助産師さんに聞いた「ベビーベッドの必要性」

助産師さんに聞いた「ベビーベッドの必要性」

助産師さんに聞いた「ベビーベッドの必要性」


執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

出産が控えているお宅では、赤ちゃんとの生活に必要なものの準備を始めていることでしょう。

なかでも、必要かどうか迷うことが多いのがベビーベッド。

必ずしも必要ということではなく、それぞれのご家庭でなぜ必要か、実際の赤ちゃんとの生活について想像しながら検討すると良いでしょう。

今回は「ベビーベッドを必要とするのはどういうときなのか」について、解説したいと思います。

ベビーベッドとはどんなもの?

ベビーベッドは、大人のベッドとは違って四方を柵で囲われています。

木製のものが多いですが、柵の部分を網でつくられたものなどさまざまです。また、ベッドの高さや大きさもいろいろあります。

ベビーベッドの一番の目的は、「赤ちゃんを安全な場所に寝かせる」ことです。

使用期間はたいてい1歳前、つまり、つかまり立ちをする頃までの赤ちゃんが使うことが多いものです。

大人にとってベッドは寝る場所ですが、赤ちゃんにとってベビーベッドはどういう意味があるでしょうか。

その答えを考えるためには、0歳代の赤ちゃんの睡眠について知っておくと良いでしょう。

赤ちゃんの睡眠の特徴を考える

私たち大人は、寝る身支度ができたら決まった寝床に向かうという習慣があります。そして、たいていは夜に寝て、朝に起きるというリズムの中で生活しています。

一方、赤ちゃんは当然ながら自分で寝床に向かうわけではなく、次のようなときに眠っています。


・授乳をしながらそのまま入眠

・授乳後、しばらく抱っこをしている間に入眠

・トントンなどとスキンシップをとっている間に入眠

・大人と一緒に移動しているときなどに、ゆられて入眠(抱っこ、抱っこ紐、ベビーカー、車の中など)

・ゴロンとひとり遊びをした後、そのまま入眠


このように、赤ちゃんは大人のもとで昼夜を問わず寝たり起きたりを繰り返しながら過ごします。

ベビーベッドは、赤ちゃんが寝ついて、しばらく大人がそばを離れるときに安全に過ごす場所になります。

自宅にベビーベッドは必要か

赤ちゃんにとって、ベビーベッドがどのような場所なのかご理解いただけたでしょうか。

ここで、ご家庭それぞれの事情に沿ったベビーベッドの活用方法と、必要性を検討してみましょう。

ベビーベッドがあると便利な例は、以下のような場合があります。

寝室以外で使う場合

・ペットや上の子が赤ちゃんの周りを走り回ったりイタズラをされたりする可能性がある

・リビングやキッチンなど1日のうち多くの時間を過ごす場所に置けるスペースがある

・ある程度目が届く位置に、ベビーベッドを置くスペースがある

・普段から、ソファーで過ごすことが多く、ベビーベッド・ソファー間をあまり移動せずいられる場所に置ける

寝室で使う場合

・大人用のベッドと並べてベビーベッドを置くスペースがある

・大人用のベッドと高さをそろえて横付けして置ける

あまりおすすめできない使い方、またあまり必要でない場合おすすめできない使い方

大人とは別の部屋や目の届かない場所にベビーベッドを置くことは避けましょう。

安全の確保のため、少なくとも乳児のうちは大人と同じ部屋で寝かせるようにします。

日本に比べて添い寝文化があまりない欧米でも、乳児のうちは大人のベッドに赤ちゃんを連れてきて寝かせている親が少なくありません。

とくに母乳育児をしている間は、赤ちゃんが近くにいる方が夜間の授乳が楽だと感じる人が多いからです。

ベビーベッドがあまり必要でない場合

普段から大人がソファーやベッドでの生活ではなく、畳や布団で生活しているのであれば、赤ちゃんも同じ高さで生活する方が楽でしょう。

それぞれの家庭で、部屋のスペース、予算、家族構成、その後の家族計画などを考えて、必要性を検討すると良いでしょう。

また、入手する場合には購入する場合やレンタルする場合、譲ってもらうなど工夫することでコストを抑えることもできます。

産後のお母さんと赤ちゃんの生活を考えることも重要

出産直後のお母さんと、寝返りをする頃までの赤ちゃんの生活を考えて、ベビーベッドを検討することも重要です。

ポイントは、母親自身の身体の回復を図りつつ、赤ちゃん中心の生活ができるようにすることです。

出産後は、会陰(えいん)や肛門の痛み、帝王切開のお腹の傷が回復していく大切な時期です。

また、「寝ては起きて」を繰り返す赤ちゃんに合わせて、昼夜を問わない育児が続くため、疲労も溜まります。

さらに、妊娠と出産によってお腹まわりや腰の筋肉が弱っていたり、骨盤が不安定な状態になっています。

ですから、赤ちゃんのお世話が必要だとはいえ、育児や日常生活の動作で立ったり座ったり、こまめに移動するということが、とても身体の負担になります。

よって、出産直後の生活の準備をするときは、動線をできる限り短くするようにしましょう。

さらに、赤ちゃんのお世話をするときにしてしまいがちな腰を折り曲げた中腰の姿勢もよくありません。ですから、そのような負担な動作をしなくても済むような生活をイメージしながら、部屋の間取りやベビーベッドの必要性を検討することも重要なのです。

<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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