味の感覚がつかめない味覚障害を起こす人が急増 糖尿病、肝不全、脳梗塞など原因も

記事まとめ

  • 味の感覚がつかめない味覚障害を起こす人が急増しており、年間10数万人ともいわれる
  • 味覚障害の原因は様々だが溶血性貧血、糖尿病、肝不全などが原因になることも
  • 中日ドラゴンズの落合博満GMは顔面神経麻痺のとき「味が分からない」と告白している

脳の異常が隠れている場合も! 侮れない急増中の味覚障害(1)

 せっかく味覚を楽しむシーズン到来なのに、最近、味がよく分からない人が増えている。周囲に「しょっぱくない?」と言われても、どうしても薄味に感じる…。そんな味覚障害の原因は様々だが、中には命を落としかねない原因を孕んでいるから要注意。

 いくら美味しい物を口にしても「味が分からない」、「何を食べても苦く感じて美味しくない」など、味の感覚がつかめない味覚障害を起こす人が急増。その数、年間10数万人もいると言われている。
 味覚障害の原因は、食生活の乱れによるものから、溶血性貧血、糖尿病、肝不全などの病気などのほか、顔面神経麻痺といった脳の異常さが隠れている場合もあるという。
 顔面神経麻痺と言えば、4年前に中日ドラゴンズ落合博満GM(62)が襲われ話題になった。落合氏はテレビや講演先で、「何を食っても味がなく、味そのものが分からなくなった」と告白。「顔も突っ張るしおかしいなと思って、翌朝鏡を覗き込んだら顔も変わっていたので、慌てて医者の所へ飛び込んだ」と語り、医者は脳梗塞の疑いがあり、味覚障害を起こしている可能性があると診断、治療を受けたという。

 味覚障害は、ある日突然自覚することが多い。「これまで美味しかった店の料理が急に味気なくなった」、「甘味や塩味が分からない」、「自分はかなりの薄味だと思ったが、一緒に食事をしている人に『そんなに醤油や塩をかけて味が濃すぎない?』と言われた」といった具合だ。
 東邦大学医学部神経外科の外来担当医は言う。
 「味覚障害が疑われるときはしばらく様子を見ようなどと悠長に構えていてはいけません。すぐに神経内科か耳鼻咽喉科を受診すべきです。手を打たないと、取り返しのつかない状態に陥ることもあるからです」

 この担当医によれば、来院した患者で真っ先に疑うのは、脳腫瘍や脳梗塞の有無だという。
 「味覚障害を起こしている場合、最も怖いのは脳の異常で、中枢神経系が正常に働かなくなっているケースです。考えられるのは脳腫瘍や脳梗塞で、場合によっては急性顔面麻痺の原因にもなり、対処が遅れると、死に至る危険がある」(同)
 そのため、まずはCTやMRIで脳をチェックし、脳腫瘍などが見つかれば、程度によってはすぐに手術が行われる。

 さらに次に疑うのが、ウイルスによる急性顔面神経麻痺だという。
 神経内科クリニックを営む小酒井敏夫院長は、こんな説明をする。
 「この急性顔面神経麻痺は、命に関わりません。しかし、麻痺が表われて2、3日以内に抗ウイルス薬の投与を行い、ウイルスの増殖を抑えて顔面神経の損傷を最小限に抑えないと慢性化してしまい、回復が困難になってしまいます」

 急性顔面神経麻痺は、ストレスと関係が深いと考えている人もいるが、それも原因の一つに過ぎない。また、ウイルスによる麻痺は珍しいことではなく、脳腫瘍や脳梗塞と同じく誰にでも起こりうるものと思っておくべきなのだ。

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