名医・博士の健康術 ★今週のテーマ「米麹甘酒」

名医・博士の健康術 ★今週のテーマ「米麹甘酒」

(提供:週刊実話)

「米麹甘酒」1日200mlを数回に分けて摂取するだけでOK!“米麹甘酒”は、飲む「点滴&降圧剤」だ!!

 甘酒は日本の伝統的な飲料の一種で、『日本書紀』に記述があるほど歴史が古い。栄養価が高いことから、海外では「ジャパニーズヨーグルト」とも呼ばれる。

 甘酒には、酒粕から作る「酒粕甘酒」と、米に米麹(蒸した米を発酵させて麹菌を繁殖させたもの)を加えて発酵させた「米麹甘酒」があるが、イシハラクリニックの副院長で、診療のほか、メディア出演や執筆でも活躍する石原新菜先生は、「健康効果が高いのは米麹甘酒のほう」と断言する。

「どちらも食物繊維やたんぱく質が豊富ですが、酒粕甘酒は砂糖やアルコールも含まれているのでカロリーが高めで、大人しか飲むことができません。これに対し、米麹と水だけで作った米麹甘酒は、砂糖が入っていないのでカロリーが低く、アルコールも入っていないので、お子さんでも飲むことができます。さらに、疲労回復に効果的なビタミンB群、体力増強に効果のあるアミノ酸が吸収されやすいという特性から、米麹甘酒は『飲む点滴』ともいわれています」(石原先生)

血圧を下げる
米麹甘酒
 そして、米麹から作られた甘酒には、血圧を下げる効用もある。
「米麹甘酒には、アミノ酸がいくつも結合した『ペプチド』という成分が含まれており、血圧上昇の要因となる『アンジオテンシン変換酵素(ACE)』という悪い酵素の働きを抑制する作用があります。高血圧の患者さんが服用する降圧剤には、ACEをブロックする成分が含まれているものも多いので、米麹甘酒は『飲む降圧剤』ともいえます」(石原先生)

 また、米麹甘酒には抗酸化作用がある「ポリフェノール」も含まれている。抗酸化作用には、さまざまな病気や体の不調の原因とされる物質や活性酸素を抑制する働きがあるので、米麹甘酒を飲むことでアンチエイジングや美白、しみ・そばかすの予防なども期待できる。他にも、腸内環境を整える植物性乳酸菌や、人の消化酵素では消化することのできない食物繊維も含まれているので、米麹甘酒は便秘の予防にも役立つ。

 ちなみに、健康食品として知られる玄米で作る甘酒には、玄米の胚芽に含まれる「ガンマ−オリザノール」という成分が含まれている。高血糖を改善し、脳に働きかけて食事の嗜好を和食に変える作用があるので、高いダイエット効果も期待できる。

★飲む量は1日200ml程度

 健康効果が高い米麹甘酒だが、ブドウ糖が多く含まれているので一度にたくさん飲むと血糖値を急激に上げてしまう。そのため、飲む量は1日200ml程度と決めておき、朝から複数回に分けて飲むとよい。

 次に飲み方だが、善玉菌などの米麹に含まれる栄養成分は、元が50〜60度で発酵して作ったものなので、それ以上の熱で温めると健康効果が薄れてしまう。そのため、甘酒の善玉菌効果を高めたいのであれば「未加熱(生)」のものを選び、温めて飲むときも60度ぐらいまでにしておこう。

「米麹甘酒は米麹から手作りする方法もありますが、酒造メーカーや醸造メーカーなどが製造する市販のものを購入したほうがお手軽です」(石原先生)

 米麹甘酒はそのまま飲んでもいいが、しょうがやココア、豆乳などで割って飲むと、降圧以外の健康効果も得られる。
「しょうがには『ジンゲロール』などの辛味成分が含まれていますが、甘酒にしょうがを加えることで、甘酒に含まれるペプチドとの相乗効果で血圧が上がりにくくなります。さらに、米麹甘酒に皮つきのすりおろししょうがを加えると、手や足の末端にある血管を拡げ、血流を促して体が温まる効果が期待できます。水分や老廃物の排出状況もよくなるので、冷えやむくみの解消にもなります」(石原先生)
 しょうがは市販の粉末状のものでも、適量をすりおろしたものでもOKだ。60度を目安にして飲めば、体がポカポカと温まる。

★豆乳などを混ぜてもいい

 米麹甘酒に粉末ココアを加えると、降圧だけでなく美容効果も期待できる。ココアに含まれる「カカオポリフェノール」には動脈硬化や血圧上昇を防ぐ効果があるが、美肌効果も高いので、肌の衰えも予防してくれる。また、ココアには自律神経を整える「カカオテオブロミン」という成分も含まれているので、リラックス効果も得られる。カップに粉末ココアを入れ、米麹甘酒を少しずつ注いで混ぜ合わせよう。

 そして、健康飲料の代名詞的存在である豆乳も、米麹甘酒と組み合わせて飲むことで高い健康効果が得られる。味の相性もいいので、豆乳が苦手な人でも飲みやすくなる。

 豆乳に含まれている「リノール酸」には、動脈硬化予防の効果がある。また、同じく豆乳に含まれる「大豆サポニン」という成分には、血液中のコレステロールや中性脂肪といった血液中の余分な脂質を排出する効果があるので、生活習慣病や老化の予防も期待できる。健康志向が強い人には、ぜひおすすめしたい組み合わせの1つだ。

 また、果物と一緒にミキサーにかけて一緒に飲んだり、アイスやパンケーキといったおやつに取り入れるなど、米麹甘酒にはさまざまな組み合わせがある。自分好みのものをチョイスして、楽しみながら飲んでみよう。

◎米麹甘酒の効果的な飲み方
・1日に200ml程度飲む
・_血糖値が上がりすぎないよう、数回に分けて飲む
・_未加熱のものをセレクトし、温めるなら60度まで

◎飲み方の工夫で健康効果が上がる
血流促進効果をプラス! しょうが甘酒
・材料 米麹甘酒:250ml しょうが:小さじ2
・作り方
(1)おろし金でしょうがを皮ごとすりおろす(小さじ2杯分)/(2)米麹甘酒250mlをカップに注ぎ、(1)を加えてかき混ぜる/(3)お好みで、レンジで加熱(耐熱カップを使用し、500Wで約1分が目安)

動脈硬化の予防効果をプラス! 豆乳甘酒
・材料 米麹甘酒:60ml 豆乳:60ml
・作り方
(1)耐熱カップに米麹甘酒と豆乳を1:1の割合で注ぎ、混ぜる/(2)お好みで、レンジで加熱(耐熱カップを使用し、500Wで約1分が目安)

美肌効果をプラス! ココア甘酒

・材料 米麹甘酒:100ml 粉末ココア:小さじ1/2〜1
・作り方(1)カップに粉末ココアを入れ、米麹甘酒を少しずつ注いでスプーンで練るようにして、混ぜ合わせる/(2)残りの米麹甘酒を注ぎ、さらに混ぜる/(3)お好みで、レンジで加熱(耐熱カップを使用し、500Wで約1分が目安)

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監修/石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。2006年帝京大学医学部卒業。現在は父・石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法による治療にあたる。テレビ、講演、執筆などでも活躍中。

公立諏訪東京理科大学教授(応用健康科学・脳科学)。日常の様々な場面における脳活動についてなどを研究。子供から高齢者までを対象に脳育や認知機能低下予防、脳トレについて等の執筆・監修・講演といった活動を幅広く行う。著書・監修書に『高齢ドライバー脳活ドリル 全国共通・認知機能検査【体験版】付き』(二見書房)など多数。

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