“メタボな子ども”が増加中! 「子どもの肥満」はどのくらいから?

小児肥満の約70%が成人肥満に移行することが指摘 親の習慣が子どもに害を与える例も

記事まとめ

  • 米国心臓学会議で肥満の子どもは低年齢でも重大な心疾患の兆候を示す例があると発表
  • 肥満の子どもに、ぜんそく、高血圧症、抑うつ症などを患う例もあったことも報告された
  • 厚生労働省によると、小児肥満の約70%が成人肥満に移行することが指摘されている

“メタボな子ども”が増加中! 「子どもの肥満」はどのくらいから?

“メタボな子ども”が増加中! 「子どもの肥満」はどのくらいから?

“メタボな子ども”が増加中! 「子どもの肥満」はどのくらいから?


執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ

米国心臓学会議で、肥満の子どもにおいては、8歳という低年齢でも重大な心疾患の兆候を示すケースがあるという研究結果が発表されたそうです。

これは、調査対象となった肥満の子どもの4割に心筋の肥大がみられ、高い心臓病リスクが存在するとみなされたことによるもの。また、調査では肥満の子どもの中に、ぜんそく、高血圧症、抑うつ症などを患っているケースもあったことがあわせて報告されていました。

この研究チームは、「若年期の心臓障害は、成人期になるとより重症な疾患の発症や、早死にする確率の上昇につながる可能性がある」として警告を発しています。

ただひとくちに「子どもの肥満」といっても、その基準はいったいどれくらいなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

そもそも「子ども」の定義は?


子どもの肥満について、話をする前に「子ども」とは何歳までを指すのでしょうか。年齢でみてみましょう。

乳児


生後から1歳まで。とくに生後4週までを新生児という

幼児


1歳以上から小学校に入るまでの未就学児

児童


児童福祉法では18歳に満たない者をいう


それでは医療に関連するケースではどうでしょう。

小児科受診


明確な決まりがあるわけではない。通常15歳(中学生)位が目安になっているが、高校生でも大人でも問題はない。

市販薬


0歳〜6歳は乳幼児、7歳〜14歳が小児、15歳以上が大人となっている。

「子どもの肥満」の基準は?

子どもの肥満はおもに「肥満度」というものを使って評価します。肥満度は、標準体重に対して実測体重が「何%上回っているか」を示すもので、下記の式で計算されます。

●肥満度(%)=(実測体重kg−身長別標準体重kg)÷身長別標準体重kg×100

・乳児:この肥満度判定は使用しません。
・幼児:肥満度15%以上は太りぎみ、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎ
・学童:20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満


より踏み込んだ指標として、厚生労働省が定める「小児期メタボリックシンドローム」の診断基準を紹介しましょう。

小児期メタボリックシンドロームの診断基準(6〜15歳)ウエスト周囲径


・中学生80cm以上/小学生75cm以上
もしくは、
・ウエスト周囲径(cm)÷身長(cm)=0.5以上


上記ウエスト周囲径が該当し、かつ下記項目のうち2項目以上があてはまる

中性脂肪


120mg/dl以上

かつ/または

HDLコレステロール


40mg/dl未満

収縮期(最大)血圧


125mmHg以上

かつ/または

拡張期(最小)血圧


70mmHg以上

空腹時血糖


100mg/dl以上

とくにメタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群とも言いますが、内臓に脂肪がたまっていて、高血圧や糖尿病、生活習慣病、動脈硬化などにつながりやすい状態です。

ただし、こうした数値には生まれつきの体質や体型も関係してくるため、あくまで目安です。

メタボの診断には、血液検査が必要ですし、肥満が深刻に心配される場合には、小児科など専門医の診断をあおぎましょう。


小児肥満で高まるリスクとは

厚労省によると、小児肥満の約70%が成人肥満に移行することが指摘されています。

小児期メタボリックシンドロームを予防するには、「脂肪や塩分の多いスナック菓子の間食」や「部屋にこもってゲームのような遊び方」、「野菜が少なく脂質の多いおかず」、「朝食の欠食」、「時間に不規則な生活」など、子どもの生活習慣を見直すことが重要です。

子どものころから「当たり前」だったことは、大人になってもなかなか変えられないものです。また、親の習慣が子どもに害を与えているケースも考えられます。

現在では、国の子ども子育て支援制度のもと、各自治体でさまざまな子育て支援事業が行われています。自分の住んでいる地域で、専門家による栄養指導などを実施するイベントがないかチェックして、積極的に活用してみるのもいいですね。

中学生や高校生にもなれば、自覚や改善もできるようになりますが、小児〜小学生のうちは子どもに余計なプレッシャーを与えないように、保護者が牽引(けんいん)して、家族みんなで健康的な食事や運動に取り組むようにしたいものですね。

【参考】
厚生労働省『子どものメタボリックシンドロームが増えている』(http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-06-001.html)

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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