映画「ボーン」シリーズの新章は俳優の魅力炸裂でヒロインも手ごわい痛快作!

映画「ボーン」シリーズの新章は俳優の魅力炸裂でヒロインも手ごわい痛快作!

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??映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『ジェイソン・ボーン』

東宝東和配給/TOHOシネマズ日比谷スカラ座ほかで10月7日より公開

監督/ポール・グリーングラス

出演/マット・デイモンほか


“007に追い付き追い越せ!”といったように作られてきた、記憶を失った元CIAの暗殺者“ボーン”シリーズ。


007より屈折感を湛えたスパイ・ヒーロー像が新鮮で受けた。原作(キャラクター原案)がベストセラー作家ロバート・ラドラムだけに安心感もある。



とはいえ近年の007シリーズはかなり屈折感が濃厚なので、“新章”始動となるこの新作はより屈折感、ヒネリを際立たせなければ。


主演のマット・デイモンはすでに4作品ともなれば、この“はぐれスパイ”ボーンというキャラクターをすっかり手の内に入れている。消息を絶ったボーンは、CIAが世界中の情報監視、操作を目的とした恐ろしい極秘プログラムを始動させたことを知る。このボーンをCIAに再び取り込もうという野心家のエージェントに扮しているのが、今年『リリーのすべて』でオスカー助演女優賞を獲得した、いま売り出しのアリシア・ヴィキャンデル。


このシリーズのヒロイン、いわば“ボーン・ガールズ”はあまり目立たなかったが、今回のアリシア嬢は、単に彩りじゃないわよ、とばかりに大活躍の巻だ。ボーンやCIAだって牛耳るためには手段を選ばないのだからすごい。ご本人もかなりの野望の持ち主と聞くから頼もしい。グレタ・ガルボ、イングリット・バーグマンのように母国スウェーデンから登れ、ハリウッドの野望の階段を! とボクは応援したい。


ところで、彼女は『コードネームU.N.C.L.E.』(2015年)に続き、本作に出演済みだから、あとボンドガールを演じれば“世界的スパイ映画ヒロイン三冠王”に輝くはず。可能性は大いにアリシア!



前作『ボーン・アルティメイタム』(2007年)でボーン誕生の秘密が描かれたが、今回はなぜ自らの意志で“殺人兵器”となったかが明らかになる。CIA長官に、日本では最近、缶コーヒーのCM俳優のイメージしかないトミー・リー・ジョーンズだが、久々に映画で気を吐いている。そんなドス黒い長官が送り込む情け無用の殺し屋ヴァンサン・カッセルも凄みたっぷり。この男女4名の俳優の個性がバチバチと火花を上げて壮観ですらある。


男女優で映画を観るボクには、この作品はたまらないゴチソウであった。


世界中を股に掛けた目まぐるしい展開、圧倒的なテンポで2時間少々をブッちぎるなか、アクションも特上だ。特に、クライマックスのラスベガスで、ボーンと殺し屋が繰り広げるカー・アクションは、CG全盛の昨今でも猛烈なド迫力で、実際に200台の車を動員してのソレは、カー・アクション慣れしているはずのボクでも興奮した。


普通“新章”となると、前章の七掛け(7割程度)がいいところだが、本作は100%以上! と断言する(まあヒロイン、アリシア嬢の殊勲が大きいが)。


ジェイソン・ボーンはまだまだ続きそうだ。

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