秋口でも暑さに要注意! 水分不足が招く心房細動の危機(2)

 また、心房細動は、高血圧や糖尿病などの生活習慣、またその予備軍で発症リスクが高くなる。
 基本的な対策は、やはり適度な水分補給。ナトリウムやカリウムといった電解質が含まれているスポーツドリンクもよいと言われるが、糖分や塩分も多いため、65歳以上の高齢者などは飲み過ぎに気を付けなければならない。電解質と糖分の配合バランスでいえば、「経口補水液」を飲むのが望ましいと言える。
 「普段から心臓病を防ぐ意味でも、アルコールは控えめにしたいところ。暑い日には特にビールを、という飲んべえが多くなりますが、ビールなどのアルコールは利尿作用があって、脱水を促します。飲み過ぎてそのまま寝てしまい、夜中に脱水状態に見舞われるケースは少なくない。宴席でもビールは最初の1杯くらいにして、後はお茶とお酒を交互に飲むようにするなど、しっかりと対策を立てることも大事です」(同)

 心房細動は、心臓を動かしている電気の発生場所とは違う場所(主に肺静脈)に異常な電気が発生して起こる。治療は、第一選択肢として薬物療法があるが、薬は一生飲み続けなければならない。そんな中、内科的治療で根治が期待できるのが、ここ10年で急速に進歩している「アブレーション治療」だ。
 首と太ももの付け根の血管から、先端に電極の付いたカテーテル(細い管)を挿入して心臓まで進め、高周波電流で異常な電気の発生場所を焼く。1回に平均20カ所前後焼いて、治療時間は正味2時間で入院期間は3泊4日だ。
 「アブレーション治療の対象は発症から5年以内で、仕事を持つ70歳くらいまでの人、症状が強く出る人、脳梗塞のリスクが高い人などを中心に積極的に行っています。1回の治療で心房細動がなくなる確率は、発作性80%、持続性でも90%以上は発生性に改善します。心房細動が完治する全体の成功率は70%ほどです」(同)

 また、一昨年に保険適用になったのが「ホットバルーン」。管の先に付けた風船を表面温度60〜65度に温めるもの。
 この治療法を開発した葉山ハートセンター(神奈川県葉山町)の佐竹修太郎副院長は言う。
 「風船は柔軟性があることと、表面を均一の温度で温めることができ、接触組織を熱伝導で加温することが特長。治療効果と安全性を高めることができます」

 「冷凍アブレーション治療」も、発作性を対象に行われているという。これはカテーテルに付いた小さな風船を使い異常部位を凍結させて治す術式で、広範囲に治療でき、治療時間が短くて済むとされる(1時間半から2時間)。
 ちなみに、この夏も大騒ぎになった「熱中症」は、脱水だけでなく、体の体温調整が狂ってしまった状態なので、点滴で補液して脱水状態を改善するだけでなく、循環障害や神経障害に対する治療も必要になる。
 いずれにせよ、身体に少しでも変調や違和感を覚えたら、医療機関で診てもらうこと。放置したまま、無理を重ねるのが最も危険なのだ。

関連記事(外部サイト)