新型コロナを40年前に予言? 話題の和製パニック映画「復活の日」を見てみました

新型コロナを40年前に予言? 話題の和製パニック映画「復活の日」を見てみました

映画「復活の日」(画像はAmazonより)

2020年3月11日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの感染拡大について、「パンデミック」の状態にあると表明した。

パンデミックは、感染症の広がりが制御不能となり、世界中が感染の危険にさらされる状態を意味する。WHOによると、新型コロナウイルスへの感染は114か国以上、感染者は11万人を超えている(11日現在)という。

そんな中、ある映画がネット上で話題となっている。

「コロナと一緒じゃん! みたいなところがあってすごく怖いです」
「中国で流行り始めたときから、ずっと、復活の日?って思ってたのだけど、誰も言わないところがかえって怖い」
「ここ数週間『復活の日』冒頭から30分ぐらいを、すごいスローモーで追体験させられ続けている気になる」
「世の中、リアル『復活の日』みたいですね」

話題の映画とは、SF小説の大家、故・小松左京氏が原作で、1980年6月に東宝系で公開された「復活の日」、英題は「Virus」のことである。

なんと40年前に公開されたSF映画が、いま注目を集めているのだ。英題のとおり、ウイルスによる感染拡大を取り上げた作品で、あたかも現在の新型コロナウィルスのパンデミックに至る状況を予言しているような部分もあるらしい。

いったい、どんな映画なのだろう?

 最初は「イタリア風邪」だった

話題の映画「復活の日」は、Jタウンネット記者はアマゾンプライムビデオで観ることができた。アマゾンプライムビデオは、「ゲーム・オブ・スローンズ」にはまっていた時期があったので、それ以来、久しぶりだった。

ストーリーの冒頭部分をかんたんにご紹介しよう。

時代設定は、1960年代、米ソ冷戦のころだ。某国細菌戦研究所で開発された新型ウイルス「MM-88」がスパイによって奪われる。しかし、スパイの乗った小型飛行機は吹雪のためアルプス山中に墜落し、ウイルスを入れた保管容器は砕け散った。

「MM-88」は極低温下では活動を休止しているが、気温が上がるにしたがって、爆発的に増殖を始めるモンスターだった。春になると、イタリア北部で風邪のような病気が流行を始め、やがて「イタリア風邪」と噂されるようになる。

そして世界中に広がっていくのだ。「イタリア風邪」と聞いて、現在のイタリアでの状況がオーバーラップしてくる人もいるかもしれない。

「MM-88」は結局、南極大陸を除く、すべての大陸に広がっていく。当初はインフルエンザの一種と思われたが、心臓発作などによる謎の突然死が相次ぐ。そして人間だけでなく、家畜や野生動物にも感染していったのだ。

なんだか、とても怖いので、これ以上は止めておこう。だが、この映画「復活の日」については、まだまだ突っ込みどころがたくさんある。

「マスクしろ! 緒形拳」

まず、主役の南極越冬隊員・吉住を演じるのは、草刈正雄だ。大河ドラマ「真田丸」のふてぶてしいクセモノ・真田昌幸や、テレビ小説「なつぞら」の温厚な牧場主の、草刈ではない。40年前の草刈正雄は、本当にさわやかでイケメンだったのだ(今の草刈さんもかっこいいですが...)。

主人公の恋人役・多岐川裕美は看護士として、ウイルス感染の患者が殺到する病院に勤めている。そこで懸命に働く医師を、故・緒形拳さんが熱演しているのだが、そこがまず突っ込みどころだ。

緒形さんはマスクも手袋もしていないのだ。

「マスクしろ! 緒形拳」
「防護服はどうした?」

と声をかけずにはいられなくなる。

40年前には、防護服はもちろん、マスク、手袋をするという感染防止の基本も、配慮されていなかったのだろうか。それとも、やはり品薄のため、マスクが手に入らなかったという設定だったのだろうか。

診察途中で倒れた緒形さんは、控室に連れて行かれるのだが、そこには数多くの医師が倒れていて、まさに医療崩壊の様子が描かれていた。

南極越冬隊員の中には、千葉真一もいる。現在は、息子の新田真剣佑や眞栄田郷敦の方が人気があるのかもしれない。40年前の真一パパもけっこう渋い中年だ。千葉真一って、いったいいくつなのだろう、と驚くばかりだ。

もっと驚くのは、外国人のキャストの豪華な顔ぶれだ。

アメリカ大統領役にグレン・フォード、上院議員にロバート・ボーンだ。南極アメリカ隊の提督をジョージ・ケネディ、少佐をボー・スベンソンが演じている。南極ノルウェイ隊の女性隊員は、オリビア・ハッセーだ。

英語だけのシーンが延々と続き、まるでハリウッド映画か、と思わせるほどだ。いったい出演料だけでいくらかかったのだろう、と余計な心配をしたくなる。

ちなみに、主題歌はジャニス・イアンの「ユー・アー・ラブ(Toujours gai mon cher)」だ。

監督は深作欣二、撮影は木村大作、そして製作は角川春樹だ。スタッフの方も思い切り豪華だ。南極ロケも敢行したという。角川映画の超大作で、製作費もふんだんにかけたようだ。

1980年ころの日本は、バブルで、景気良かったのだな、と突っ込みたくなる。

「復活の日」が気になる方は、やはり実際に観ていただくのがいちばんだろう。

関連記事(外部サイト)