その日の疲れはその日に解消! カギは「5大栄養素」


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ

いつも通りの生活をしていても、1日の終わりには疲れを感じるものです。

適度な疲れは睡眠の質を上げ、代謝を高めるため、良い面もあります。

大切なのは疲れをその日に解消し、溜めないことです。

そのために必要なのが「5大栄養素」と呼ばれる栄養素を摂ること。

その理由を詳しく解説していきましょう。

5大栄養素とは

5大栄養素は、食物に含まれる栄養素のうち、生命を営むために欠かすことのできない炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルのことをいいます。

それぞれが体内でお互いに作用し合って役割を果たしているため、ひとつひとつを摂ることに加え、全てをそろえて摂ることが大切です。

それでは、各栄養素の役割と多く含まれる食品をみていきましょう。

炭水化物

活動のエネルギー源となります。炭水化物の最小単位であるブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です。

不足すると、脳や神経、筋肉の働きに支障をきたします。

逆にとりすぎると体内に脂肪として蓄積されます。

・多く含む食品


 米、パンや麺などの小麦製品、イモ類、砂糖など

タンパク質

筋肉、骨、髪、爪、血液、ホルモンなど、身体を構成する成分のもととなる栄養素。

エネルギー源にもなりますが、身体を構成する成分としての働きが優先されます。

不足すると、筋力の低下、免疫力の低下、発育障害など、さまざまな不調を引き起こします。

・多く含む食品


 肉、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など

脂質

少量で高エネルギーとなる効率的なエネルギー源であり、細胞やホルモンの原料。炭水化物、タンパク質に比べ、脂質は倍以上の高いエネルギーを産生します。

ただし、過剰摂取は肥満や生活習慣病につながります。

逆に不足すると皮膚がカサついたり、脂溶性ビタミンの吸収が悪くなります。

・多く含む食品


 植物油、バター、ラード、マヨネーズなど

ビタミン

炭水化物、脂質、タンパク質が体内で円滑に働くのをサポートします。

ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂溶性ビタミンと、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンCといった水溶性ビタミンがあります。

体内の酵素を助ける補酵素となり、身体の調子を整えます。

・多く含む食品


 肉類、魚介類、野菜、果物など

ミネラル

体内の働きを調整します。


現在、生命の維持に欠かせないミネラルは、16種類(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、塩素、クロム、マンガン、コバルト、銅、イオウ、セレン、モリブデン、ヨウ素)あることが分かっています。

微量で骨や血液を作る、体液を調整する、神経や筋肉の機能を維持する、代謝を高める、ホルモンを作るなど、幅広い役割を担っています。

・多く含む食品


 肉類、魚介類、乳製品、野菜、果物、海藻など

疲労回復のメカニズム

エネルギーが不足していると、細胞修復が間に合わず疲労が蓄積されていきます。

そのため、疲労回復のためには、第一にエネルギーをしっかり補充することが大切です。

先ほど、炭水化物・たんぱく質・脂質はエネルギー源になるとお話ししましたが、食べ物をエネルギーに変えて身体の働きを円滑にまわすためには、これらの働きを補佐するビタミンやミネラルが必要です。つまり、疲労回復には5大栄養素すべてが必要だということです。

また、疲労の原因には「活性酸素」も関わっています。

活性酸素は字のごとく「活性化した酸素」のことで、酸化させる力が非常に強いのが特徴です。適量であれば殺菌などに働く身体に必要なものですが、過剰になると身体にさまざまな悪影響を及ぼします。

そして、疲労も活性酸素による悪影響のひとつです。

過剰な活性酸素が細胞を傷つけ身体のシステムがうまく回らなくなることで疲労につながります。

ヒトの身体には、過剰な活性酸素を体内で処理するしくみが備わっています。けれども、活性酸素が過剰になると処理しきれなくなってしまいます。


過剰な活性酸素の処理をサポートするためには抗酸化作用のある食品を摂ることが有効です。

5大栄養素のひとつであるビタミンのうち、ビタミンA、C、Eは強い抗酸化作用を持ちます。

毎食で5大栄養素を摂るための3つのポイント

では、1日に5大栄養素をどれだけ摂ったらいいのでしょうか。

これについては、厚生労働省が策定した「食事摂取基準2015」に定められています。

とはいえ、実際に食事をするときには摂取量を計算することはできません。また、摂取量を満たそうとまとめて摂っても一度に消化吸収できる量には限りがあり、1日に必要なエネルギー量を産生できる状態にはなりません。

そこで、1日3回の食事で適量の5大栄養素を摂るよう心がけることが必要になるのです。

ポイントは3つあります。

その1:主食・主菜・副菜をそろえる

主食からは炭水化物、主菜からはたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、副菜からはビタミン、ミネラルを摂ることができます。

定食スタイルであればベストですが、丼や麺類の場合でも、主食と主菜が一緒になっていると考え、副菜を加えれば必要な栄養素を摂ることができます。

疲労回復のためには、ちょっとひと手間かけることがポイントになります。

その2:1日単位で多くの食品を食べる

昔から「1日30品目食べましょう」といわれてきました。

5大栄養素に属する多様な栄養素をより多く摂るためには、さまざまな食品を摂ることが必要です。

1食で多くの食材を摂ることが難しい場合でも、1日(3食)〜数日の単位で異なる食材を摂ることを心がけましょう。

その3:適量のめやすを知る

1食のめやす量を知る方法として、手を使う方法があります。

・主食


 こぶし1〜1.5個分

・主菜のうち肉・魚・卵・大豆製品などのメイン食材


 手のひら1〜1.5個分

・主菜・副菜で摂る野菜・海藻・きのこ


 生のもので両手1杯分、加熱したもので片手1杯分

これなら、手料理でも外食でも、誰でも確認することができますね。


5大栄養素をしっかり摂ることに加え、睡眠・休養をとることも大切です。

1日の疲れはその日のうちに解消し、「疲れ」と上手に付き合っていきましょう。

<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供


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