山田孝之=ウシジマが抜群の映画シリーズが金・色・欲を描ききってついにフィナーレ

山田孝之=ウシジマが抜群の映画シリーズが金・色・欲を描ききってついにフィナーレ

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映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『闇金ウシジマくん the Final』

東宝映像事業部S・D・P配給/TOHOシネマズ新宿ほかで10月22日より公開

監督/山口雅俊

出演/山田孝之、綾野剛、永山絢斗、高橋メアリージュンほか


映画のテーマで一番好きなのが“金・色・欲”…つまり人間の煩悩、業をコテコテに描いたもの。あまり評判は良くないが、この夏の『後妻業の女』もボクは楽しめた。で、このテーマでテッパンのご贔屓が本シリーズ。映画版はもちろん全部、テレビ版も観ている。



山田孝之演じるウシジマくんの“闇金哲学”が割り切っていて小気味よい。トレードマークの顎髭も頼もしく、もはや“不動の四番打者”の風格だ。そんな愛着溢れるシリーズもいよいよ“the Final”かよ。終わってほしいシリーズなんて、他にいくらでもあんのによ、とブーたれないで、フィナーレはどう着地するか見届けよう。


前作の“Part3”では、怪しげな“成金セミナー”にガツンと言わせたが、今回は宿敵の鰐戸三兄弟が操る“貧困ビジネス”や、過払い金請求で稼ぎまくる悪徳弁護士をぶったたく。要するに、善人ヅラして悪どく錬金する奴らを、闇金という非合法金融の見るからに悪党ヅラの連中がギャフンといわせるのも痛快要素の一つなのだ。過払い金請求ビジネスって何であんなに盛況なの? と常々疑問に思っている身としては、わが意を得たりの内容だった。


しかし、最後に“最大の敵”(?)が現れる。ウシジマくんの元クラスメートの竹本くん(永山絢斗)で、私利私欲抜きの命懸けで“貧困ビジネス”の被害者たちを救おうと奔走するのだ。善人ヅラでも偽善でもなく、正直言って“善意のモンスター”みたいな存在だ。



「人のために何かをする、って昔、教えてくれたのはカオルちゃん(ウシジマくんの下の名前)でしょ」と揺さぶりをかける。後半は人間の善意についての賭け、でもある“走れメロス”みたいな展開になりかけるが、ここで“善意のモンスター”の軍門に安易に下れば、これまでの“ウシジマ哲学”が根底から崩れてしまう…さあ、ドーする、ドーなる、ウシジマ、である。ボクは固唾を呑んで見入ったね。ネタバレになるから詳しくは言えないが、ウシジマはウシジマであった…という山口監督のこの土俵際演出は水際立っていた。


フィナーレらしく、ウシジマの過去が次々と明らかになる。10代の若きウシジマも登場する。綾野剛演じる情報屋の戌亥、やべきょうすけ扮する柄崎との因縁、鰐戸三兄弟らとのクサレ縁など盛りだくさん。これもまた長年のファンには興味深い。へえ〜そうだったのか、ってね。女・闇金でウシジマのライバル、犀原茜の過去も分かる。個人的には演じる高橋メアリージュンのキツい美貌が好みで、毎回ゾクゾクしたっけ。まあ、ネーちゃん観たさに映画見てるしね。


何はともあれ、大団円ではなく、突如暗転という終わり方も気に入った。カウカウファイナンス(ウシジマの社名)はまだまだ債権は残っとる。アナザーでもリベンジでも次のカミ持ってきやがれ!

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