中部地方のごく一部のみで通じる方言「ぶちゃる」 全国の認知度を調べてみたら...

中部地方のごく一部のみで通じる方言「ぶちゃる」 全国の認知度を調べてみたら...

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「ぶちゃる」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

例えば、こんな風に使われる言葉だ。

「てんちょー、これぶちゃっといていいっすか〜?」

これは、Jタウンネット編集部員の友人(群馬県出身)が、飲食店でのアルバイト中に発した言葉らしい。

その友人は上京し、東京の店でこの言葉を使ったようだ。すると、店長から

「お前、何する気だよ?」

と、聞き返されてしまったという。

この友人が聞きたかったのは、店内のゴミを捨てていいかどうか。「ぶちゃる」とは、「捨てる」という意味らしい。

神奈川県出身の記者も初めて聞いた言葉で、意味も知らなかった。

この言葉、主にどの地域で使われているのだろうか。

Jタウンネットでは2019年10月9日から2021年1月12日までの間、「『ぶちゃる』←この言葉の意味、分かりますか?」というテーマで、アンケートを実施した。

総得票数は1231票。はたしてその結果は――。

なかなかの接戦...?

全国の結果を見ると、「ぶちゃる」という言葉を「聞いたことも使ったこともある」人は37.0%、「使ったことはないが、聞いたこともあって意味も知っている」人は16.6%。つまり全体で53.6%(659票)が「ぶちゃる」の意味を知っていた。

一方、知らなかったのは「聞いたことはあるが、意味は知らなかった」(1.9%)、「全く知らなかった」(44.5%)と答えた46.4%(572票)。

「ぶちゃる」の意味を知っている人と知らない人は、ほぼ半分ずついるようだ。なかなかの接戦である。

では、地域ごとに見るとどうだろう。


こちらは、「ぶちゃる」の意味を知っている人の割合が高かった地域に色を付けた地図。

ご覧の通り、意味を知っている人の割合が高かった地域は、中部地方に集中している。

複数人から投票のあった地域のうち、全国でもっとも「ぶちゃる」を知っている率が高かったのは、山梨県(97.8%)。

そして、「ぶちゃっていいですか?」と店長に聞き、「お前、何する気だよ?」と返された友人の出身地・群馬県(97.1%)がこれに続く。

新潟(96.0%)、長野(90.3%)でも、9割以上が「ぶちゃる」を知っていた。ちなみに、宮崎は得票数が1票のみだったが、その1人が「聞いたことも使ったこともある」と回答したため、知っている人の割合としては100%という結果になった。

全国の方言約20万語を収録した「日本方言大辞典」(小学館、ジャパンナレッジ版)によると、「捨てる」という言葉には多くの方言がある。北海道・東北では「なげる」、関西では「ほかす」...などだ。

この辞典によると「ぶちゃる」という言葉は群馬県、山梨県、長野県、新潟の資料に登場している。Jタウンネットの今回の調査でも同様の結果が出たことから、この辺りの地域では昔から今まで「ぶちゃる」という言葉が使い続けられているようだ。

ただ、これらの地域に隣接する東京(59.8%)、福島(57.2%)、埼玉(51.2%)の3地域では、他と比べると少しだけ高い割合が出ている。もしかしたら、「ぶちゃる」はじわじわと広まってきているのかもしれない。

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