挙式中に教会を飛び出した…現実に起こったらどんな責任を負う?

挙式中に教会を飛び出した…現実に起こったらどんな責任を負う?

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*画像はイメージです:https://www.shutterstock.com/

ドラマなどでたまに「結婚式中に教会を飛び出す」シーンを見かけることがありますよね。

現実ではなかなか起こることはないかと思いますが、その後別れることになるでしょうから、婚約破棄のようにも思えますし、そもそも結婚をしないならご祝儀を返してほしいといった事態にもなるでしょう。

そこで今回は、結婚式中に教会を飛び出したら、どんな法的責任を負うことになるのか、解説してみたいと思います。

■挙式費用の返還について

まず、挙式費用が発生していた場合ですが、新郎新婦のいずれの名義で申込をしていても、双方とも、教会に対する挙式費用の支払義務は残ります。

教会側(式場側)は、何ら落ち度なく、挙式を提供していたのですから、挙式費用を免れることはできません。

また、挙式費用は、1つの不可分な挙式サービスに対する債務であり、新郎新婦いずれも不可分債務の債務者となります。

したがって、式場側から請求があれば、どちらが飛び出したかにかかわらず、双方とも教会に対する挙式費用支払義務が残ります。

また、飛び出さなかった人が教会に対し全額支払った場合には、他方に対し、求償することができます。不当な婚約破棄による不法行為の損害賠償として請求することも可能でしょう。

したがって、挙式費用は請求可能です。

■婚約破棄の慰謝料について

挙式前にすでに入籍していた場合は、法律上の婚姻関係がすでに成立しています。挙式途中であっても、もはや婚約ではなく、正式の婚姻関係にあります。

したがって、すでに入籍済みの場合は、配偶者に対する不貞行為の証拠や離婚原因となり、かつ、慰謝料発生事由となります。

また、入籍がまだの場合は法的な婚姻関係にはありませんが、関係性が挙式まで至っているのであれば、法的には婚約の段階に至っていると評価できます。

そして不当な婚約破棄は、それ自体、婚約(婚姻予約)という相手方の法的利益を違法に侵害するものとして、やはり慰謝料発生原因となり得ます。

ただし、婚約があるにすぎない場合は、入籍して法律上の婚姻関係が成立している場合と比較して、一般的に慰謝料の額は低くなりがちです。

■ご祝儀の返還の必要性

挙式途中で飛び出した人に対し、ご祝儀の返還を求めるのは難しいです。

婚約破棄による不法行為の損害賠償の範囲の問題となり、因果関係が認められる範囲では、飛び出した人に対し賠償請求できる可能性はあります。

万が一「結婚式中に教会から飛び出した」なんてことがあれば参考にしてみてください。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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