あってはならない痴漢冤罪…ウソの申告や証言をした人はどんな罪に問われる?

あってはならない痴漢冤罪…ウソの申告や証言をした人はどんな罪に問われる?

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*画像はイメージです:https://pixta.jp/

実際に痴漢をした、していないに関わらず、痴漢容疑で現行犯逮捕された場合、ほぼ有罪になるといわれています。

一方で、無罪を主張するのが難しいという痴漢の性質を利用し、痴漢を受けたと虚偽の被害申告をするという行為があるようです。また、痴漢の虚偽申告を人と協力し、実際には痴漢をしていないにも関わらず、「私は見ました」など、虚偽の証言をして痴漢の冤罪を成立させるという悪質なケースもあるようです。

このような虚偽の被害申告や証言によって、痴漢をしたと疑われた人が逮捕・起訴され、場合によっては有罪判決を受けてしまった場合、痴漢の虚偽申告をした人、ならびに虚偽の証言をした人は何らかの責任を負うのでしょうか。3つの観点から解説したいと思います。

@刑事上の責任について

まず、人に刑事処分を受けさせる目的で、警察等に虚偽の告訴等をした場合には、虚偽告訴罪(刑法172条)が成立する可能性があります。

次に、虚偽の被害申告によって、加害者とされた人が逮捕・起訴されたり、有罪判決を受けた場合、その人の社会的評価を低下させたと言えますので、名誉毀損罪(刑法230条1項)が成立する可能性があります。

さらに、虚偽の被害申告によって、警察等の捜査機関が捜査を開始したような場合、「偽計」を用いて、警察等の「業務」を「妨害」したと言えますので、偽計業務妨害罪(刑法233条)が成立する可能性があります

A民事上の責任について

虚偽の被害申告によって、加害者とされた人の名誉等が侵害されたと言えますので、虚偽の被害申告をした人は、不法行為(民法709条、710条)に基づく損害賠償義務を負う可能性があります。

B虚偽の証言をした人の責任について

刑事裁判あるいは民事裁判において被害者側の証人として出廷し、実際には痴漢を見ていないにもかかわらず、加害者とされた人が痴漢した旨証言した場合、その人には、名誉毀損罪あるいは偽証罪(169条)が成立する可能性があります。

*この記事は2015年8月に掲載されたものを再編集しています。

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

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