駅構内や電車内での抱擁やキス…どこまでいったら「公然わいせつ罪」に?

駅構内や電車内での抱擁やキス…どこまでいったら「公然わいせつ罪」に?

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*画像はイメージです:http://www.shutterstock.com/

駅構内や電車内で熱い抱擁を交わすカップルを見た事はありませんか?

熱い抱擁だけなら良いのですが、中には激しいキスや堂々と身体に触れ合うなんてこともあります。ネット上には電車内で、座席に座る男性の上に向き合うように跨がって座っている女性の写真が掲載されたりしています。

ところで、このような行為は法律上問題はないのでしょうか? 抱き合ったりキスをするくらいなら問題ないと思いますが、跨がったり触れ合ったり…どこまで発展すると犯罪となってしまうのでしょうか?

■公然わいせつ罪の概要

ニュースなどで、芸能人や著名人が公然わいせつ罪で捕まったという報道がなされることも珍しくありません。公然わいせつ罪とは、その名のとおり、「公然と」「わいせつない行為をすること」が要件です。

公然とは、不特定または多数の人が認識できる状況を意味しますので、電車内や駅構内は原則として「公然」の要件を満たします。

難しいのは「わいせつな行為」という要件です。

過去にわいせつ文書の意義が争われた判例では、最高裁が「徒に性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」という基準を示しています。

抽象的で、具体的には何もいっていないようにも感じられますが、実務では、わいせつ性が問題となる事案ごとの個々の事情を総合考慮して、わいせつ性を判断することになります。

■どこまでいったら「わいせつ」と判断されるのか

刑法の条文にも判例にも明確な基準がなく、結局個々の具体的事例によるしかないので、難しいところですが、公然わいせつ罪の保護法益である健全な性道徳、性秩序を害するかという観点を加えてみるべきでしょう。

つまり、同じ行為でも、戦前と現代では異なった結論となることがありうるということです。

そうすると、例えば、現代では、夜の公園や人通りの少ないところでキスをしている人はそれなりにいますので、電車内や駅構内でのキス、抱き合うことくらいであれば、公然わいせつとならない可能性が高いでしょう。

迷惑行為であることには間違いないですが、電車内の椅子に座る男性に女性にまたがるようなことも、公然わいせつとまではいえないでしょう。

他方、男女の少なくとも一方が全裸に近い格好でいた場合は、抱きあったりしていなくとも、公然わいせつとなる可能性が高いです。

わいせつ性の判断基準は不明確で、いずれも具体的な状況における善良な社会秩序を害するといえるかどうかがポイントになるでしょう。

*この記事は2014年9月に掲載されたものを再編集しています。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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