勘違いしやすい「過払い金は10年で時効」問題…いつから数えるのが正解?

勘違いしやすい「過払い金は10年で時効」問題…いつから数えるのが正解?

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*画像はイメージです:https://pixta.jp/

「消費者金融に払い過ぎた利息がかえってくる」。いろいろな弁護士事務所が「過払い金」に関するCMを流すようになったので、「過払い金」は誰でも知る言葉のひとつになりました。

「過払い金」かどうかの判断基準は、「払っていた利息が法律の上限を超えていた」かどうかです。もっとも平成18年に法律(出資法)が改正されて、貸金業者は利息の上限を改め、法定利息の範囲内に収めるようになったので、初めての借り入れが平成18年以降の場合は、過払い金が発生している可能性が低くなります。

一方、平成18年以前から借り入れをしている場合は、それ以降も従前の金利で取引されている可能性もあります。

それにともなって、「過払い金は10年で時効になる」という知識も広がってきました。

「時効が来たら、過払い金を返してもらえなくなるから、早く対処しよう」。そう考えて早めに行動する人は増えたに違いありません。一方で、時効に関する誤解や勘違いも広まってしまいました。

■12年前に借りても、時効が訪れないケースも

「典型は、『10年間で時効にかかる』の意味に対する誤解。『いつから10年なのか』という点です」。そう話すのはアディーレ法律事務所の篠田恵里香弁護士。

「消費者金融からお金を借りた日からの10年」

「毎月の返済日から10年。30回返済すれば時効も30回訪れる」

「最高裁の判決が出た時から10年」

上記の3例は典型的な時効に関する誤解です。

あげくのはてに「平成18年に法律が改正されたので、平成28年で過払い金請求は終わります。だから手続きは急いでください」…。こんな説をまことしやかに唱えて、客引きをしている業者も登場したと聞きます。

それでは、どう考えるのが正解なのでしょう?

過払い金返還請求ができなくなってしまう時効の起算点は、『最後に返済した日』から10年が基本です。」(篠田弁護士)

たとえば、12年前に借入をしたAさんの最終返済日は9年前でした。すると時効まであと1年間残っている計算になります。

一方、11年前に借入をしたBさんは今なお返済を続けています。ということは、まだ最終日を迎えていないので、そもそも10年という時効のカウントさえ始まっていないことになります。

AさんやBさんのようなケースは、すでに「10年の時効」を迎えたと誤解されがちです。結果、請求をあきらめてしまうわけです。

「『時効をどうカウントするか』については、弁護士に早急に相談することをお勧めします。迷ったりあきらめたりしているうちに、『時効』が訪れ請求権がなくなってしまうのは、もったいない話です。過去にカードローンやキャッシングをした経験がある人は、ぜひ一度ご相談ください」(篠田弁護士)。

*取材協力弁護士:篠田恵里香(アディーレ法律事務所のパートナー弁護士。東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。債務整理をはじめ、男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。『ゴゴスマ −GO GO!Smile!−』(CBC/TBS)や『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』(文化放送)ほか、多数のメディア番組に出演中。 ブログ「弁護士篠田恵里香の弁護道」。)

*取材・文:ライター ?竹内三保子(編集プロダクション・カデナクリエイト代表。西武百貨店入社後、紳士服飾部、特別顧客チームを経て、経済評論家の竹内宏に師事してライターに。「中小企業」「働く女性」「医療・介護ビジネス」などに関する記事を執筆。共著は『クイズ 商売脳の鍛え方』(PHP)『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』(マイナビ)など。)

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