専門医に聞け! Q&A 便通を促進させる食事

 Q:家での食事では、なるべく野菜を多く食べています。魚、肉は適度に摂っていますが、ご飯は肥満予防のため少なくしています。ただ、便秘になりがちで悩んでいます。何がよくないのかアドバイスをお願いします。(33歳・司法書士)

 A:排便のために最も大事なものは、食物繊維です。食物繊維には、水に溶けにくい不溶性と、水に溶けやすい水溶性があります。
 不溶性食物繊維は、穀類、イモ類、豆類、根菜類などに多く含まれます。カニの甲羅やエビの殻などに含まれるキチン・キトサンも不溶性です。胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸を刺激して腸のぜん動運動を高め、排便を促します。
 一方、水溶性食物繊維は、リンゴや桃、イチゴなどの果物、ワカメや昆布などの海藻、大根やゴボウ、キノコ類、大麦、寒天やコンニャクなどに含まれます。ネバネバしていて、水に溶けてゲル状になり、食べ物を包み込みます。

●穀類を極端に減らすとよくない
 排便を促す直接的な作用があるのは不溶性食物繊維ですが、腸の健康と排便のためには、不溶性、水溶性のどちらも必要です。双方、大腸内で発酵して善玉菌を増やし、腸内環境をきれいにするからです。便通促進のためには、不溶性のほうを多めに摂るようにするとよいでしょう。
 最近、糖尿病の治療食やダイエットとして炭水化物(糖質)をあまり摂らない食事が流行っていますが、炭水化物を極端に減らすと、不溶性繊維の摂取も減るため、便秘しやすくなります。ご質問の方も、一因は穀類摂取の少なさにあるのかもしれません。
 その他、排便を促すものに発酵食品があります。納豆や味噌などの伝統的な発酵食品や発酵調味料を常食とするのもよいでしょう。
 また、酢のように酸っぱいもの、ゴーヤのように苦いもの、唐辛子のように辛いものには、排便を促す直接的な作用があります。こういう癖のあるものは、「嫌なもの反射」と言って、胃腸が腐ったものと勘違いして反応し、胃腸が排除するように働くので、排便が促されるのです。
 以上を参考にして、食生活を見直すとよいでしょう。

首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や臍帯血幹細胞療法、遺伝子治療などの高度先進医療を実践。

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