ここは廃墟?いいえ、営業中の遊園地です 世界観が独特すぎる茨城の謎施設「ガマランド」とは

ここは廃墟?いいえ、営業中の遊園地です 世界観が独特すぎる茨城の謎施設「ガマランド」とは

ガマランドを知っていますか?(写真は瑠璃さん提供)

茨城県つくば市にある名峰・筑波山。

「西の富士、東の筑波」と、あの富士山と並び称されるほどの美しい山だ。

その筑波山の麓に、こんな場所があることをご存知だろうか。


写真の真ん中あたりに映っているのは、赤い鳥居の中にどっしりと鎮座する巨大なガマガエルの像。右手(?)で頬杖をつき、口はへの字に曲がったなんだか強そうなカエルだ。歌舞伎役者風に見栄を切っているようにも見える。

そして、周囲にはこの像の他にも「ガマ洞窟」「ガマからくり迷路」などのワードが書かれた看板が。

この見るからにガマガエル推しの場所の名前は、「ガマランド」。

筑波山ロープウェイの発着駅・つつじヶ丘駅のすぐ近くにある。

遊具は全て壊れている...

※廃墟ではありません。
動かないだけ、壊れているだけで、
現役の遊園地。
筑波山のガマランド。。。
昭和と言うより平成初期感。
すべり台はコンクリです。(今は壊れていて滑れません)#昭和スポット巡り pic.twitter.com/qz1u5CkARr
- 瑠璃(@lapis_child) July 19, 2020

「レトロ喫茶東京」というアカウントで都内のレトロな喫茶店を紹介している瑠璃さん(@lapis_child)は2020年7月中旬、ガマランドを訪れた。写真はその際に撮影したものだ。

ここでどんな時間を過ごしたのか、Jタウンネット編集部が瑠璃さんに聞いてみると

「ガマ大明神にお参りをしました。
雨があがったばかりなのと遊具は全部壊れているので遊べませんでしたが、
関東平野を一望できる景色をゆっくり見ることができました。
洞窟があるみたいなのですが怖くて入れませんでした。
併設のお土産屋さんの味噌団子が美味しかったです」

とのこと。自宅にカエルがやってきてから良いことが続くようになったので、そのお礼をしに来たのだそう。

なお、ガマ大明神とはこちらのガマガエル像のこと。


ガマランドの入り口の鳥居の中に鎮座していたやつ...ではなく、ランドの上の方にあるもう一体の巨大ガマガエル像だ。こちらは鳥居よりも大きい。

見上げるともはやカエルなのかどうかも認識できないが、とにかく迫力がある。

そして壊れていた遊具というのが、こちら。


遊園地の一角で見るような、子供が乗って遊ぶ電動の遊具がいくつも並んでいる。

これらが全部壊れているとは衝撃的だ。

本当に今でも営業しているのだろうか。というか、ガマランドとは一体何なのだろうか。

Jタウンネット編集部は、ガマランドに直接聞いてみることにした。

巨大ガマガエル像は元祖・ご当地キャラ?

21日、ガマランド運営する三井谷観光に電話し、ガマランドについて聞きたいと伝えると、

「そんな、つまんないもんだよー」

と言いつつも、オーナーの桜井雅子さん(72)が取材に応じてくれた。

桜井さんによると、ガマランドができたのは40年ほど前。1971年に先先代の社長(桜井さんの義父)が作った土産物屋と食堂に併設する形で、先代の社長(桜井さんの夫)が作ったものだという。

桜井さんは夫が亡くなった後、ガマランドの運営を引き継いで、守り続けているという。

「なんでガマかっていうと、筑波山はガマでしょ?
そこから名称をとったわけ」

と桜井さん。そう、筑波山といえばその美しさだけでなく、「ガマの油売り口上」でも有名だ。

「さあさ、お立ち会い。御用とお急ぎ出ない方は、ゆっくりと聞いておいで」

古典落語の題材にもなっているこの口上を、聞いたことがある人も多いだろう。

茨城県のウェブサイトによると、「ガマの油売り口上」は、江戸時代に傷薬として使われていた「ガマの油」を売り込むために、筑波山の麓の村で生まれた永井兵助(ながいひょうすけ)という男が思いついたものだと言われている。

現代では、筑波山の伝統芸能として、茨城県つくば市の認定地域文化財にもなっている。

先代の社長がガマランドを作ったのは、この筑波山のガマを、分かりやすくアピールするためだという。

「うちの(先代の)社長がね、ガマガマって言っても何にもなくてしょうがないだろ、って。それで、ガマの象徴をあそこに建てようっていうわけ。
だから、各県のキャラクターっていうの?くまモンとか、そういうのは最近のもので、うちの社長はずっと前にそういうことを考えていたわけ。ご当地キャラクターの走りよ」(桜井さん)

ガマ大明神は筑波山のご当地キャラクターとして考案されたらしい。

また、ランドの上まで階段を登れず、ガマ大明神にお参りできない人のために、土産物屋の横にもガマ像が作られた。こちらは「考えるガマ」という名前だそう。

愛好家のため、あえてそのままに

そして、ガマランドのメインアトラクションとして作られたのが、「ガマ洞窟」という洞窟だ。このアトラクションは現役で、大人500円(小学生200円)で入場できる。

お化け屋敷のようなものらしいが、「お化けなんかもう、干からびちゃっていないから、ミステリーと迷路という感じで通ってもらってます」と桜井さん。電気はあまりついておらず、明るい外から入っていくとかなり暗く感じるそうだ。

「今の人は、暗いところを歩くっていうのがダメなのよね。どこ行っても明るくなってるから。だから手探りで、物を探して歩く。そういうことを少しでも養ってもらおうと思って。
だから、お化けはそんなにいないです。たまに出るかもわかんないけど」(桜井さん)

日常ではなかなか味わうことのできない感覚を体験し、リフレッシュしてもらいたいというのが洞窟の狙いらしい。お客さんにも不思議な雰囲気を味わえる、と喜ばれているそう。

かつては、遊具や滑り台などのアトラクションがあったが、残念ながら現在はガマ洞窟以外で遊ぶことはできない。

「古い遊園地だから、(遊具などを)直す方がいなくなっちゃったんですよ。直すにもお金もないんです。
みなさん古いのが良いんだって喜んでくれる人もいるから、そのまんまになってます」(桜井さん)


だから、昔のものがいい人はどんどんおいで下さい、と桜井さん。もし、遊具を直せるようになったとしても今の雰囲気を残したまま、ガマランドを続けていきたいと話す。

「たまに来る人が言うよ、『おばさん、ここを壊さないでおいてね』って。
大丈夫、お金がないから壊せないよって言うんだけど。
昔の雰囲気が喜ばれるみたいね」(桜井さん)

現在は新型コロナウイルスの影響もあり、ガマランドを訪れる人はかなり少なくなっているという。

状況が落ち着いて、安心して出かけられるようになったら、ガマランドでゆったりした時間を過ごしてみるのはいかがだろう。

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