堂本剛も患った突発性難聴の症状や治療法を専門医に聞く

堂本剛も患った突発性難聴の症状や治療法を専門医に聞く

画像提供:マイナビニュース

アイドルデュオ・KinKi Kidsの堂本剛さんが6月末、突発性難聴によって入院したとのニュースが流れた。音が聴き取りにくくなる難聴という病気は一般に広く知られているところだが、ある日突然、難聴に陥る可能性があることに驚いた人も少なくないはずだ。

一般的に高齢者に多いイメージの難聴だが、若年層でもなりやすい人はいるのだろうか。耳鼻咽喉科専門医の三塚沙希医師に症状や治療法などを含めてうかがってみた。

――突発性難聴になると、どのような症状にさいなまれるのでしょうか。

突発性難聴は名前の通り、突然耳が聞こえづらくなる病気です。主な症状として、多くの方が耳鳴りを伴います。耳鳴りの種類は人によってさまざまで、「キーン」という高い音を感じる人もいれば、「ジー」という低い音に悩まされる人もいます。耳閉感(いわゆる耳がつまった感じ)を訴える方も多いです。まれに両側に認める方もいらっしゃいますが、左右両方の耳で突発性難聴になるケースは少ないです。どのような症状でも、基本的にはほとんどが片側のみです。

――耳以外の器官にも何らかの影響が出てくるのでしょうか。

「しゃべりづらい」「体がしびれる」といった中枢神経症状は認められません。一方でめまいや吐き気・嘔吐などの症状を同時に発症することがあり、このようなケースでは治りづらいとも言われています。

――堂本さんは今回38歳で発病されましたが、突発性難聴になりやすい人はいるのでしょうか。

実際のところ、突発性難聴になりやすい人は明らかになっていません。ただ、「ストレス」「不眠」「過労」「疲労蓄積」などのキーワードが関与しているとは言われています。年齢に関しては、一般的には50〜60代の方がなりやすいとは言われています。もちろん、ほかの世代でも発症する方はいらっしゃいますし、罹患しやすさに男女差はありません。

――突発性難聴には何か前兆のようなものがあるのでしょうか。

前兆は特にありません。先ほどもお話ししたように原因は明らかではなく、ウイルス感染や内耳循環障害とも言われていますが、現時点ではよくわかっていません。

――本当に突然やってくるんですね。いきなり耳が聞こえづらくなり、耳鳴りも出るなんて、想像しただけで怖いですね。それでは、もしも突発性難聴になってしまったら、どのような治療をしていくことになるのでしょうか。

標準治療法がないため、病院やクリニックによって若干治療が異なりますが、ステロイド剤を使用した治療が中心となります。難聴が重症の場合には入院して安静にして、点滴でステロイド剤や内耳循環治療薬、ビタミン剤を使用します。プロスタグランジン製剤、高気圧酸素療法を使用する施設もあります。

糖尿病や腎機能障害がある方には、血糖のコントロールや腎臓の機能を確認しながらの投薬になりますので、入院して治療を行います。治療をしても、残念ながら約4割の方には難聴が残る可能性があるとされています。また、聴力が改善しても3割程度の方には耳鳴りが残るかもしれません。

――割合としてはかなり大きいですね。突発性難聴の治療が終わった後に再発する可能性はあるのでしょうか。

突発性難聴は基本的には繰り返すことがないと言われています。何度も繰り返す場合にはメニエール病や腫瘍の可能性もあるため、詳しい検査を追加した方がよいです。突発性難聴は早期の治療であればあるほど、聴力の改善が期待できます。症状が出た場合にはすぐに耳鼻咽喉科を受診してください。

※写真と本文は関係ありません

○取材協力: 三塚沙希(ミツカ・サキ)

日本大学医学部卒業。
慶応義塾大学耳鼻咽喉科教室入局の後、東京都済生会中央病院・国立成育医療研究センター・山王病院に出向。2017年3月、白金台にエムズクリニック白金を開院。
En女医会所属。

En女医会とは
150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。
(栗田智久)

関連記事(外部サイト)