トラブルを避けるために「遺産相続をする側」が知っておくべき3つのポイント

トラブルを避けるために「遺産相続をする側」が知っておくべき3つのポイント

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例え資産自体は少なかった場合でも、遺産相続をきっかけに兄弟や親せきとトラブルになるという事態はできれば避けたいものです。前回の記事では、相続対策が不十分であるケースを念頭に置き、相続トラブルを避けるために相続させる側(被相続人)が気を付けるべき3点を解説しました。

そこで、今回は、相続する側が気を付けておきたいポイント3点について解説していきます。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

■相続する側(相続人)の注意事項

@相続が起こる前に財産を把握する

ご両親の資産と負債の内容を全部把握している相続人はきわめてまれだと思いますが、後の相続トラブルを防ぐ方法としては、被相続人の生前に資産と負債を把握しておくことが大事です。

たとえば、相続人みんなが「自宅と金銭その他流動資産とが半分ずつくらいの割合かな」と大まかにしか把握していないと、想定と実際の割合(評価額)とが異なっていた場合や、隠れた負債が存在していた場合に相続トラブルのきっかけとなります。

「親が死んだときのことを考えるなんて縁起でもない!」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、私の経験則からも被相続人が元気なうち、そして、家族の仲が良いうちにきちんと財産を把握していらっしゃるご家族のほうが、相続トラブルが少ないような印象がありますね。

また、次のAにも関連しますが、相続税の申告納付期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内」ですので、被相続人の法要を行い、それから財産調査を行い、そしてその後分割協議…という流れでは、あっというまに期限が到来してしまいます。

この点からも、財産の把握は被相続人の生前から行っておくべきでしょう。

A法律上の原則を知っておく

相続人の範囲、遺言で書けること(遺言の効力の範囲)、遺留分制度の内容、相続税がどのような場合にかかるのか等々、法律上の原則がどうなっているかについて、相続人の間で共通認識を有しているほうが相続トラブルを防ぐことができるでしょう。

相続人間で共通認識を持つことによって、騙す気はなかったにもかかわらず間違った発言をした相続人の1人に対し、他の相続人が「騙された!」という感覚をもってトラブルの端緒となったり、もっともらえると期待していた(!?)のに思い通りの相続が行われかった相続人が分割協議に応じなかったりする可能性を低くすることができるといえます。

なお、法律上の原則ではありませんが、1人の弁護士が利害の対立する相続人複数名の代理人にはなれない、ということも覚えておいておくといいと思います。

B他の相続人に相談してから行動する

「葬儀費用として必要だから、喪主になるであろう私が預金を凍結される前に下ろしておかないと。葬儀費用の足しとして私が払った分は、後の遺産分割で考慮されるはずだし、弟もわかってくれるだろう。」などと、他の相続人に相談しないで勝手に行動すると、だいたいトラブルが起こることになります。

上記の例の中だけでも、喪主に誰がなるかという問題、被相続人の預金を勝手に下ろしてしまうことの問題、葬儀費用の額の問題、分割協議の中で喪主が支出した葬儀費用分が考慮されない可能性の問題と、相続トラブルのきっかけとなり得る問題点がたくさん含まれています。

被相続人が亡くなった後は、悲しみに暮れている中でも急いで決断しなければならないことは多いですが、相続人たちの間で話し合わずに行動することはなるべく避けるべきです。

相続人側としても、前回の記事と同じように、事前または相続直後に弁護士や税理士に相談してから行動すること、家族を大事に思う心をもって普段から生活することが、トラブルを避ける一番の方法だと思います。

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)

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