バスタイムカバーを広げよう

バスタイムカバーを広げよう

バスタイムカバーを広げよう


執筆:松本 たお(正看護師)


近年「バスタイムカバー」という商品が登場しているのをご存知ですか?

乳癌で乳房切除術(にゅうぼうせつじょじゅつ)を受けた女性の中には、手術の痕にショックを抱えている方も多いのではと思います。特に、温泉や銭湯などの大衆浴場へ行くことを楽しみにしていた方にとってはなおさらです。

バスタイムカバーはそのような方のために、手術の痕をカバーしながら入浴することが出来るというもの。

このバスタイムカバー、まだまだ広く知られてはいないようです。そこで今回はこのバスタイムカバーについてまとめてみたいと思います。これまでご存じなかった方も、これを機にぜひ知っていただければと思います。

バスタイムカバーとは

バスタイムカバーは、手術の痕が気になって温泉に入ることが出来ないという方のために開発されました。厚生労働省・国土交通省・総務省で認可されており、全国の温泉で利用することが出来ます。

胸部をふんわりとカバー出来、水着のような圧迫感がなく自然な付け心地で着用することが出来ます。

素肌のときのように、石鹸を付けて洗うことも出来るようです。撥水性布地で作られているため、タオルで拭くとほとんど乾いた状態になります。バスタイムカバーの上から浴衣や衣類を着ることが出来るので、脱衣所でも取り外さなくて良いのです!

バスタイムカバーの意義

女性にとって、体に傷痕が残ることはとてもショックの大きいこと。特に乳房は女性のシンボルのような印象があるため、女性としての喪失感があります。

「人に見られたくない」「子供が見たらびっくりさせてしまう」といった気持ちになってしまい、大好きだった温泉を避けるようになってしまう方がたくさんいます。

しかしバスタイムカバーのおかげで「又温泉に入ることが出来て嬉しかった」「家族と一緒にお風呂に入ることが出来た」と、喜びの声が広がっているのです!中には、「温泉でバスタイムカバーを着用していると、乳癌で悩んでいる方に声を掛けられてお友達になった」などという声も。

バスタイムカバーの他にも、ベアトップタイプのものやお腹まで隠せるワンピースタイプなど、似た商品が色々登場しています。


念のため一つ全国の温泉で使えると言っても、まだまだ知らない人も多い商品です。温泉に行くことになったら、事前にバスタイムカバーの着用を一言伝えておくと良いでしょう。

このバスタイムカバーが、手術前の楽しみをひとつ取り戻すきっかけとなれば良いなと思います。心と体を癒すリラックスの時間や家族と過ごす楽しい時間が、少しずつ体に元気をくれることでしょう!

そしてバスタイムカバーを着用している方を見かけた人は、本人にそのことをあまり意識させない、自然でさりげない気遣いができると良いですね。

<執筆者プロフィール>
松本 たお(まつもと・たお)
正看護師・新生児蘇生法NCPR専門コース終了認定者   
精神科・産婦人科・助産院での臨床経験を持つ正看護師。現在は育児に奮闘中の2児の母。

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