「足のむくみ」が気になるあなたへ。原因や対処法をご紹介

「足のむくみ」が気になるあなたへ。原因や対処法をご紹介

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執筆:吉村 佑奈(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ


夕方になると足がむくんでしまう、靴がきつくなる、ブーツのチャックが上がらない、といった経験はありませんか?

足のむくみは女性によく見られる症状のひとつです。

しかし、なぜむくみが起きるのでしょう?

今回はむくみについて、詳しく説明していきましょう。

むくみとは?

「むくみ」は専門用語で「浮腫(ふしゅ)」といいます。

浮腫とは、皮膚の下にある「皮下組織(ひかそしき)」に水がたまった状態です。

何らかの原因で血管内の水分である「血漿(けっしょう)」が血管やリンパ管の外に漏れ出て「組織液(そしきえき:細胞を取り囲んでいる液体で、細胞と細胞の間で栄養分や酸素と老廃物の交換を行う)」が増えます。

血漿成分が血液内に戻らず、細胞と細胞の間に余分な水分が溜まった結果、浮腫が起こります。

足がむくみやすいのはナゼ?

足のむくみは、足の静脈の流れが悪くなり、リンパ液がスムーズに流れないことで、血漿成分が血液内に戻らず、細胞と細胞の間に余分な水分が溜まることで起こります。

では、なぜ足の静脈の流れが悪くなってしまうのでしょうか?

心臓から出た血液は、酸素や必要な栄養を細胞まで運び、二酸化炭素や老廃物、余分な水分などを回収しながら心臓に戻ってきます。

足に流れてきた血液は、心臓に戻るときには重力に逆らうことになります。

このとき、ふくらはぎの筋肉がポンプとなって血液を心臓へ戻す手助けしています。この働きから、血液を心臓に戻す手助けをしているふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれています。

ところが、ふくらはぎのポンプの役割がうまく行われないと、血液が心臓に戻るまでの時間に時間がかかってしまいます。

その結果、静脈の流れが悪くなり足に水分がたまり、むくみを引き起こします。

浮腫には、病気が原因で起こるものもありますが、多くの方が経験する「足のむくみ」は一時的に生じる浮腫の場合がほとんどです。

足のむくみが起こる理由

塩分の摂りすぎ、暴飲暴食は一時的に生じるむくみ全般に影響します。

日常で起こる足のむくみは、おもに次のことが原因です。

運動不足、筋力低下

ふくらはぎがポンプの役目を果たすには、筋肉がしなやかに伸び縮みする必要があります。

心臓からいちばん遠くて低い位置にある足から、重力に逆らって血液を押し上げるポンプ機能を果たすには筋肉がないと難しいです。

運動不足でポンプ機能が低下すると、むくみにつながります。

また、むくみに悩む女性が男性に比べて多いのは、もともとの筋肉量が女性は男性よりも少なく、このポンプ機能が弱いためと考えられます。

冷え

身体の冷えは、血行が悪くなっていることを意味します。

血行が悪くなると、老廃物の回収が滞ることにもつながります。

また、むくみが起こることでさらに冷えるという悪循環を引き起こしてしまいます。

ホルモンバランスの乱れ

とくに女性は生理などでホルモンバランスが乱れていると自律神経が乱れやすくなり、その結果、血液の悪循環が起こって足のむくみにつながります。

長時間同じ姿勢をとる

立ち仕事もデスクワークも長時間同じ姿勢でいるため、むくみを引き起こしやすいという点で実は変わりません。

同じ姿勢でいるということは、ふくらはぎの筋肉の働きは少なくなっているということになります。

ポンプ機能は筋肉の収縮によって作用しているため、同じ姿勢でいるとうまく働かない状態となり、血液やリンパの流れが滞ってしまいます。

下肢の静脈瘤

足の静脈は、重力に逆らって心臓に向かって血液を送るため“ハ”の字型の弁があり、立っている時に血液が足の方に戻ってしまう(逆流してしまう)ことを防いでいます。


下肢の静脈瘤は、この弁が壊れてきちんと閉まらないために血液がたまって静脈がこぶ(瘤)のようにふくれてしまう、静脈特有の病気です。

老廃物を含んだ血液が足にたまるので、こぶのように見た目にわかるものだけでなく、むくみやだるさなどの自覚症状も出ます。

遺伝や妊娠・出産、長時間の立ち仕事などが、弁が壊れる原因とされています。

「足のむくみ」への対処

むくみを解消するには、「第二の心臓」であるふくらはぎの筋肉を動かすこと、血流を促進することが有効です。

運動の習慣を取り入れる

日常に運動、とくに足の筋肉を動かす習慣を取り入れることが効果的です。

たとえば、毎日の歯磨きや、外出時の信号待ち、家事の動作中につま先立ちをしたり、かかとを上げたりするなど「〜ながら運動」でもOK。

もちろん、ウォーキングや通勤時のバス停1つ分あるいはひと駅手前から歩く、早歩きするなどを取り入れれば、むくみだけでなく生活習慣病の予防にもつながります。

しめつけない


寒いから冷えるからと言ってたくさん着込んでしまうと、身体をしめつけて、むくみにつながります。

温めるポイントは、「首、手首、足首」の3つです。ぐるぐる回して血行を良くする、ゆとりのあるレッグウォーマーやスカーフなどを活用します。

あたためる、マッサージ・ストレッチをする

身体の血行をよくするためにも、お風呂はシャワーだけですませず、必ず湯船にも浸かるようにしましょう。

また、お風呂上がりの血流が良くなっているタイミングで、足の裏から太ももまでのマッサージを行いましょう。

溜まった余分な水分を流すイメージで行うとよいでしょう。

長時間同じ姿勢をとらない、正しい姿勢を意識する

長時間同じ姿勢をとっていると、血流の悪化につながります。

デスクワークの方は、デスクの下で足首の曲げ伸ばし運動をしたり、定期的に席を立って用事をしたりするなど意識して同じ姿勢を続けないようにします。

また、いつも足を組んで座っている方はいませんか?

そのような座り方を続けていると歪みが生じ、その結果下半身の血流が悪くなってしまいます。できるだけ正しい姿勢を保つよう心がけてみてください。

立ち仕事の方は、靴が足に合っているかどうかの確認をしてみてください。

合わない靴が足に負担をかけ、血流を妨げてしまいます。

こんなときには受診を!病気が原因で起こる「むくみ」

突然あらわれたむくみや下記のような症状がある場合は、狭心症や心筋梗塞などによって心臓が弱まっていることや(心不全)、急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症などの内科的な病気も考えられるため、一度病院で診察を受けることをすすめます。


・5秒ほど押して離したあと、指の跡がはっきりとへこむ(圧痕がある)


・数日間で数キロ増加する、1日の間で数キロにもおよぶ体重変化


・尿の出が悪くなった


・横になると咳が出たり、息苦しかったりする


・血尿をともなう


・口唇やまぶたの腫れ

また、受診の際、次のことを伝えると、正確な診断につながります。


・むくみは全身に出ているか、左右片側だけ、どこか局所のみか

・1日のうち、朝からずっとむくみがあるのか、夕方に強くなっているのか


・むくみが日ごとに強くなっているか


<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
助産師・保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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