「暑がり vs 寒がり」 どちらも快適に過ごすには

「暑がり vs 寒がり」 どちらも快適に過ごすには

「暑がり vs 寒がり」 どちらも快適に過ごすには


執筆:井上 愛子(保健師、看護師)

快適に感じる温度には個人差があります。なので仕方のないことですが、室内の温度をめぐって争いになることもありますよね。

暑いと感じる人がエアコンの温度を下げ、寒いと感じる人がエアコンの温度を上げることを繰り返し、うまく折り合いがつかずに喧嘩に発展なんてことも…。

暑がりと寒がり、どちらにとっても快適に過ごすための方法はあるのでしょうか?今回はこのことをテーマに考えてみました。

「女性は寒がり」はホント?

一般的には男性が暑がりで女性が寒がりというイメージがありますが、実はこれは性別による筋肉量の違いが関係しています。

男性は筋肉量が多いため、熱生産量が女性よりも多く、冷えにくい傾向にあります。ただ、男性だからといって冷え性の人がいないというわけではありません。

筋肉量や脂肪量は個人差も大きいため、男性でも寒がり、女性でも暑がりという方もいるのです。

みんな快適に過ごせる室内温度は?

室内温度の設定が低すぎても高すぎても快適に過ごすことができません。また、室内温度だけではなく、湿度を管理することで同じ温度でも快適に過ごせる可能性があります。

一般的に快適に過ごせる温湿度の目安は以下のようにいわれています。

夏:温度は25〜28° 湿度は55〜65%  
冬:温度は18〜22° 湿度は45〜60%


冷房の温度設定は「外気温マイナス3〜4℃」をひとつの目安とし、「寒い」と感じない温度を基本に調整しましょう。

しかし、感覚だけでは温湿度ははっきりとわかりません。人によって感覚も異なるため、まずは実際の温湿度がどうなっているかを確認できるようにしましょう。実際に温湿度計を置いて確認した上で、室内温湿度が快適と言われる値になるようにエアコンを設定してみます。

ただ、部屋の中はエアコンで設定しても過ごす場所によって温湿度は一定にはなりません。そこで次はプラスアルファの工夫をしましょう!

その1:室内の空気を循環させよう


冷房の冷たい空気は足元にたまりやすく、冷え性にとっては末端からますます冷えてしまうことになりますので、サーキュレーターや扇風機を回し、空気を循環させてみましょう。

空気を循環させることで、室温が一定になりやすくなります。

<ところでサーキュレーターと扇風機はなにが違うの?>

扇風機は、身体に直接的風を当てて快適に過ごせるように使うもので、風量調節や首振り機能、タイマー機能などがあります。一方のサーキュレーターは空気を循環させるためのもので、まっすぐな強い風を遠くまで送ることがきます。空気を循環させる目的であれば、サーキュレーターを活用することもおすすめです。

その2:衣類や掛け物で調整しよう


夏であれば外気温に合わせて薄着のままエアコンの入った部屋で過ごすこともあると思いますが、寒いと感じる人はカーディガンやひざ掛け、レッグウォーマーや靴下、スカーフなどを活用して保温するようにしましょう。

また暑がりであれば、部屋着の素材を麻の物や肌触りの良いガーゼやタオル生地のものにし、視覚的にも涼しげな色にするなどの工夫をしましょう。また、それでも暑いという場合には、首に巻くタイプの冷却グッズを活用するなどの方法もあります。

その3:食べ物で体温調節をする


まずは1日3食バランスの良い食事をとることが何より大切ですが、身体を冷やす食べ物、温める食べ物を上手に活用しましょう。

<身体を冷やす食材>


夏野菜は水分が多く利尿作用が高いため、尿を出して身体から熱を放出するように働きます。夏が旬の

トマト・レタス・キュウリ

などは、そのままだと身体を冷やすので、身体が冷えやすい人は熱を通して野菜スープなどにするとよいですね。

<身体を温める食材>


身体を温める食材には、

ニンジンやゴボウ、玉ネギ・かぼちゃ・イモ

など、多々あります。葉物より根菜が身体を温めてくれます。また、次のような薬味成分を上手に使うことで、身体を温めることもできます。


・ネギ:辛味成分であるアリシンは、血行をよくし身体を温めます
・生姜:辛味成分であるジンゲロンやショウガオールには血流を良くし、発汗を促す作用があります
・唐辛子:辛み成分であるカプサイシンは、毛細血管の血流をよくします
・シナモン:桂皮という名前で身体を温める作用の漢方薬に使われることもあり、毛細血管の血流をよくします

ここまで、さまざまな食材をご紹介してきました。ただ、夏場でも暑いからといって冷たいものばかり摂ることは避けて、できるだけ常温や温かいものを摂るように心がけましょう。

皆が快適に部屋の中で過ごすための工夫はいかがでしたか?


暑い、寒いという感覚だけで話を進めるのではなく、まずは実際の温湿度などを確認してみましょう。その上でさまざまな工夫をすることで、寒がりの人にとっても暑がりの人にとっても、過ごしやすい環境作りができることでしょう。


<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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