〈目からウロコの健康術〉 蒸し暑い夏場にすっきり食べて健康増進「酢」は万能の健康食品だった!

〈目からウロコの健康術〉 蒸し暑い夏場にすっきり食べて健康増進「酢」は万能の健康食品だった!

(提供:週刊実話)

古くから食品の傷みを抑える調味料として用いられてきた「酢」。日本では4〜5世紀の応神天皇の頃に中国から渡来したというから、1500年以上の歴史がある。古来、酢に期待されたのは食品の防腐・静菌効果(殺菌効果はない)で、酢の物やなます、寿司などは独特の風味も含めて、酢なしでは成り立たないほどだ。

 日本の食文化を豊かにしてきた酢は、一方で、その健康効果から、最近、注目の食材となっている。生活習慣病につながる様々なリスク要因を抑えることが分かってきたのだ。

 酢を研究して40年、「お酢博士」として知られる東京農業大学名誉教授の小泉幸道氏は言う。
「酢の健康効果はさまざまですが、そのなかでも高血圧を下げる作用に注目してほしい。酢を毎日大さじ1(15ミリリットル)摂り続けた結果、6週間で血圧の低下が見られたという研究結果があります。血圧が高めの男女(最高血圧:130〜159㎜Hg、最低血圧85〜99㎜Hg)の平均低下値は、最高血圧で15㎜Hg、最低血圧で6㎜Hgでした」

 高血圧の定義は「最高血圧140㎜Hg以上かつ、または最低血圧90㎜Hg以上」だから、平均的な低下が見られれば、正常な血圧(最高血圧120〜129㎜Hgかつ、または最低血圧80〜84㎜Hg)の範囲まで血圧を下げることができることになるわけだ。

 高血圧自体には自覚症状がない。それだけに放置されることが多く、その結果、血管や心臓に負担を掛け続けることになり、脳梗塞や脳出血などの「脳血管疾患(脳卒中)」、心筋梗塞や狭心症などの「心疾患(心臓病)」、人工透析や腎臓移植が必要となる「慢性腎臓病」などのリスク要因となる。

 厚生労働省が発表した「平成29年(2017年)人口動態統計(確定数)」によれば、日本人の死亡原因は断トツ1位が「悪性新生物(がん)」。続く2位に「心疾患」、3位に「脳血管疾患」が位置する。高血圧は生命にかかわるこうした病気につながる。「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれるゆえんだ。

 酢で血圧が下がるのなら、費用も少額で手間もかからず、願ったりかなったりだ。注意点はないのだろうか。
「酢の摂取を止めると残念なことに、血圧は元の高さに戻ってしまいます。ただ、止めたからといって摂り始める前より血圧が高くなることはありません。また、正常な血圧の人が摂取したからといって、血圧を正常値より下げる心配はありません」(小泉名誉教授)

★内臓脂肪の減少にも

 酢の健康効果は「血圧の低下」だけではない。メタボリックシンドロームにつながる「内臓脂肪の減少」、糖尿病を発症させる直接要因となる「急激な血糖値の上昇」を抑える効果もある。順に説明しよう。

 内臓脂肪はいうまでもなく、内臓周辺につく脂肪のこと。これが蓄積された内臓型肥満と、高血圧・高血糖・脂質異常症(多くは血液中のコレステロールや中性脂肪の異常増加)のうちの2つが結びついた状態がメタボリックシンドロームだ。いわば不健康が積み重なった状態で、こうなると動脈硬化などの発症リスクはさらに高くなる。

 食酢メーカーのミツカンの研究によると、毎日大さじ1の酢を朝晩の2回に分けて摂り続けた結果、3カ月後には肥満気味かつ中性脂肪値の高い男女で、内臓脂肪5・43平方センチメートル、体重1・17キログラム、腹囲1・43センチメートルの減少がみられたという(平均値)。

 こんな健康効果から、近頃だぶついてきたお腹が気になる方なら、シェイプアップ効果も期待したいところだろう。

 食後の急激な血糖値(血液中のブドウ糖濃度)の上昇が頻繁に繰り返されると、糖尿病につながる恐れがあるが、酢の摂取はこれを緩やかにする。

 この点についての研究も行われている。やはり大さじ1の酢を含む飲料を食事と一緒に摂った場合は食後2時間まで、ワカメの酢のもので摂った場合は食後45分まで、血糖値の上昇は緩やかだった。

 2型糖尿病になりやすい体質は遺伝による。親や親族に糖尿病が多い人は、できれば飲みもので酢を摂取したいところだ。

 酢の健康効果はさらにある。酢を使うことで料理の味を引き締めつつ減塩すれば、塩分の摂りすぎによって罹る様々な病気の予防につながるし、これから蒸し暑さが増す時期の「疲労回復」「食欲増進」などの効果もある。

 これだけ健康効果の高い酢を用いないのはナンセンスだろう。酢は万能の健康食品なのだ。

★酢を含む食品とその摂り方

 ここまで紹介してきた健康効果については、どんな酢を選んでも大差がない。あらゆる食酢製品に含まれる「酢酸」が健康効果の立役者だからだ。酢は使われる原材料によって、米酢、穀物酢、りんご酢、ぶどう酢(ワインビネガー)などに分類されるが、味や香りなど、飲んだり食べたりする際の好みで決めればよい。

 飲用する場合は、そのまま飲むと喉や胃の粘膜を傷つけることになるので要注意。5〜8倍を目安にして、水などで薄めて飲んだほうがよい。酢が苦手な人はハチミツなどを加えると、飲みやすくなる。

 前出の小泉名誉教授がすすめるのは、りんご酢を使った飲料。大さじ1のりんご酢を牛乳やオレンジジュース、ぶどうジュース、りんごジュース、トマトジュースなどに100ミリリットル〜120ミリリットル加えて、よく混ぜるだけ。手軽でさわやかな健康ドリンクが楽しめる。

 納豆に酢を混ぜる「酢納豆」なら、納豆に含まれるミネラル、ポリフェノール、動脈硬化予防で知られる「ナットウキナーゼ」と、酢の健康効果の相乗作用で完璧な健康食品ができあがる。毎日の食事に、酒の友に縦横に活用したい。もずく酢やめかぶ酢など、海藻との組み合わせも理想的だ。

 長期熟成型の黒酢やバルサミコ酢には、独特のうま味やこく、香りがあり、黒酢は健康ドリンクや中華料理に、バルサミコ酢はイタリア料理やスペイン料理に向く。黒酢にはほかの酢にはない「がん抑制作用」(特に大腸がん)があることも分かっている。

 手軽に健康が手に入る酢の活用。ぜひ、お試しあれ。

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