧・徳山市)という地域だ。徳山にはこのほか「原宿町」、「新宿通」といった東京とソックリな地名があるほか、まったく同名の「代々木公園」まで存在する。

Jタウンネット編集部がある「麹町」も漢字は異なるが「糀町」として存在し、なんだが親近感が湧いてくる。

東京に何らかの想いがあって真似をしたのか、はたまた偶然か...。遠く離れたこの町で、いったい何が起きたらこうなるのだろうか。

Jタウンネット編集部は2019年9月13日、40年にわたって徳山の歴史を研究、講演なども行っている「徳山地方郷土史研究会」の西村修一さん(65)に話を聞いた。

東京から持ってきた地名は「銀座」だけ

徳山の地名が東京と似ていることは、これまでにもテレビ番組などで伝えられてきた。特に類似地名が見られるのは戦時中に空襲で大きな被害を受けたという旧徳山市街だが、現在では旧徳山市から範囲を広げた周南市内に、東京に加えて神奈川の地名が多く見られるとされている。


周南市で確認される東京・神奈川に類似する地名は以下の通りだ。(地名としてあいまいなものは割愛、カッコ内は東京・神奈川地名)

【旧徳山市街】有楽町(有楽町)、代々木通・代々木公園(代々木公園)、新宿通(新宿・新宿通り)、原宿町(原宿)、御幸通(銀座みゆき通り)、銀座(銀座)、糀町(麹町)、昭和通(昭和通り)、晴海埠頭(晴海ふ頭)、千代田町(千代田区)
【その他周南市内】青山町(青山)、横浜町(横浜)、川崎(川崎)

(出典:徳山地方郷土史研究会資料より)

徳山は新宿通、東京は新宿通りなど若干の違いはあるものの、旧徳山市街だけでもかなりの類似地名が見られる。これは知らずに徳山に来てしまったら驚くだろう。東京みたいな町にしたくて類似地名を付けたとしか思えない。

しかし西村さんによれば、この中で東京の地名を意識して付けられたものは、なんと「銀座」だけ。もともとは銀座になる前の佐渡町・幸町から一字ずつ取る予定だったが、

「お前のとこが何で先とか、うちが何で後ろなんだとか揉めたために、フラットにして銀座っていうのを持ってきて、発展を目指そうじゃないかと。当時の東京への憧れというか、銀座だけ唯一、東京から持ってきました」

とのことだ。その甲斐あってか、銀座は徳山で一番の発展を遂げたという。

代々木公園は周南市が先?

西村さんは旧徳山市街において、銀座以外の東京に類似した地名はまったくの偶然だとしている。また地名ができた時期もばらばらで、銀座と同時期の1960、1962年に告示されたのは、御幸通、糀町、昭和通、有楽町、代々木通、新宿通だけだという。

糀町は江戸時代からある絵図にすでに地名が確認されているといい、1960年に1丁目、2丁目として告示されている。有楽町は戦前、有楽街であったこと、1981年告示の原宿町は「岡田原」「今宿」2つの地名から、新宿通も今宿から派生している。

驚くべきなのが代々木公園だ。

こちらは東京都渋谷区にあるものと全く同じ名前だが、西村さんによると開園は周南市の代々木公園が先だという。東京が1967年、周南市が1962年とのことだ。

Googleのストリートビューで確認すると、周南市の代々木公園は閑静でこざっぱりとしている。広大な敷地に大勢の人が賑わう渋谷の代々木公園とは似ても似つかないが、こちらも悪くない。


全国を探してみれば東京と同じ地名の場所などいくらでもあるはず。しかし狭い範囲に偶然でここまで集中しているのはそうそうないだろう。

徳山の人々がどう思っているか気になるところだが、西村さんは東京都と周南市について、「姉妹都市になってほしい」と話している。

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