部位によって原因は様々 “しびれ”は病のシグナル(1)

 病院に行くほどではなくても、手足のしびれ症状が気になる人は多いのではないだろうか。実はその症状には、様々な病気が隠れている場合が多い。
 「しびれの原因箇所は脳から抹消神経まで幅広く、全身に病気が隠れていることもあります。手も動くし、ちゃんと歩けていたのが、しびれがひどくなり、治ると思っていたのに痛みも出て動かしにくくなった――。そういった患者さんは少なくありません。考えられる病気を、しっかり認識しておく必要があります」

 朝起きたら突然、手にしびれを感じた――。そんな場合に一番多いのは、首の骨や骨格の病気だという。安静にしていると軽くなるかどうかも、重要なポイントとなる。
 「首を後ろに反らせたり、前屈した際にしびれや痛みが強くなったり、腕や手首をよく使った後にしびれが強まったりする。ただし、安静にしている時はあまり気にならない場合は、(1)頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア・手根管症候群、(2)脊髄空洞症・脊髄腫瘍・大動脈炎症侯群、(3)解離性動脈瘤が考えられます。(1)の場合は整形外科、(2)は神経内科、(3)は心臓血管外科医などが専門となる。いずれの病気も、動かすとしびれがひどくなっていきます」(健康ライター)

 一つの例を紹介しよう。東京郊外に住む女性(68)は約2年前、膝の内視鏡手術を受けた後、杖をついて歩いていた。しかし、無理な姿勢が続いたせいか、首や肩の凝りや痛みが出て、右手の先もしびれ出し、やがて左手もしびれるようになったという。いつもジンジンして力が入らず、家事はおろか、コーヒーカップを持つこともできなくなった。そこで、自宅近くの整形外科に行くと、頚椎症と診断された。
 「年齢とともに、首の骨や、骨と骨の間でクッションの役割をする椎間板が変形し、神経が圧迫される。女性の場合、背中を走る脊髄から分かれて腕へとつながる神経根の部分が圧迫され、肩の痛みだけでなく、手や指先にまでしびれが出る場合があります。このように、手足の感覚を脳に伝える神経のどこかに異常があると、感覚が麻痺したり、何も触れていないのにジンジンとしびれを感じたりするのです」(専門医)

 しびれの感じ方は色々で、客観的な評価は難しいという。しかも、しびれを伴う病気は、神経を包む“鞘”が壊れる多発性硬化症、筋肉を動かす神経が傷害されるギラン・バレー症候群など様々なのだ。

 また、しびれが発生した場合、その箇所や近くに原因があるとは限らない。
 東京多摩総合医療センター脳神経内科の医師は、こう説明する。
 「検査によって、隠れている病気が見つかることもあります。そのため、少しでも早い段階で神経内科や整形外科を受診すべきです。中でも、左右どちらかの手や口のまわりに急に強いしびれを感じる場合、脳の“視床”と呼ばれる部分の異常が原因として疑われので、急を要します」

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