やすらかな眠りのために、「副交感神経」を詳しく知ろう

やすらかな眠りのために、「副交感神経」を詳しく知ろう

やすらかな眠りのために、「副交感神経」を詳しく知ろう


執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ

ストレスフルな現代。

インターネットなどでも、さまざまなリラックス法やストレス発散法が紹介されているのを見かけますね。

このような情報の中でしばしば「副交感神経」という言葉を見かけることがあります。

実は、睡眠の質にも関係している副交感神経。はたしてどんな働きがあるのでしょうか?

今回は、この副交感神経について、詳しくご紹介したいと思います。

副交感神経は自律神経系のひとつ

私たちの身体には、さまざまな種類の神経が通っています。これらの神経は、脳や脊髄にある「中枢神経系」と各器官に情報を伝達する「末しょう神経系」にわけることができます。

末しょう神経系は、さらに「体性神経系」と「自律神経系」にわかれます。

今回のテーマである副交感神経は、自律神経系のひとつです。

自律神経系には、私たちの意志とは関係なく、内臓や血管、分泌腺(ホルモン分泌にかかわる腺)の機能を調節する役割があります。

たとえば、運動したら心拍数が上がったり、暑いときには汗が流れたりしますが、これらの調節を行っているのが自律神経系です。

自律神経系には、「交感神経系」と「副交感神経系」という2つの系統があります。交感神経は、おもに昼間の活動時に活発に働き、副交感神経はおもに夜間のリラックス時や睡眠時に働きます。

この2つの自律神経系は、一方が優位に働くともう一方の働きは抑制される、という交差関係にあります。


通常は、身体の状態を一定に保つために、交感神経と副交感神経がバランスをとりあいながら働いています。

副交感神経の役割

具体的に副交感神経が優位に働くと、身体は次のような状態になります。

・ゆっくりと深い呼吸になる

・心拍数が穏やかになる

・脳動脈や冠状動脈を拡張させるため、血圧が下がる

・消化管活動が活発になり、消化液の分泌量も増える

・血糖が下がる

・排尿が促進される

・免疫力が高まる



先ほどお話ししたように、交感神経と副交感神経は相反関係にあります。

そのため、交感神経が優位になると、身体は上記と逆の状態になります。

副交感神経が働かないとどうなる?

ここまでお話ししたように、自律神経は交感神経と副交感神経がバランスをとり合うことで、身体の機能を調節しています。

そのため、どちらか一方ばかりが働き続けると、安静にしていても心拍数が速くなる、暑くもないのに身体がほてる、胃腸の調子が悪くなるなど、さまざまな不調をきたすようになります。

また、夜になっても副交感神経が働かずに交感神経が優位な状態が続くと、身体は活動時であると認識してしまい、身体がリラックスできずに睡眠の妨げになります。

もし、あなたが睡眠の質や量(時間)に関する悩みを持っているのであれば、それは副交感神経がきちんと働いていないことが影響している可能性もあるのです。

やすらかな眠りのためにできること

なぜ自律神経のバランスが乱れるのか、その直接的な原因についてはまだわかっていません。

ただ、不規則な生活習慣や過度なストレスが持続することで、自律神経のバランスを崩すのではないか、といわれています。

ですから、自律神経のバランスを整え、睡眠前に副交感神経を優位な状態にさせるためには、規則正しい生活を送ることと、ストレスをためないことが重要なのです。

とはいえ、ストレスをためやすい性格の人も大勢いるはず。そんな人のために、副交感神経を高める方法をいくつか紹介します。

マッサージをする

ある研究(※)では、ハンドマッサージを行ったところ、副交感神経の働きが高まり、また怒りや疲労感が有意に減少したことが証明されました。

日常生活でも、疲れているときに自分でマッサージを行う習慣をつけると、身体の緊張がほぐれ、リラックスした状態で眠りにつけるでしょう。

(※出典:http://opac.lib.yamanashi.ac.jp/igaku/mokuji/YNJ/YNJ4-2/image/YNJ4-2-025to032.pdf)

リラックス効果のあるアロマオイルを使う

自律神経をコントロールしている脳の視床下部は、嗅覚が伝わる「大脳辺縁系」と連携しているといわれています。

そのため、とくにリラックス効果のある香りを嗅いで嗅覚を刺激することで、副交感神経の働きを優位にさせることができます。


ラベンダーやイランイランなど、リラックス効果の高いアロマオイルはいくつもあるため、好きな香りを探してみるとよいですね。

ぬるめのお湯に浸かる

38〜40℃くらいのぬるめのお湯にじっくり浸かることで、筋肉の緊張がゆるみ、身体をリラックスさせることができます。

反対に、42℃以上の熱いお湯は、交感神経を刺激して、身体を活動モードへと切り替えてしまうため、夜の入浴ではおすすめできません。


このように、ちょっとしたことで副交感神経の働きを促すことができます。

反対に、寝る前にカフェインを摂る、いつまでもスマホをいじるなどの行為は、交感神経を高めて寝つきを悪くします。

ついついやってしまうことも多いと思いますが、やすらかな眠りのために、寝る前の習慣を見直してみましょう。

<執筆者プロフィール>
伊坂 八重(いさか・やえ)
メンタルヘルスライター。
株式会社 とらうべ 社員。精神障害者の相談援助を行うための国家資格・精神保健福祉士取得。社会調査士の資格も保有しており、統計調査に関する記事も執筆


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供


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