動脈硬化を未然に防ぐ“血管年齢”を若く保つ方法(1)

 厚労省の2015年の統計データによると、日本人の死因第2位の心疾患(心筋梗塞や狭心症など)と3位の脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)を合わせると、約4人に1人が“血管トラブル”で亡くなっている。その最大の原因が、動脈硬化。とくに40〜50代の約7割の人に顕著に表れ、命を落としているのだ。

 そもそも、心筋梗塞や脳梗塞は、心臓や脳自体の病ではなく、動脈硬化が引き起こす“血管の病気”だ。「人は血管とともに老いる」という説もあるが、動脈硬化は加齢による血管の老化に起因し、高血圧、脂質異常、糖尿や喫煙といった生活習慣の乱れやストレスなどがその進行を加速させている。つまり、動脈硬化を防ぎ、血管事故を防ぐには“血管年齢”を若々しく保ち、柔軟でしなやかな状態の血管を持つことが大事というわけだ。
 「かつて血管の老化を防ぐものとして、“血液をサラサラにする”食べ物がもてはやされました。確かに血液がドロドロでは血管にも影響が出ます。しかし、実は血液よりも血管を強くしなければ意味がない。血管の老化は50歳前後の中年から始まります。これをどのように止めるかが、心筋梗塞や脳卒中への罹患を防ぐ事に繋がるのです」

 こう語るのは、東京都多摩総合医療センター総合内科・辻野典明医師だ。そして、さらにこう続ける。
 「健康血管を考える上で最近、注目を集めているのは『内皮細胞』です。この血管内皮とも呼ばれる細胞は、血管の内側を覆っているもので、血管の収縮や拡張を調節している。これが元気に収縮することで、血管そのものも広がり強くなるのです」

 内皮細胞を健康な状態に保てば、血管は強くなる−−。そのためには、栄養価の高い抗酸化作用の食品を摂ること。つまり緑黄野菜などを多く食べることだ。
 「例えば、緑黄野菜のルテイン、トマトのリコピン、生姜のジンゲロールやショウガオール、ミカンのβ-クリプトキサンチンなどの野菜や果物。さらに赤ワインやオリーブオイルにも抗酸化成分が豊富に含まれているのでお勧めです。また、食事で血管を鍛えて老化を防ぐには、“カロリーと塩分の調節”が大事です」(栄養士)

 とはいえ、揚げ物や塩気の強い食べ物を減らして腹八分目の食事を心掛けることの難しさは、中年族にとって悩みの一つ。しかし、大学病院元管理栄養士で料理研究家・林康子氏の話を聞いてみると、別な発想が浮かぶ。
 「少なくとも塩分については、多く摂ってしまっても食事の工夫次第で排出することができます。もっともその効果が高いのが、カリウムを多く含む食品です。塩分を多く摂ると細胞内のナトリウム量が増え、多量な水分を補給するために血圧が上がります。しかし、カリウムにはナトリウムを排出し、体内のナトリウムのバランスを適正に保つ働きがあるからいいのです」

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