専門医に聞け! Q&A 大動脈解離の予防方法

 Q:俳優の中嶋しゅうさんが大動脈解離で急死しましたが、私の叔父も同じ病気で急死しています。叔父は高血圧でしたが、私も高血圧で、この病気のことが気になります。予防する方法はあるでしょうか。アドバイスをお願いします。
(38歳・和食店経営)

 A:大動脈はいちばん太い動脈です。なんらかの原因で大動脈の内側にある内膜に裂け目ができ、その外側の中膜の中に血液が入り込み、縦方向に大動脈が裂けるのが大動脈解離です。治療が遅くなるほど致死率が高くなり、24時間以内に約3割が、1週間放っておいたら8割以上が死亡すると言われています。
 とにかく予防が重要ですが、原因ははっきりとは分かっていません。動脈硬化や高血圧が関係しているとも言われています。しかし、一つ一つの要因との関係を追跡した統計はありません。

●平穏な生活と自律神経の安定が大事
 私は、この病気を予防するためには生き方が大事だと考えています。現代は緊張型の社会です。仕事を持ち、社会人として生きていくには必然的に緊張を余儀なくされます。
 緊張すると、自律神経のうちの交感神経が緊張し、血管が収縮します。それに伴い、筋肉も緊張し、収縮します。
 こういう生活を続けると、血圧を上げ、動脈硬化を促進し、ひいては大動脈解離の発症につながる恐れがあります。
 それではどうすればよいか。私は、できるだけ平穏な生活を送ることと、自律神経を安定させることの二つを勧めています。仕事では無理をせざるを得ないこともあるはずですが、できるだけ無理をしないようにしましょう。
 また、自律神経の安定を図るために、物質に依存するのはよくないと思います。たとえば、飲酒、甘いものなどがそれに該当します。
 私は毎週土曜の夜に温泉に入ることを習慣にしています。温泉にゆっくりつかると、心身が“ぐでたま”状態になるのが実感できます。一般的には、夢中になれる趣味を持つとよいでしょう。
 なお、漢方薬では、「芍薬甘草湯」や「安中散」が、体中の筋肉をリラックスさせてくれるので、お勧めです。

岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病等に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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