「和解」だからこそできることも…依頼者の本音を引き出すための弁護士の工夫とは

「和解」だからこそできることも…依頼者の本音を引き出すための弁護士の工夫とは

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photo by 編集部

東京都豊島区、「池袋」駅近くにある「虎ノ門法律経済事務所 池袋支店」で支店長を務める鈴木謙太郎弁護士。大学在学中は社会に新しい価値を提供する起業家になるべく、知見を広げていたようです。

自分が人生を賭けて何を実現したいのかを考え抜いた結果、周りを笑顔にできると共に、道を切り開くことができる弁護士の仕事に魅力を感じ、弁護士となった鈴木弁護士ですが、今回は依頼者の本音を見極めることの重要性についてお答えいただきました。

鈴木?謙太郎(すずき けんたろう)弁護士(1972年の設立以来40年以上の歴史がある、虎ノ門法律経済事務所の池袋支店で支店長を務める。注力分野は遺産相続、不動産取引、交通事故、債権回収、労働問題、債務整理、刑事事件、離婚等。「皆様の人生の一大事を共に解決するパートナーとして、真摯に業務に取り組んでまいります。」)

■和解という形だから勝ち得られた謝罪が記載された「審判書」

___今まで担当した事件で印象的なエピソードはありますか?

『リーガルハイ』のようなドラマとは違い、実際の弁護活動というのは、一つ一つが地味で、堅実にこなさなければいけない案件ばかりです。そのため、実は、感情的なエピソードというものは、それほどありません。

ただ、私なりに思い入れが深い労働事件があります。それは、依頼者が上司に暴力やパワハラを受けていた上に、挙句無理やり解雇された事件でした。この事件は、当事者同士の話し合いの段階では、会社側が解雇有効だという主張を繰り返し、話が進展しませんでした。しかし、私が入ることで、解決金の金額も一年分の給与に近い金額を勝ち取ることができたのです。

また、この事件では、和解金を勝ち取るだけでなく、パワハラや暴力があったということを先方が認めて謝罪し、それを事実として裁判所の調書に書面として残すことができました。このような謝罪の文言を書面に残すといったことは、判決ではできません。和解という解決方法にこだわったからこそ、勝ち得たものになります。

■お金ではなく依頼者が本当に求める大切なものを汲み取る

___依頼者の考えに沿った解決法を大切にされているとのことですが、具体的にどういった点に注意されているのでしょうか?

通常は、依頼者が求める事柄は「解決金がいくらか」ということが多いのですが、前述の労働事件では、依頼者からは、自分がされてきたことについて、裁判所という場所で、相手の謝罪を引き出せたということ、またそのことを事実として、公正な裁判所の書面に残せたことが、非常に嬉しかったと大変感謝をしていただくことができました。

このように、人それぞれ目的や求めているものは違うのです。お金は出すけど暴行やパワハラを受けた事実はうやむやにされるといった和解の形もあります。また、裁判になっても、証拠不十分で暴行やパワハラがあったということは判決では認められにくいという見立てもありました。

そういう意味で、和解して事実を書面として残すという解決法は、依頼者にとってベストだったのではないかと思います。依頼者本人の思いを汲み取った上で、何が最適な解決法かということを、常に注意して弁護に取り組んでいます。

■冗談や笑いが出てくるような信頼関係を

__依頼者の思いを汲みとっていく上で、何か工夫されていることはありますか?

こちらから、一方的に話すのではなくて、依頼者の話を最後まで聞くというのが一番大切かなと思っています。丁寧に話を聞いてくれる弁護士だと思ってもらえるようになると、最初は緊張している依頼者も、だんだんとリラックスして、打ち合わせも冗談や笑いが出てきます。

そうした和やかな雰囲気になってくると、最終的には本音の部分も素直に話してくれるようになると感じます。ですので、そういった雰囲気作りや、信頼関係を築いていくアプローチの工夫をしていますね。

■依頼者の発言の背景から本当の気持ちが見えてくる

__依頼者の本音はなかなか出てこないものなのでしょうか?

依頼者の性格や事件の性質にもよりますが、本音にもいろいろな種類があるのではないかと思います。もちろん、最初に依頼者が求めていた目的が実現することも、それはそれとして良いことなのですが、それが唯一の解決方法ではないということもあります。

時には、その人が発言をしている背景みたいなのを考えることも重要です。依頼者の求めるものが、法的には実現できない事であったとしても、法律とは別のアプローチで実現できることがあれば、それについて詳しく話をするようにしています。相談する流れの中で、最初の目的よりも、むしろそちらのほうが良かったという着地点に落ち着く方も多いです。

そういう意味では、依頼者の本当の気持ちは、最初に言っていることと、実は違う場合もあるのです。そこを引き出すことも弁護士の役割だと思っています。

例えば、離婚相談で、関係を修復したいと言っている人も、実は離婚自体は別にしても良いと考えていて、本当のニーズは、大好きな子供にきちんと面会できるようにしてほしいということであるというケースは多くあります。離婚問題に限らず、最初の段階での目的と、本音が異なるといったことは、いろんな分野の事件であるので、そこを見極めるのが非常に重要だと思っています。

*取材協力弁護士:鈴木謙太郎(すずき けんたろう)弁護士1982年生まれ、埼玉県出身。開成高校卒業。慶應義塾大学商学部卒業。慶應義塾大学法科大学院修了。虎ノ門法律経済事務所 池袋支店支店長。同事務所パートナー。東京弁護士会所属。弁護士資格のみならず、宅地建物取引主任者試験、行政書士試験にも合格しており、ファイナンシャル・プランニング技能士でもある。また、戦略コンサルティング会社勤務経験も有する。法律だけでなく、不動産や行政、金融、経営などの幅広く深い知見を活かし、依頼者にとってベストな解決を図るべく日々奮闘している。このような姿勢から、依頼者の満足度も常に高く、多数の中小企業やベンチャー企業の顧問も担当し、経営者からの信頼もあつい。

*虎ノ門法律経済法律事務所について

1972年に設立され、40年以上の歴史を誇る虎ノ門経済法律事務所は、東京都豊島区池袋にも支店を構えている。虎ノ門法律経済事務所では、@弁護士のほかに、司法書士、税理士、社会保険労務士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などが在籍していることによるワンストップサービス、A依頼者の抱える問題の全てを最後まで解決できるトータルサポートを実現している。

池袋支店長の鈴木謙太郎弁護士は遺産相続、不動産取引、労働問題、交通事故などを中心に活躍。依頼者の意向に沿った解決へと導く信頼のおける弁護士として定評がある。

*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)

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*編集部

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