死ぬまで現役 下半身のツボ オナニー行為とEDの関係

 「男性の中には“オナニーはできるから問題ない”という方がいます。これは大きな勘違い。オナニーとEDは関係がないんです」
 こう説明するのは、性感研究の第一人者で医学博士の志賀貢氏だ。

 オナニーができる=勃起して射精も可能、だからEDではない。そう考えている方も実際多いのでは?
 だが、EDの定義とは、“満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態”を指すという。定義の中に「性行為」という言葉が入っているように、要はセックス中に勃起が不完全(もちろん中折れも含まれる)なら、いくらオナニーで勃起してもEDなのだ。
 「医学的にも正しいのです。なぜならEDの要因は8割以上が心因性。例えば、『俺はもう年だから』という自信喪失や、過去にセックスで失敗したことへのトラウマ、さらに久しく女性とセックスをしていない男性の場合、いざその場面になると極度の緊張や期待が高まり過ぎて、勃起しないこともある」

 一方、オナニーは違う。自分1人で楽しむ行為なので、不安や緊張などはない。妄想の世界ならトラウマだって覚えないはずだ。そのため、オナニーなら勃起&射精ができてしまう。これを理解しておかないと、実際の性行為の時、失敗をしかねないという。
 「普段のオナニーで自分が常にビンビンだから大丈夫とタカを踏んで、いざ女性と一戦を交えてしまうと、思うように勃起しない。すると“どうして? どうして?”と焦りが生じて、性行為そのものに恐怖を覚えてしまうんです。これもまたトラウマとなります」
 中には、そうした体験から女性恐怖症、さらには対人恐怖症になってしまうケースもあるというのだ。まさに勘違いが生んだ負の連鎖。そんな事態を避けるためにも、正しい知識はもっておくべきなのだ。

 とはいえ、オナニーが悪いわけではない。
 「むしろ、セックス回数が減った中高年男性は日頃からオナニーをするべきです。ペニスに刺激を与え、勃起させて射精する。これらの行為を常にしておかないと、人間の脳が『もうペニスは必要ない』と判断してしまい、性機能を低下させてしまうんです」

 オナニーをすることで、性機能は維持されるのだ。ただ、オナニーができるから俺はEDではない、と思い込まないこと。
 「自分がEDかどうかの判断は、実際に性行為をしなければ分かりません。もし、そういうチャンスに恵まれた時、自分が想像していたより力を発揮できなければ、早急に対策を取るべきです」

 手っ取り早いのは、やはりED治療薬の服用だ。
 「それと同時に、食生活を見直して、運動もする。とくに中高年男性は肥満がEDを招いているケースが多い。脂肪が必要以上に蓄積すると、男性ホルモンであるテストステロンが減少します。逆に脂肪を落とせば、いくつになってもテストステロンは増えるんです」

 肥満対策には有酸素運動が最適。最低でも1日20分はウオーキングやジョギングを心掛けるべきだ。
 いずれにせよ、オナニーとEDは関係ないことを、まずは覚えておこう。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。

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