糖質の摂りすぎで脳が混乱!? 糖質の依存性とは

糖質の摂りすぎで脳が混乱!? 糖質の依存性とは

糖質の摂りすぎで脳が混乱!? 糖質の依存性とは


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ


糖質は人が生きる上で欠かせない重要な栄養素ですが、摂り過ぎると身体に悪影響を及ぼします。

とりわけ糖質の代表格といえる砂糖には、アルコールや薬物と同様の依存性があり、知らず知らずのうちに過剰摂取につながりかねません。

糖質の依存とはどのような状態なのでしょうか。

まずは糖質を知ろう

体内に取り込まれた糖質は、おもに脳や身体を動かすためのエネルギー源として働きます。

つまり、糖質は生命を維持するのに必要不可欠な栄養素なのです。

私たちはふだん、日常の食事のなかで甘い物やでんぷんから糖質を摂っています。

砂糖は甘い物に含まれる代表的な糖質で、お菓子や清涼飲料水、パン、ジャムなどの原材料、また、さまざまな料理の調味料としても幅広く利用されています。

一方、でんぷんはご飯やパン、麺類など、主食となる食品に含まれる糖質です。

砂糖はでんぷんと比べて分子が小さいため、吸収されるまでの時間が短いのが特徴です。

ですから、素早くエネルギーを補給したい疲れたときなどに、身体が甘い物を欲する…という現象は理にかなっているのですね。

糖質の摂り過ぎによる悪影響

さて、糖質はエネルギー源として重要な栄養素である一方で、過剰摂取は身体に次のような悪影響を及ぼします。

肥満

消費エネルギー以上のエネルギー源を摂取すると、過剰な分は脂肪として体内に蓄積され、肥満の原因になります。

血糖値の急上昇

血液中には一定量の糖質(=血糖)が存在しています。

その量を表わす数値が血糖値です。

糖質を摂ると一時的に血糖値は上がり、体内で利用されて元の量に戻ります。

このとき、上昇が急激であればあるほど身体に負担がかかります。

とくに砂糖は糖質の中でも分子が小さく吸収が速いことから、血糖値を急上昇させてしまいます。

また、身体に負担がかかり続けると、血糖値を下げる機能が低下し、血糖値が下がりきらず高い状態が慢性化する、糖尿病発症のリスクにもなります。

疲労感を感じやすい

糖質を体内でエネルギーに変えるにはビタミンB群が必要ですが、糖質を摂り過ぎるとビタミンB群が多量に消費されます。

ビタミンB群の不足によって、エネルギーが円滑に変換されないことから疲労感を感じやすくなります。

老化の促進

糖質を過剰に摂取して余った糖は、体内のたんぱく質と結びつき

「AGEs(糖化最終生成物)」

という物質をつくり出します。

AGEsが体内に溜まると老化を促します。

たとえば、皮膚の組織に蓄積すれば、たるみやくすみにつながります。

さらには、加齢とともに進行しやすい動脈硬化や糖尿病、アルツハイマー型認知症、白内障などにも関わっています。

美容面だけではなく健康面における老化のリスクも伴うのです。

糖質の依存性について

糖質への依存、という症状が起こるメカニズムは大きく分けて2つあります。

血糖値の変動

前項にて砂糖は血糖値を急上昇させるとお伝えしました。

そうすると、体内ではそれに反応して血糖値を急降下させるため、血糖値を下げるホルモン

「インスリン」

を大量に分泌します。

今度は一時的に血糖値が下がり過ぎることになり、

「低血糖状態」

を引き起こします。

低血糖状態になると、脳は「糖質が不足している」と勘違いして、さらに甘い物を欲するよう指令を出してしまいます。

脳内神経伝達物質の影響

砂糖を摂取すると

「ドーパミン」

という神経伝達物質が分泌されます。

ドーパミンは意欲や集中力を高めるように作用します。

また、報酬系とも呼ばれ、快楽を感じさせる働きも持っています。

砂糖が快楽へのスイッチになることを脳が学習すると、快感を得るために砂糖を摂るという行動が起こります。

とくに疲れや強いストレスを感じたときは、その対処に快感を得ようとして、より甘い物を欲してしまうのです。

糖質と上手につき合うポイント(1)食事をきちんと食べる

食事を疎かにしてしまうと、必要な糖質量が不足して脳がさらに欲してしまいます。

実際に、過度な食事制限や糖質制限が、脳が異常に反応するほどの糖質依存状態に陥るきっかけとなるケースが少なくありません。

ですから、血糖値の急上昇を招かないためにも、1日3食きちんと食べて、必要な糖質は甘い物ではなくでんぷんで補うように心がけましょう。

(2)とくに甘い飲み物は要注意!

飲み物に含まれる糖質は吸収が速いという性質を持っています。

甘みを感じさせるのに、ある程度量の糖質を含んでいますから、知らず知らずのうちに多く摂ってしまいます。

たとえば、ヘルシーなイメージの飲むヨーグルト200mlでさえ、スティックシュガー(3g)8本分ほどの糖質が含まれています。

(3)ご褒美の日を決める

とはいえ、甘い物の摂り過ぎはよくないので我慢し続ける…これもまた、ストレスになりかねません。

「好きなお菓子は1週間に1度のご褒美」などと決めて、毎日の習慣にならないようにしましょう。

(4)甘い物を食べたい衝動に駆られたときの「果物」

果物は、甘みである糖質以外に、ビタミン・ミネラル・食物繊維など、身体によい働きをする栄養素が含まれています。

また、水分を多く含みケーキやクッキーなどに比べると低カロリーです。

1日の目安量はこぶし1つ分と覚えておきましょう。


適度な甘い物は、生活を充実させる「ココロの栄養」になります。

脳が混乱しない程度にコントロールして、糖質と上手につき合っていきましょう!


<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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