専門医に聞け! Q&A 真夏の運動時の水分補給

 Q:走るのが好きで、いつも朝、45分かけてランニングをして出勤します。しかし、去年の夏に一度、気分が悪くなったことがありました。日差しはさほど強くなかったのですが、そういう場合でも熱中症になるのでしょうか。ちなみに、水分は家を出る前、コーヒーと水を1杯ずつ飲む程度です。水分の摂取不足でしょうか。
(30歳・地方公務員)

 A:ご質問の方は、運動時の水分摂取の重要性をあまり認識されていないようですね。
 今でこそ、ほとんど聞かれなくなりましたが、かつては「スポーツの時に水分を摂らずに根性を鍛える」と言われていたこともありました。
 暑い夏や運動時など、汗をかくときに水分補給が大切だということは今や常識です。日本は初夏から夏にかけて、気温が高いだけでなく、湿度も高いのが特徴です。
 この湿気が曲者で、体から水分を奪います。そのため、さほど暑くないと思うときにも体が脱水し、熱中症になる人がいるのです。
 ご質問の方は、夏も朝、ランニングをして出社するそうですが、事前にしっかりと水分を摂取して熱中症対策をしなければなりません。

●喉が渇いたと思う前に水分を摂取
 具体的には、もっと水分を摂るようにしましょう。喉が渇いたと思う前に水分を補給するのが、脱水予防のコツです。起床してから家を出るまでに500ミリリットル程度は必要です。
 水分摂取で注意しなければならないのが、スポーツドリンクです。意外と糖分が多く、たくさん飲むとカロリーを摂取し過ぎることになるからです。
 また、スポーツドリンクにはミネラルも入っていますが、飲むことによってミネラルバランスが整うわけではありません。飲む点滴と考えないほうがよいのです。
 水分補給に用いるのであれば、水で十分です。もしスポーツドリンクを利用するような場合は、半分程度に水で薄めてから利用することが望まれます。
 なお、付け加えると、暑い夏は運動をするのに適した季節ではありません。この当たり前のことを認識し、無理をしないようにしましょう。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。

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