【相談ファイルvol.4】彼の奥さんに不倫がバレました…慰謝料は?〜男と女愛の法律相談所〜

【相談ファイルvol.4】彼の奥さんに不倫がバレました…慰謝料は?〜男と女愛の法律相談所〜

記事画像

男と女の事件は数あれど、「この場面、法律的にはどうなの?」という素朴な疑問を解決する『男と女の恋の事件簿』。多くの恋愛・結婚相談を受けてきた元市議の筆者が、実際にあった事件をもとに法律的見解を弁護士に問います。今回は、「相手の奥さんに浮気がバレた!その時、慰謝料はどうなる?」がテーマです。

「すみませんが、ウチの主人と別れてもらえますか?」

高井秀樹(仮名・35歳)と不倫をしている佐々木久美(仮名・25歳)は、仕事を終えて会社のビルを出たそのとき、駆け寄ってきた見知らぬ女性から突然声をかけられた。

「えっ……? あの、どちら様ですか?」

「高井秀樹の妻です。昨日、夫の携帯を見たところあなたとの交際がわかりまして。勤務先も登録されていたので、夫と別れてもらいたくて参りました」

(えーっ! 秀樹の奥さん!? ヤバい……、ついにこの日が……。どうしよう、どうしたらいいの!?)

「あ……、はい……」

事実なので、返す言葉もない久美。

「すみませんが、今日以降はもう夫には会わないでくださいね。こちらは、慰謝料の請求なども検討しているので、またご連絡するかもしれません。その時は、よろしくお願いいたします」

(えっ!? 慰謝料!? そっか、そうだよね……。私が不倫したんだもんね。)

「では、今日のところはこれで失礼します」

言うべきことを伝え、足早にその場を去っていく高井の妻。

そこには呆然と立ち尽くす久美だけが残された……。

その翌日。週末なので秀樹に会えない久美は、中等部からずっと仲良くしている相田貴代(仮名・25歳)に昨日の出来事を打ち明けていた。

久美「びっくりしたよぉ〜。いきなり奥さん登場だもん。これって“妻バレ”ってやつだよね!? しかも慰謝料とか言ってたしなぁ……参っちゃったなぁ」

貴代「えっ、慰謝料? 久美もいよいよヤバイね。

う〜ん、でもさ。私も弁護士じゃないから詳しく知らないけど、ホステスが愛人だったケースで、“肉体関係を持つのも商売だから”っていう理由で慰謝料取れなかったって聞いたことあるよ。

久美だって、秀樹さんに毎月お手当てもらってるんだから、ある意味ホステスと一緒じゃん。払わなくていいんじゃないの?」

久美:「え、そんなケースがあるの!? そっかー、じゃあ肉体関係の対価があれば、不倫の慰謝料を支払う必要はないってことなのかな?」

【法的見解】愛人とホステスの違いはあるの?
「そもそも、愛人に対する不貞慰謝料請求が認められるか疑問に感じられる方もおられるかもしれません。なぜなら、愛人との不倫では、通常、愛人への金銭の支払いがあり、その対価として、肉体関係を持ったという側面があるからです。

この点、クラブのホステスと肉体関係を持った事例で、クラブのホステスが、“売春婦の場合と同様に、顧客の性的処理に商売として応じたに過ぎない”という理由で慰謝料請求を認めなかった裁判例もあります。しかし、愛人との関係においては、裁判所は一貫して慰謝料請求を認めています。売春婦やクラブのホステスと愛人では、肉体関係を持つことが商売として行われた否かが判断を分けているものと思われます」(協力:アディーレ法律事務所・以下同)
貴代「でもさー、久美だけが慰謝料払うなんておかしくない!? だってさ、秀樹さんだって奥さん裏切ってるんだから、罪を償ってお金を払うべきじゃない?」

久美:「そ、そうだよね。でも、秀樹はなにもしないで家庭に戻れば済んじゃうのかなぁ……」

【法的見解】不倫相手の男性はお金を払うべき?
「不倫は、不倫相手と2人で行うものです。両者の行為は、共同して奥さんに精神的損害を与えたということで、共同不法行為と呼ばれます。

基本的には、奥さんの直接の配偶者である不倫相手の方が、愛人よりも、不倫をしてはいけない強い義務を負っていると考えられています。不倫相手の負担の方が大きいので、奥さんに支払った額の半分以上を請求できるのが一般的です」
久美さんの場合には、秀樹さんにも奥さんに償う必要が法律的にもあるということ。

そして、一時的には全額を久美さんが負担しても、その半分以上の額を秀樹さんから受け取れる可能性もあるのです。

 
お金の事ではない、大事なのは「謝罪」と「誠実」
しかし、慰謝料はあくまでも“過去についての落とし前”とも言えるお金の話。このほかに、傷つけた奥さんに対して何かしておくべきことはあるのでしょうか?

【法的見解】裁判よりも示談での解決のためにも
「裁判となれば、経済的な負担のみならず、精神的な負担も大きくなってしまいますので、不倫したことが事実であれば、奥さんに誠実に謝罪しておいた方が、裁判ではなく話合いによる示談での解決の可能性が高くなります。

私の経験上では、“謝罪さえしてくれていれば、裁判までしなかったのに”と言われる方は結構多いですね」
まずは、誠意を持って謝罪すること。これに尽きるのです。不倫の代償である“お金”を巡って裁判となれば、身も心もボロボロになるひとだって少なくありません。

誠心誠意を込めて謝罪し、不倫相手とはキッパリ縁を切ることが愛人側ができる唯一の対応といっても過言ではないのです。

【法的見解】不倫関係で悪質とみなされる行動
「なかには、不倫相手の事を本当に好きになってしまい、奥さんから奪いとろうとする人もいます。

但し、このような行動をすると、悪質とみなされ、慰謝料が増額する可能性があります。不倫が事実であり、それが奥さんにばれたら、誠実に対応するのが一番だと思います」
不倫はしてはならぬこと。その前提を忘れて、お金のことばかりに気を向ければ奥さんの気持ちもかえってこじれてしまいます。

「バレちゃったんだから、こうなったら徹底的に奥さんから略奪する!」なんて意気込んでも、狙い通りの展開が生まれる可能性は……とても低いのでは。

それどころか、慰謝料が増えてもっと辛い思いをすることになる“愛人”も少なくないのが実情とも言えるのです。

 

多くの不倫問題を見ているアディーレ法律事務所に、不倫がバレた愛人側の心得を、久美さんと貴代さんの疑問も交えながら伺いました。

不倫は絶対に避けるべきこと。とは言っても、今、まさに不倫中……という『Menjoy!』読者もいるかもしれません。心構えや知識として、知っておいて損はないでしょう。

 

【相談ファイルvol.3】悲惨…「婚約期間中」に彼の浮気が発覚!慰謝料はとれるのか?〜男と女愛の法律相談所〜

【相談ファイルvol.2】一方的な婚約破棄で指輪は返すべき?〜男と女愛の法律相談所〜

【相談ファイルvol.1】同棲解消後の荷物の所有権は?

 

【取材協力】

アディーレ法律事務所・・・債務整理分野で豊富な実績を誇り、その他にも労働問題・不倫の慰謝料請求・交通事故被害者の救済・B型肝炎の給付金請求など幅広い分野を扱う法律事務所

 

関連記事(外部サイト)