夫がママ友と自分の悪口で大盛り上がり…離婚の原因になったとき慰謝料は請求できる?

夫がママ友と自分の悪口で大盛り上がり…離婚の原因になったとき慰謝料は請求できる?

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夫婦が離婚するには様々な理由があるものです。しかし、もし訴訟を起こしての離婚となると、離婚を成立させるために法律上の条件(民法770条1項)を満たす必要があります。

@配偶者に不貞な行為があったとき。A配偶者から悪意で遺棄されたとき。B配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。C配偶者の強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。Dその他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

ここではネットの相談サイトで注目を集めていた下記のケースについて、法的な離婚の条件から考えてみたいと思います。

「夫のスマホを見ると、夫が自分のママ友とメールをし、あろうことか自分の悪口で盛り上がっていた。夫とママ友に肉体関係はないが、離婚できるか?」

水田法律相談所の河野晃弁護士にこのケースについて伺いました。

*画像はイメージです:http://www.shutterstock.com/

■まずは離婚の法的な条件を満たすか

まず、この理由は離婚の原因として認められるのでしょうか? また、夫とママ友に慰謝料を請求することはできますか?

「この離婚請求が認められるかどうかについては、民法770条1項5号の『婚姻を継続しがたい重大な事由』にあたるかどうかによりますが、基本的には難しいかもしれません。

そうそうないとは思いますが、もしこれが原因で離婚が認められたとすれば、夫との共同不法行為ということで夫とママ友に慰謝料請求が認められることになります。」(河野弁護士)

法的に離婚が認められるには、上記の5つの条件のどれかに該当しなければなりません。このケースが該当するとすれば「Dその他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」ですが、ママ友との悪口程度ではこの条件を満たすのはなかなか難しいようです。

もしかすると妻としては自分の悪口で夫とママ友が親しく盛り上がっていることから「@配偶者に不貞な行為があったとき」を疑うかもしれませんが、メールだけでは「不貞行為」には該当しません。

■では「不貞行為」はどこから?

「そもそも、不貞行為とは、夫婦が負う貞操義務に対する不履行を意味します。貞操義務とは、『夫婦が互いに性的純潔を保つ義務』です。要するに、配偶者以外の人間と性的なことをするなという意味です。肉体的な関係がない以上、貞操義務に反することにはなりませんので、不貞行為となる余地はありません」(河野弁護士)

つまり万が一、配偶者がよその誰かと心を通じ合わせていても、肉体関係がなければ不貞行為とはならないのです。

■「肉体関係」の法的なボーダーラインは?

とはいえ、肉体関係にも手をつないだり、キスをしたり、その先も…と段階があるわけで、いったいどこからが「肉体関係」と認定されるのでしょうか?

「これは難しい話だと思います。性行為はもちろんアウトですが、具体的に考えると、膣に陰茎を挿入しなければいいのか、とか、口淫は、手淫は、という問題が生じます。不貞行為の意味を考慮すると、こういった行為はアウトとみなされるように思います。手をつないだり、キスをするくらいでは、『性的な行為』とみなしがたいので、不貞行為とまでは言われないのではないでしょう。

また、肉体関係がなかったとしても浮気相手との関係性によっては不貞行為とは別の事情、すなわち、『D婚姻を継続しがたい重大な事由』の方に引っかかって、離婚原因にはなりえるのではないかと思われます。」(河野弁護士)

性交がなくても肉体関係とみなされるケースがあるし、肉体関係とみなされなくても、離婚条件として認められるケースがあるということです。離婚訴訟を考える時は、“法律ではどう解釈されるのか?”という視点が大切になってきます。

*取材協力弁護士:河野晃 (水田法律事務所。兵庫県姫路市にて活動をしており、弁護士生活6年目を迎える。敷居の低い気軽に相談できる弁護士を目指している。)

*取材・文:フリーライター 岡本まーこ(大学卒業後、様々なアルバイトを経てフリーライターに。裁判傍聴にハマり裁判所に通っていた経験がある。「法廷ライターまーこと裁判所へ行こう!」(エンターブレイン)、「法廷ライターまーこは見た!漫画裁判傍聴記」(かもがわ出版)。)

【画像】イメージです

*Antonio Guillem / Shutterstock

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