不倫がバレた妻に対して、夫がDV&慰謝料を請求…妻はどんな対策をすべき?

不倫がバレた妻に対して、夫がDV&慰謝料を請求…妻はどんな対策をすべき?

シェアしたくなる法律相談所

夫婦関係の破たんの原因となる不倫。一方の不倫がばれて、それまで円満だった夫婦関係が破たんする、妻の浮気を知った夫が豹変して妻に暴力、いわゆるDVを繰り返すようになり、果ては慰謝料をよこせと迫るようになる…こういう事案は案外少なくありません。

こういうとき、不倫をしてしまった側は、何をされても耐えるしかないのでしょうか? 妻の不倫を知った夫が逆上して暴力を働くようになったケースを例に考えていきたいと思います。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

■不倫をされた夫の権利・暴力を振るわれた妻の権利

夫婦には相互に法律上「貞操義務」が課されていると考えられています。不倫はこの貞操義務に反するものであり、したがって、夫は妻に貞操義務違反により被った精神的な苦痛について、妻に慰謝料を請求する権利があるのです。

一方、不倫をされたからといって、夫が妻に対してどんなことをしてもいいというわけではありません。まして暴力を振るうことが許されるわけではありません。

暴力を振るわれた妻は、夫に対して、暴力を振るわれたことにより被った精神的な苦痛について慰謝料を請求することができます。暴力によりけがをして治療を受けた場合には、その治療費も財産的な損害として請求することができます。

■結局、双方の慰謝料はどうなるのか?

つまり、「不倫をした妻に逆上した夫が暴力をふるった」という事例で、妻は何をされても泣き寝入りしなければならないというわけではないということです。そして、お互いが相手方に対して請求をすることになった場合には、対等額の範囲で「相殺」されることとなります。

つまり、夫の暴力があまりにもひどく、妻の不倫よりも与えた精神的苦痛や財産的損害が大きいということになれば、夫の側の持ち出しということになるわけです。

いまだに日本の社会の中では、「妻は夫の思い通りになって当たり前」、「妻が逆らえば夫は何をしても許される」などと考えている古い男性が少なくありません。そういう古い男性には、決して何でも自分の思い通りになるわけではないということを理解してもらいたいものです。

もっとも最近では、逆の現象も少なくないようです。

夫婦間の問題は、感情が先に立って理性的な対応ができず、そのために泥沼化しやすいものです。感情の赴くままに行動すれば自分が損をすることになるということを常に頭において、少し冷めた目で、パートナーである夫や妻の行動を眺めることが必要なのかもしれません。

*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)

【画像】イメージです

*polkadot / PIXTA(ピクスタ)

【関連記事】

*5歳の子供を連れて別居検討中の妻が、夫とスムーズに離婚するための2つのポイント

*夫がダブル不倫の末に相手を妊娠、あげく家を飛び出し離婚を迫ってきた…妻が取るべき行動とは?

*【離婚後の問題】お金持ちと再婚した元妻に、養育費を支払い続ける義務はあるのか

*増加する「死後離婚」とは法的にどんな手続き?その後の親族との関係は?

*急増中のスマホ離婚。「スマホいじり」は離婚原因として法的に認められるのか?

関連記事(外部サイト)