個人間での口約束による借金トラブル解消のため覚えておきたい3つの対処法

個人間での口約束による借金トラブル解消のため覚えておきたい3つの対処法

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個人間での口約束による借金トラブルは、表面化していないだけで非常に多く存在していると考えられます。そのような場合、法的にはどのように解決していくべきでしょうか。

よく相談を受けるのが、彼氏にお金を貸した、職場の同僚にお金を貸した、親しくなった知人にお金を貸した、でも返してくれない、借用書もない、といった事例です。

そういった場合にまずは実行したい、3つの対処法をここではご紹介していきます。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

@借用書を書いてもらう

まず、相手が借金を認めていて返すと言っているのであれば、返済期限を決めて借用書を書いてもらうことです。借用書は予め用意して、相手に確認して返済期限を埋め署名捺印させるとスムーズです。借用書を書いてもらうのは、借りていないという言い逃れを封じ後日の裁判に備えるためです。借用書の書式については、本屋さんの法律書・ビジネス書コーナーで掲載されている書籍を購入して参考にしてみてください。

貸している金額が大きい場合には、多少お金と手間がかかりますが、一緒に公証役場に行って公証人に執行受諾文言付き公正証書にしてもらうといいでしょう。執行受諾文言付き公正証書にしてもらえれば、返してもらえない場合、訴訟しないで相手の財産に強制執行できます。

相手がなんだかんだ言って借用書を書いてくれそうにない場合、とりあえず、借金についての相手との会話を録音する、相手とのメールのやり取りを保存しておく等しましょう。

無理やり書かせるのは止めてください。強引な取り立てをしたがために警察から呼び出しを受けたという例もあります。

A相手の資産・収入等について調査しておく

相手と音信不通になる前(≒返済を迫る前)に相手の資産・収入等について調査しておくことも必要不可欠です。資産・収入のない人やはっきりしない人から回収するのは困難ですので一番大事なことともいえます。

特に男女間での貸し借りの場合、相手が自分の勤務先や資産関係だけでなく氏名や住所も偽っていることがあります。それで音信普通にされてしまったらどうしようもありません。

男女の関係の場合、相手がそもそも住所・氏名・勤務先を偽っている場合があります。関係が悪化して会えなくなる前に探偵に尾行を頼むか、自分で尾行するかして把握しておくべきでしょう。

B回収の方法として支払督促・少額訴訟という方法も

相手が素直に返さない場合、だからといって強引な取り立てをすると警察沙汰になりかねませんので、裁判を起こす必要があります。

貸している金額が大きい場合(140万円超)には、お金はかかりますが弁護士に相談・依頼した方がいいでしょう。

貸している金額が少ない場合、弁護士に依頼すると割が合わない場合が多く、自分で何とかするほかありません。

その場合でも支払督促・少額訴訟という方法もありますし、140万円までの貸付であれば簡易裁判所で裁判を起こせますのであきらめる必要はありません。

支払督促というのは、金銭等の請求の場合に裁判所書記官が相手に支払うように命令してくれる制度です。これで相手が何の異議も申し立てもないのであれば、相手の財産に対して強制執行することができるようになります。

少額訴訟というのは、60万円以下の金銭の請求について、原則1回で審理してもらいすぐに判決がもらえるという制度です。1日でやってもらえるのはありがたいのですが、逆に1日で判決をもらうために不備がないようにしないといけません。

140万円までの貸付であれば簡易裁判所で裁判を起こすこともできます。裁判を起こすには必要書類を揃えたり訴状を作ったりしないといけませんが、最近の簡易裁判所では簡素化された書式や訴状の見本なんかも置いていますので、根気よくやれば何とかできるのではと思います。

以上、いろいろご紹介しましたが、古今東西、個人間のお金の貸し借りはトラブルの元です。トラブルを避けるためにも、よく知りもしない相手に簡単にお金を貸さないことが大事だと思います。

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

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